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水の空の物語 第2章 第16話

「もしかして、今日も探しに行っていたの?」

「うん、今日は西の山にある洞窟に行ってきた。細い水脈がたくさんあってさ。全部見たから、少し疲れたよ」

「疲れたのは、あんなたくさんの木を癒やすからでしょ」

 心配げにいうスーフィアに、夏澄はごめんとつぶやく。

「洞窟に行く途中でね、病気が流行っている森を見つけたんだよ。でも、ルール違反じゃないからいいんだ」
「ルール?」

「夏澄は仁愛の精霊でしょ? ほおっておくと、端から動物や植物を癒やしに行っちゃうのよ」

 いったスーフィアに、夏澄はまた謝る。

「でも、それじゃあ、夏澄の体力がもたないし、精霊の国の泉を元にもどす方法も探せないでしょ? だから私たちは、誰かを癒やすのは、見かけたり出会ったりした場合だけっていうルールを決めたの」

 風花は黙り込む。

「夏澄に会えなかった動物たちにとっては不公平な話だし、夏澄にもわるいけど、我慢してもらってるの」

 でも、それだと……。

「それだと、夏澄くんがつらいね」

 いうと、スーフィアは微笑む。いい子といって、スーフィアが風花の頭を撫でた。




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