夏の音楽祭
溢れんばかりの蝉の声
黒い球体ぶら下げた音符の連なり
目で見て耳で聞いて
肌身で捉えて脳みそに刻み込んでいく
奏でられる夏の音楽祭
特等席に陣取って聞き入る我らは汗だく
叫ぶ様に燃え上がって
狂い咲く様に輝く命の儚さ
弾ける様に一夏を謳歌する蝉たちの生き様
死ぬほど一生懸命に生きたのならば
いざその時が来ても悔やむ事なく
満ち足りた気持ちで青空を仰ぎ見られるだろう
彼らの生き様が僕の身体の内側で
燻っていたやるせなさを
ふつふつと刺激してくる
何かをしなければいけないと言う焦り
具体的にそれが何かといわれても
僕自身分からないが蝉たちの鳴き声を聞くと
いてもたってもいられなくなる自分がここにいる
抑えられない衝動
身体は勝手に動き出し夏の太陽の下
青空の中へと蝉の合唱曲に背中を
押されるように僕は走り出したんだ
生きている事を強く感じたい
身体の外からも内側からも
熱い夏のざわめきが
僕の心を刺激して突き動かす