一人と六姉妹の話 6
私はどこから来たのか。私は歴史の中の、世界の中のどこに位置づけられるのか。一体私は誰の子供なのか。つまりはそういうことなのだ。考えれば考えるほど分かることが何もない。孤立無援のみなしごのような気持ちになってしまう。
まあしかし、愚痴を言ってもしょうがない。1940年代を最近だという感覚からすると、生命体としての人間の寿命などほとんど一瞬みたいなものだ。今私の傍らで歌っているニック・ドレイクなんて26で死んでいる(に、26……!)。自分の置かれた文脈がどんなものであれ、何かを