
筋肉痛ラプソディー 1246日
人間楽器と化してがたぴしがたぴし
歩くたびにがたぴしがたぴし
全身が楽器にでもなったみたいに音が鳴り響く
筋肉痛で強張った筋肉を
無理やり動かせば走る痛みの刺激
骨は軋み肉は腫れ渡り
ふくらはぎはぱんぱん
首を傾げれば、ばきばきごっきんと
音が鳴る様はまるで人間楽器
一人でだってオーケストラまがいの
演奏会が開ける勢いでがたぴしがたぴし
身体中を軋らせながら歩いていく
のろのろ歩く速度は筋肉の痛みに比例して
一度つまづき転んだとしたら
立ち上がるのに一苦労
ひと呼吸・・・ふた呼吸・・。
走る痛みのトラウマが頭をよぎるが
立ち上がらなければずっとそのままなのだから
トラウマに立ち向かっていかなければいけない
歯を食いしばり痛みを堪えて
立ち上がるだけで満身創痍
生きていくって大変だ
球体的に転んで生きていけたら
どれだけ楽だろうか
そんな訳にもいかないから二本足で立ち上がり
筋肉痛に苛まれながらも
歩いていかなければいけない
辛さもいつか今日と言う日を振り返った時に
笑い話になっていたのならば
筋肉痛で苦しんでいる
今が少しは救われるかもしれない
痛みを誤魔化す為に
頭の中で適当な言い訳を
自分に言い聞かせながら
僕はずるずる体を引きずる様に歩いていく
足はもう棒だ
膝関節はつながってしまったかのようだ
腰や背中が痛い
背骨に絡みつく筋繊維をほぐしたい
首が鳴り、手首が鳴り 足首が鳴る
腰を捻ってはバキバキと砕けるような騒がしさ
むしろ気持ちが良いくらいだ
人間楽器となった僕の体からは音が鳴り響き
溢れ出さんばかりに音は四方八方飛び散っていく
僕を見る人の顔は不審気だが
気にするような余裕が今の僕にはない
生きていくのに必死なのだ
歩いていくのに必死なのだ
痛みが体の内側で熱をもって騒がしい
メラメラ叫んでいる
生半可な事じゃ離してくれない筋肉痛
激しい情熱でもって
僕の全身を包み込んでいる筋肉痛
頼むからもう少しお手柔らかに頼みます