食と病院 【笑える?健忘録】
正直、私は色々優遇されている方だと思う時もあります。一つの理由は、好きな物は食べるけれども、医学的に間違っていたり、危険だったりする物には絶対に手を出さない。ジャンクも食べないし、飲み物も水が99%。もう一つの理由は、外国人で日本の常識が私の常識ではないから、予想外のことを言ったり、やったりするみたい。(こういうのは、だいたい後で常識外だと知るか、気が付かないかだろう。)
いくつか、これ(患者仲間としては)面白いんじゃない?というものを載せてみよう😄
食関係の笑えるエピソード
1) 出前取れる確認
100%出前を病院にオーダーするのがOKだと確信しつつ、受け取りの手間は申し訳ないから、看護師さんに許可を確認した時。
私「ここって、出前頼んでも大丈夫ですか?」
担当看護師「前例がありません。」
私(本心で安堵し、満面の笑みで)「よかった😄 禁止されてないんですね。一番ですね😉😄🎶受け取りって、いつどこでお願いできますか? 受け取り場所はメモで医局の前エレベーター辺りで大丈夫ですか?」(昨日まで別の階のそこで出前取ってたし、出前が危険だから食べれない理由もないと思っている私。)
看護師「ん゙、ゑ、ァ……」と言葉にならない音が漏れつつ、結構控え気味の表情が今まで見たことがない驚きから戸惑いや困惑へと移り変わる。どうやら言葉を探しているよう……
私の内心……あれ?……どうした?
私「あ、メモで指定すれば、他の場所にも来てくれますし、手間じゃない所に都合良い時間に呼べますよ😄👍 」(本気で、フォローしたつもり)
看護師「衛生面も分からないし……」
私「あ〜、確かに、それもそうですね。今のご時世、衛生面はね〜」
2) 翌々日退院の予定の時の出来事
私「コンビニ行ってもいいですよね?」
看護師「先生に確認を取らないとです。」
私「実は、さっき行って帰って来たところです。大丈夫という前例は作っておいたので、大丈夫ですよ😄」
看護師の表情が凄い
私の心の中……あれ?……どうした?……明後日退院だよ……コンビニくらい、 大丈夫でしょ……(大丈夫って前例作ったし、大丈夫なんじゃないの?)
翌朝、担当看護師さんに「急変時の〇〇コール、どこの病棟の人か分からないと、全部の科が繰り出していかないとだけど、どこの患者さんか分かれば、私達すっ飛んでいくから。コンビニ行きたい時は、一緒に行くから声かけて。」
私の心の中……あ、私まだ急変リスクありって設定なの……? え、明後日退院…… ってか、コンビニ行って大丈夫だった…… まぁ、不整脈は……そうか…… 万が一に備えて、2日分買っといてよかった。思った以上に慎重だなぁ……
私「あ、そうなんですね。はい。あ、むしろありがとうございます😊」(多分、こんな感じの受け答え。たしかに、手厚い対応に感謝している。)
3) いや、禁止じゃないよ
看護師さん「これ禁止されています。先生の許可がないと食べられません。」
私「ん? 大丈夫ですよ。必ず許可は出ます。もし、主治医が許可を出さないとしたら、私の病歴、投薬・治療内容とその影響の誤解からです。気にしなくていいですよ。」
この時、結構なにも起きず、結局主治医の許可を取ったのか分からないけれども、食べていいことになった。
考え方の違い・変化
他にも、色々と主治医の許可が必要と言われることは多かった。
こっちもこっちで、いちいちどうでもいいことなど質問せず、普通に無言で実行すればいいのだろう。そして、そのことを伝えなければ良い。実際、入院中の自由に動けて行きたい所に行ける人達は、そうする人が多いのではないだろうか。
私が「インシデントレポート書かせちゃったら悪いよね」という無駄な気遣いが、お互いになんかやりづらい状況を生み出してしまうのかもしれない。
大丈夫なことなら、それを万が一誰かが目撃した時に、目撃者が「え、これいいの?」って主治医に尋ねた時に、「別にいいよ」で済むだろう。
