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《(和)non+section》枠が限定されていないこと。特に、クイズ番組などで出題範囲が限定されていない部門。(goo辞書より) 不定期更新。
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2020年11月の記事一覧

随筆『たそがれに屁の河童』(1)

    2020 11/30。池部良『心残りは…』読了。抱腹絶倒の自叙伝だった。     (内堀保…

掌編小説『始発前』

 有名人の誰それさんが自殺したというニュースがテレビで報じられていた。しらじらと夜が明け…

随筆『ルーツ』

 我が家のルーツについて、父親が生前、役所など回って、かなり丹念に調べていて、ぼくから数…

随筆『鉄路の父子』

 死んだ父親の名前をググってみたら、国立国会図書館所蔵の本がひっかかった。 「鉄道ピクト…

随筆『鉄道の見えるパノラマ』

 弟が産まれるのをきっかけに、わが家は原爆爆心地のすぐ近くの坂本町から、若竹町に引っ越す…

随筆『ぼくの好きな先生(男性篇)』

 中学三年の猛勉強のおかげでなんとか高校に入学できたぼくに、学校から連絡があった。入学式…

随筆『ぼくの好きな先生(女性篇)』

          ぼくほど素晴らしい先生たちに恵まれた人間はいないかも           しれません。そうした先生たちとの出会いがあったから、           いまのぼくがある。ほんとうに感謝しかありません。恥ず           かしい話なんですが、そんな先生たちのことを伝え残した           くて書きました。  小学校6年生の時だ。買い物に出かけていた母が真っ赤な顔して帰ってきた。 「あー、恥ずかしか」  何があったのか尋ねると、会う人会う人から、おた

スキャンダラス!ギリシア神話〜ギリシア神話の仰天事件簿〜

残酷音楽デスマッチ! アポロンVSマルシュアス【アテナイ発】  M1(楽闘技世界一決定戦)…

掌編小説『グッピー』

「あ、死んでる」  上京して半年経った頃だった。台所からそんな妻の声が聞こえてきて、どう…

掌編小説『ビルディング』

 見上げると、ぼくが上京した時からずっと屋上に鎮座していた巨大クレーンがイリュージョンの…

こどもの戯れ歌 3首

パパとママ うちは貧乏だからパパもママもいないの  おとうさんとおかあさんならいるけど …

小説「小間物屋を開く」最終回(全8回)

「肩の力を抜いてください」 「はい」  若くてチャーミングな女性インストラクターに言われて…

小説「小間物屋を開く」第7回(全8回)

 三鷹通りの桜は満開だった。  ぼくはバスの中でその壮観さに圧倒されていた。 「綺麗ねえ」…

小説「小間物屋を開く」第6回(全8回)

 今にして思うと、富士急ハイランド行の朝、発症した背中の痛みは、心筋梗塞の前兆だったようだ。  実は他にも前兆らしきものはあった。不整脈だ。  最初に不整脈が起きたのは、吉祥寺の映画館でソ連のSF映画を観ていた時だ。その次はアニメ会社の若手プロデューサーの結婚式。真っ青な顔で脂汗をだらだら流していたようで、近くにいたベテラン声優さんから「大丈夫ですか?」と声をかけられたりした。  人が多い場所で起こるので、パニック症候群じゃないかと思った。知り合いの脚本家の薦めもあって、いっ