マガジンのカバー画像

ノンフィクションのブックレビュー

108
ダンスや舞踊以外がテーマのノンフィクションの本のレビューです。
運営しているクリエイター

#俳句

『AI研究者と俳人―人はなぜ俳句を詠むのか』川村秀憲、大塚凱著:俳句に関する深く新しい考察

『AI研究者と俳人―人はなぜ俳句を詠むのか』川村秀憲、大塚凱著:俳句に関する深く新しい考察

予想よりもずっと、興味深い知見にあふれた本。対談形式。

人工知能「AI一茶くん」を開発した理系研究者と、その研究に協力する若き俳人の洞察力や感性が、読んでいて楽しい。

一気読みした。

『俳句の海に潜る』中沢新一、小澤實著:俳人と人類学者がアニミズム俳句を考察

『俳句の海に潜る』中沢新一、小澤實著:俳人と人類学者がアニミズム俳句を考察

縄文時代から受け継がれるアニミズムとは、流動し続けるスピリットやエネルギーのようなものが立ち止まると形になり、草木や石や虫や動物や人間になる、という考え方らしい。

その精神を、ある種の俳句にみる試み。

2人の対談形式と、エッセイでつづられる本。

『俳句入門―大人の愉しみ』小澤實 監修

『俳句入門―大人の愉しみ』小澤實 監修

俳句の基本知識、句会の記録、英語のhaiku、季語、川柳についてなど、盛りだくさんの内容で、楽しめる。

『俳句のはじまる場所 実力俳人への道』小澤實著

『俳句のはじまる場所 実力俳人への道』小澤實著

俳句論であり、俳句に携わる人、俳諧を目指す人への応援歌でもある本。

【目次】
第一章  俳句を志すひとへ
第二章  なぜ俳句を作るのか
第三章  境界を越えた冒険者たち
第四章  俳句異界論
第五章  発句と俳句
第六章  挨拶の起源
第七章  挨拶の重要性
第八章  近代の挨拶
第九章  挨拶と句会と
第十章  俳諧・俳句の思想
第十一章  俳句における志
第十二章  なぜ俳句を縦に書くか

もっとみる
『学びのきほん 役に立つ古典』安田登著:古事記、論語、おくのほそ道、中庸

『学びのきほん 役に立つ古典』安田登著:古事記、論語、おくのほそ道、中庸

古典の先人たちと脳内会議ができるほど古典を読み込み身に付けたという能楽師である著者が、日本と中国の古典から、楽に楽しく心豊かに生きるすべを紹介する本。

『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』:茂木健一郎氏との対談収録&「仕事」を詠んだ応募作品を解説

『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』:茂木健一郎氏との対談収録&「仕事」を詠んだ応募作品を解説

テレビ番組「プレバト!!」出演などで知られる俳人、夏井いつきさんの俳句入門書。

■目次
【第一部】俳句こそ人生だ!(対談:茂木健一郎氏)
【第二部】《辛口先生の俳句道場》「仕事」を詠む
【第三部】これぞ才能アリ!秀句を味わう

第一部では脳科学者の茂木氏との対談では俳句の「効能」を語り、第二部では「仕事」をテーマに募集した俳句を添削し、第三部では「仕事」がお題の俳句の応募作品から良品を紹介する。

もっとみる
『寝る前に読む一句、二句。クスリと笑える、17音の物語』夏井いつき、ローゼン千津:俳句から広がる俳人姉妹の軽妙で深いおしゃべり

『寝る前に読む一句、二句。クスリと笑える、17音の物語』夏井いつき、ローゼン千津:俳句から広がる俳人姉妹の軽妙で深いおしゃべり

著名な俳人の夏井いつきさんと、同じく俳人の実妹、ローゼン千津さんが、俳句を一句ずつ紹介しながら、そこから発想を広げたおしゃべりを繰り広げる。深い鑑賞から、思い出話、家族のこと、人生への考察など。

特に次のような句がすてきだった。なぜこんなにすごい句が詠めるのだろう?

いつの間にがらりと涼しチヨコレート 星野立子
(p. 14)

ひんやりとしたチョコレートの舌触りや、口の中で熱く溶けたほろ苦い

もっとみる