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記事一覧
13 訪問リハビリの日常【嘘つき】
拒否のある方への訪問リハビリ
サービス付き高齢者住宅(サ高住)に入所している80代の山田さん(仮名)のお話です。
この方は脳梗塞後遺症、うつ病、アルツハイマー型認知症などの基礎疾患を抱えています。私が訪問リハビリで伺うとき、山田さんにはこう声をかけます。
「山田さん、こんにちは。今日も少し体調を確認させてくださいね。」
そう言って体温や血圧など、必要なバイタルチェックを行います。チェック後には
13 訪問リハビリの日常【自分の人生を生きる】
今回は90代のお母様と同居されている60代の息子様のお話です。
息子様は定年退職後、一人暮らしだったお母様と一緒に暮らすことを決めました。お母様は90代と言っても体はお元気、外も一人でスタスタと歩けます。しかし、認知症があり、少しの時間お話しする程度ならば問題ないのですが、見当識障害と言って日にちが分からなかったり、ご飯を食べたことを忘れてしまったり、何年もリハビリを行なっているにも関わらず
12 訪問リハビリの日常【老々介護】
訪問リハビリで時折、目にするのが、90代の旦那様を80代の奥様が介護する「老々介護」の光景です。90代の方を70代の子どもが介護していることもあります。
90代の利用者様が「おーい、おーい。」と奥様を呼び、「ここが汚れている。」とか「腹が減った。食べ物を持ってきて。」などと奥様に伝え、奥様が持ってきた食事に対して「これじゃ無い。」と言ったり、文句を言いながら食べていることがあります。90代の利用
11 訪問リハビリの日常【いくつになっても】
90代の方のお話です。この方はある病気で寝たきりになってしまい、ベッド上での生活を送っていました。数年前から訪問リハビリを導入していましたが、もともとの持病が悪化したり、改善したりを繰り返していました。そのため、訪問リハビリでも身体機能や日常生活動作(ADL)の改善はなかなか難しい状態でした。
しかし、2年かけて、伝い歩きでですが、歩けるようになるまで回復しました!!この方は「歩けなければ生きて
11 訪問リハビリの日常【エンディングノート】
「とても素晴らしいものを作っていただきました。本当にありがとうございます。」
私がエンディングノートをお渡ししたところ、90代の利用者さんはとても喜んでくれました。この時はとてもお元気で、特にどこか不調があると言うわけではなかったのですが、何かあった時のために、一度自分の考えをまとめ、家族に伝える手段として、エンディングノートを作成することにしたのです。自分で書くことは難しいとのことで、利用者本人
10 訪問リハビリの日常【言葉の力】
10年ほど前に50代で脳梗塞を発症し重度の右片麻痺になってしまった利用者様。でも利用者様はいつも前向き、「リハビリをして、もっともっと動けるようになるの。」といつも意欲的にリハビリに取り組まれています。運動メインのデイサービスにも通い、訪問リハビリも頑張っています。利き手の右手が使えず、自宅内を車椅子で移動しながら、なるべく家事もやれる範囲で自分でやっています。今のは、歩いて自宅の中を移動できる
もっとみる09 訪問リハビリの日常【グリーフケア】
訪問リハビリは、基本的に1人で利用者さんのお宅に伺います。でも今日は違います。訪問診療の医師、訪問看護師、そして訪問リハビリスタッフの私の3人で、利用者さんのお宅に伺いました。いや、元利用者様と言った方が正しいかもしれません。先日亡くなった利用者様のご家族のグリーフケアに伺ったのです。
玄関のチャイム鳴らすと旦那様が迎え入れてくれました。「今日は忙しい中、家内のためにありがとうございます。」
08 訪問リハビリの日常【最期のときの過ごし方】
その日は雨が降っていました。リハビリに伺うと、利用者様はベッドに腰掛けて、しとしと雨が降る庭を眺めて待っていました。挨拶をしてバイタル測定をすると、いつ通りその日も熱がありました。利用者様は「今日もちょっとえらくて、、、。マッサージを中心に行ってくれるかしら。」と私に伝えました。
肺の病気で入院し、入院している間に体力が落ちてしまい、退院後から訪問リハビリを開始しました。退院直後は体調も良く、
07 訪問リハビリの日常【誕生日には花束を】
「定年後、妻とのんびり余生を過ごそう。」
そう思い、仕事に邁進してきたその方は、定年後すぐに交通事故に遭ってしまいました。そして、その事故の後遺症のせいで四肢麻痺と言う、手も足も全く動かせなく障害を負ってしまいました。なんとか、自分で呼吸はできるものの、言葉もうまく発することができません。その利用者様を奥さんは長年も介護されています。
その奥様の誕生日には、毎年プレゼントが届きます。体は動かず、
05 訪問リハビリの日常【最期の迎え方】
リハビリに伺うと、その方はベッドの上で横になっていました。ご家族の方は「さっきまで起きて、大好きなイチゴを少し食べてたんですけどね。寝ちゃいましたね。」と先ほどまでの様子を教えてくださいました。その日は、午前中は親戚と団欒して過ごし、午後からリハビリの予定でした。
私はいつものように「こんにちは。体温や血圧を測っていきますね。」と言って、寝ているその方の体温を測りました。36度5分。そして今度
04 訪問リハビリの日常【卒業】
「目標だった自宅の階段も自分で登れるようになったし、そろそろリハビリを卒業しようかな。」リハビリを始めて半年後に、その方は私にそう伝えました。
その方は肺炎で入院している間に体力が低下してしまいました。自宅は団地の4階だったのですが、退院するときに自宅の階段を昇るのにかなり苦労したようです。階段を昇る際に家族に手伝ってもらいながら頑張って昇ったのですが、途中2回尻餅をついてしまい、自宅に入ったと
02訪問リハビリの日常【利用者さんにオンライン診療をすすめてみた】
先日、オンライン診療を初めて利用し、想像よりはるかに簡単なことに驚愕しました。
下記がそのときに記載した記事です。
そして、「これなら、普段スマホを利用している高齢者なら使えるレベルだ!」と、私は確信しました!!
今回は、「病院へ自分で行けない。」と訪問リハビリ時にいつも嘆いている70代の利用者さんにオンライン診療をすすめてみました。
「絶対喜ぶぞ〜。」と意気揚々と訪問先へ向かいました。
その