主治医も忙しいだろう。患者の食事やら、好みやら、正直医者としたら許可を出す時間が惜しいくらいのことなど、いちいち聞かずに禁止しちゃった方が楽かもしれない。変な(危険な)ことが起きない。(これが病院一律禁止令……? 一律禁止は、高齢化社会で薬の内服率が上がってる影響もあろう。本当は、医学的には、特定の薬剤内服中・特定の治療中に限って禁止する必要があるので、全員必要な束縛ではないものもあるかもよ〜。)逆に、そんな些細でどうでもいいこと、許可出せばいいじゃん、という考え方もあっていいと思う。
私としては、主治医にきちんと理由を理解してもらった上で聞けば(ただ聞くだけでも)、絶対に許可がおりると確信してる。(何故って?もし、私が主治医だったら、禁止必須の理由がないから。あるいは、まだ入院したての患者の雑務に追われている中で聞かれたら、ひとまず医学的に急務ではない食べ物のことは、入院当日や夜や朝などはひとまず禁止と指示を出しておくだろう。それが一番安全だ。その後、治療歴と病歴をきっちり把握した後で、もしもまだ聞かれたことを覚えており、他の重要な用事に追われていなければ、許可を出す。
もう一点、日本以外の国では、その時の状況でいちいち主治医や病院の許可を必要とする内容でもない。(青汁などの食材が一般流通が少ないとか、サプリメント摂取率が高くないという背景もある……かもしれない。)ただ、基本的に院内スーパーやレストランでの食事は自由だし、行く時は勝手に気の向くまま行くのが一般的だ。(病棟を離れる時に声はかける人もほどほどにいる。)そもそも、患者の当然の権利である食(宗教などで多様性も一般的)に、必要以上な制約を課すことが良い行動として推奨されるわけではない。なるべく、入院中も普段通りでOKという思考もある。なるべく、異常事態感は抑え、平常運転を推奨している場合もある。(厳しいところは厳格)持ち込み食も、移植中や低たんぱく食などの特殊な場合以外に注意は入らない。(病院食がフライドポテトに巨大カツだったりもするしね🤣 病院食だけが健康で安全という思考というわけでもない。)固形臓器移植後早期も、一般的には持ち込み食禁。しかし、患者の状態によっては、自宅で加熱処理して瓶に入れて、病院で再加熱〜なんて対応も個別でOKな場合も出てくる。一般の患者の食事内容に関して主治医が聞かれたら、「なんでそんなこと聞くの? そんな危険なものなの?」 それに対して、「毎日食べてて、今まで何も起きたことはなく、治療的にも禁忌じゃない。」と返ってきたら…… 「そんなの、ほっとけぇ🤣」我々(医師ら看護師ら)が感知することではない。こんなノリが予想される。
逆に、「入院中なんだから、なんでそんなもんまで食べないとなの? (宗教)〇〇食なんでしょ? 病院はホテルじゃない」と愚痴りながら、「問題ないから、食べてもいいよ。」と結局その場でOKが出ることもある。
特殊な事情がない普通の病気や治療内容なら、常識内の行動はOKなのが一般的…… 宗教も文化も各々違うし、基本的にあんまり他人のプライベートのことにそこまで関わらない印象。
院内での歩行もいい例だろう。歩けば、転倒リスクは誰にでもある。高齢者ほど、様々な疾患と年齢による足腰の衰えから、転倒リスクは上がる。しかし、だからといって一切歩かなくなってしまったら、入院治療を期に寝たきりになってしまう。
寝たきりならば、転倒リスクもなければ、転倒による骨折リスクもない。だからといって、転倒リスクを0%にするために、歩行を禁止にしてしまえば、寝たきりになったことによる認知症の加速等の他の合併症が出てくる。
何が良いかだよね?
転倒からの大腿骨骨折で一二週間で亡くなったら…… じゃぁ、10日間歩かなくて安全な入院を終えたが故に、以降寝たきりで認知症が加速して、QOLが地に落ち、家族の介護需要や福祉サービスの需要が爆上がりした方が良いのか?
「"リスクを承知で歩行します"その結果、転倒して骨折し、合併症が起きても病院を訴えません。」とかの同意書に患者が家族同伴でサインしたら、歩行自由とかにするのはどうだろう?
結局、患者の尊厳や意思も自己責任となってでも守られ、スタッフも病院も守られているってのは良さそうじゃないか?
