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随筆『鉄路の父子』

 死んだ父親の名前をググってみたら、国立国会図書館所蔵の本がひっかかった。

「鉄道ピクトリアル」電気車研究会/鉄道図書刊行会 1960年6月

 父親は人間嫌いだったが、乗り物は大好きで、とくに鉄道と電車――新しいトンネルが開通したと聞けば初日に乗車しにいったし、家族旅行となると、時刻表と首っ引きで、一分一秒単位で周到に組んだスケジュールを立て、家族はそれに沿うよう、乗り継ぎ駅では、急げ急げと、荷物抱えて走らされたものだ。雑誌『鉄道ファン』もかなりの数コレクションしていて、いとこが大学の鉄道研究会に入った時に全冊寄付した。
 気になって、実家に電話してみたところ、母親も叔母さん(父親の妹にあたる)も、本のことは知らないと言う。ネットで検索したところ、目次が「健やかに」。もしかして、前年に産まれたぼくの写真を投稿したのかしらんと、国会図書館まで行って調べてみた。
 その結果がこれ(「健やかに」の下2枚めの写真)。

鉄道ピクトリアル表紙

 そういえば、古いアルバムの中にも、長崎の路面電車を写した写真が多数あった。


 ぼくはというと、鉄道ファンではないのだが、なぜかアニメで鉄道・電車ものが多い。

 『デジモンアドベンチャー』の最終回、映画『デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急』、デジモンフロンティア『チキチキ! トレイルモン猛レース』、デジモンフロンティアBlu-ray BOXのドラマCD、ディノブレイカー「弾丸特急を止めろ!」、などなど。現在執筆中の小説『The Argo Goes West』もそうだ。


 父親がこっそり敷いたレールの上を走らされているのかもしれない……。


PS この映画もよくよく考えたら父子の物語でした……。


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