
Photo by
lome_marionette
緑色のアメーバ
眠いからなのか
目が乾いているからなのか
はたまた眼球疲労からくる
症状の一種なのか
瞼をぎゅっと閉じると
目が熱いのが分かった
乾いた眼球を急いで潤そうと
身体がびっくりしたからなのか
痛みを伴って涙もでてきた
昼間の太陽が瞼の裏側で
まだ煌々と燃えているかのようだ
目が熱い
顔が熱い
水で濡らしたタオルを
顔の上に置いてしばらく
じっと横たわっている事にした
あぁ冷たくてひんやりとした
タオルの湿り気が心地よい
瞼の裏側で眼球が悶えるように動いている
目が熱くてなかなか落ち着かなかったが
瞼を閉じてじっとしていると次第に治ってきた
ゆらめいていた暗闇が
徐々に落ち着きをとり戻してきた
闇に目が慣れてきたら
その中で何かが動いているような気がした
意識を集中してじっと見つめていると
やがてそれはアメーバの様にもみえた
形を変える緑色の光のもやが
アメーバのように見えたのは
僕の感覚的な捉え方だ
緑色のアメーバがどのような
経緯を辿っていけば夢に転じていくのか
はたまた瞼の裏側を走っている
毛細血管が見せる神秘性なのだとしたら
それもまた興味深い感覚だ
じっと横たわっていると
見えてきた暗闇の世界に
さきまで僕を戸惑わせていた
目の痛みはすっかり忘れ去られて
緑色のアメーバの動きを
追いかけている自分がいた
そうして僕の目も意識も感覚も
暗闇の中へとずんずんと
緑色の光をもっと近くでみようと
転がるように沈むように深く潜り込んでいった