食べ物も行動も、考え方一つで「よい行動」が180度違うかーもしれない。
外来病棟? モール?
外来もお昼時は新幹線内の食事カートでサンドイッチや飲み物が売られて回る。3大宗教の教会系が院内にあるのも一般的。ショッピングモールのような病院らしからぬ雰囲気ってのが売りだったりもする。
とはいえ、同意(WIN-WINの未来)
ただ、まぁね、何も起きない平穏な入院ってのは、たしかに望ましい。加えて、近年の保険のシステム上、入院日数が一定以上伸びるのも病院の収益が減る。検査も治療も、やればやるだけ病院の収益が減る。だから、病院としても、患者が入院中に、予防できる原因で体調を壊して治療が増える不利益とそれに関して圧力があるのも想像できる。
全てがパーフェクトじゃないと、怒鳴り込む人がいるのもまた事実…… まぁ、各々の地域や文化、風土で対応は違って当たり前なのだろう。益々、多国籍&多文化になっていくだろう日本でも、日本の常識が通じないけど、それはただの背景の違いなだけで、善意で行動している人もいると知ってもらいたい。違いの意味、相手の発言(非発言や表情)の意図が分かれば、順応する人も多いことだろう。あるいは、日本が異文化を取り込んだりね😉
医師や看護師にあんまり八つ当たりしたり、全知全能ですべてを見透かしていないことを怒ったり、防ぎようがない事故で(あるいは防ぐためには抑制・身体拘束レベルの束縛が必要な場合に)無闇に怒ったりしない方が、患者や家族にとってもプラスが大きい気がする。
色々経験して出た結論
てなわけで、最近は「そもそも、許可なんて無駄に確認しなければ、お互いに必要以上な干渉や許可が必要ないのではないか?」と考えを改めるに至りつつある。「不必要に話題にせず、大丈夫だと確信があることは気にせず必要に応じてやればいい」と考えるようになった。
歩ける患者ならば、日中病棟外に出て、スタッフの目が届かない場所で好きに過ごしている。これが安全ならば、必要以上に制約がある必要もないだろう。であれば、病棟内でも別に良さそうだけど。
健康に安全なことで、周囲に迷惑もかけない事象ならば、いちいちスタッフに迷ったり、時間を割いたりする手間を与えなければいい……のではないか?
以前は、「インシデントレポートを書かせちゃうと可哀想だから、確認とって迷惑はかけないようにしよう」と思っていた。しかし、そもそも誰一人として知らなければ、形式的インシデントにならない。であれば、看護師にも、医師にも、患者にもlose -loseな許可など取らなければ良さそうだ。そのかわり、病院に入ってから出た後まで、誰の目にも触れず、誰の耳にも入らなけらばいい。この辺、無言を突き通すのが大事。
知識として入らなければ、それは起きなかったのと同じ扱いだ。(万が一にも、いけないことだったなら、その時は潔く、行いを正そうではないか。)
ま、病院側もあんまり色々と干渉するる責任を負わずに済むとありがたいかもね。
何かの時、直ぐにスタッフ同士/院内で「責任の所在」や「責任の取り方」と火山を噴火させる必要もなかろう。そもそも、純粋な生きてれば誰にでも起きる事態なら、存在しない非を誰かに被せるのも変な話だ。患者も分からなければ、スタッフに尋ねればいい。医療職だからといって、超能力者ではない。確かに観察眼が鋭い人も多いが、言葉で言わなければ、何十人、何千人といる患者の一人が取る行動など、誰も四六時中見てなどいないだろう。第一、24時間カメラで監視していたとしても、1秒たりとも画面から意識を逸らさないなんて無理だ。第一、患者にも考える頭があるのなら、それを使わず、自分のことをスタッフに伝えず、自分の全ての行動が把握されており大丈夫なものだと決めつけずに、スタッフに聞けばいい。患者が聞かず、ミスじゃない事故が起きても、誰の責任というわけでもないから、事故と呼ぶんじゃないかな? その辺、患者もスタッフも気楽でありつつ、危険は起きないように要点を押さえよう!
その方が、スタッフの仕事量も増えず、きっと皆の快適度が増すのではなかろうか?
ゆるく、
今を大切に生きよう!