自己への思いやり：セルフコンパッションがもたらす心と体の健康
はじめに
「自分を装飾せず、そのままの姿でポジティブに生きる」- これが最近再評価されています。
海外では、自己批判をせず、思いやりを持って自己を受け入れる概念が「セルフコンパッション」として人気です。
海外の研究では、「セルフコンパッション」が健康維持につながると示されています。
自己受け入れの力
ストレスが増える中で、特に女性が影響を受けやすいことが研究で明らかになりました。
自己の感情をそのまま受け入れ、ポジティブな心情を維持することが重要となります。
ここで重要なのが「セルフコンパッション」です。
これは、困難に直面した自分自身に対するポジティブな思いやりを指します。
直訳すると「自己への思いやり」。
セルフコンパッションを保つことは、心理的にプラスになるだけでなく、自分自身の体を内側から健康に保つ効果もあると考えられています。
セルフコンパッションと健康
米国ピッツバーグ大学の研究グループは、195人の女性を対象に、セルフコンパッションが体の健康にどのように影響するかを調査しています。
「ストレスなどのネガティブな要素が心臓の健康にどのように影響するかは多くの研究が行われていますが、セルフコンパッションのようなポジティブな心理的要素の影響はまだ十分に知られていません」と研究主任のレベッカ・サーストン教授が述べています。
分析したのは、参加者が困難な状況に直面したときに自分自身を思いやり、ポジティブにいられるかどうかです。
さらに、超音波検査で頸動脈の健康状態と、抑うつ症状などの一般的な血管の健康と関連する要素を調査しました。
結果
明らかになったのは、困難な状況でもポジティブな心情を維持するセルフコンパッションの考え方が、血管の健康を保つことができるということでした。
超音波検査で血管壁が薄く、脂肪などのプラークの蓄積が少ないことが確認されました。
さらに、高血圧やコレステロールなどの一般的なリスク要因とは無関係に、セルフコンパッションの影響が血管の状態に現れていることも明らかになりました。
ポジティブな思考が血管の健康につながるという結果です。
ストレスの多い状況が続く中、厳しい状況でも自己慈悲を持ち、ポジティブな感情を保つことが、心と体の両方に好影響をもたらすことが示唆されています。
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