不祥事が表に出るのはある意味で健全な企業 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
タイムリーな話題なので…
インサイダーとして私企業を見て来ました。
まぁ、色々ありました。
至近自動車やエンジンの大量生産に必要な型式指定の取得で、ダイハツ工業さんなどによる不正行為がキッカケで見直しが掛かり、相次いで性能試験での不正が確認されています。
これはこれで是正して頂ければと思います。
具体的に、例えばトヨタさんなどは素早く謝罪し、
かつ思い切った対応を取られています。
これって昭和生まれには新しい素敵なスタイル
企業に居ると、レガシーの事業領域では配属時に連綿と培ったノウハウの塊を引き継ぐことになります。当然地雷が入っていることもあり、特に配属直後は”これ違うんじゃない“と違和感を覚える引き継ぎ事項が良く発見できます。ここが大切なポイントで、先ずはその違和感ををそのまま記録として残すことが大切です。慣れてしまうと、この感覚が失せます。
後はこの違和感リストを逐次見直し潰して行きます。殆どは理由が分かり納得するなり、是正していくのですが、ある統計的な確率で(3σ(シグマ)の外)残渣(ざんさ 濾過 (ろか) した後に残ったかすって感じかなぁ)が残ります。これが厄介。
以下は想像ですが…今回の“性能試験での不正”はこの残渣の類だと思います。やぶ蛇とは良く言ったもので次の部署への異動まで引っ張って気づかなかったことにしちゃうなんてのも、大人の対応なのかも知れません。
「あいつ放っときゃ良いものを余計なことしやがって…」
とか思われて、しかも外され昇進が遅れ家族に迷惑を掛けるなんてことに往々にしてなってしまうところが怖いところです。豊田章男さんが
「会社を作り変えるぐらいの気持ちで対応する。」
と言われていますが正に至言。
私のサラリーマン駆け出しの1980年代中盤はもっとドロドロしていました。上述の残渣は、
「墓場まで持っていけ」
みたいなノリで封印されてしまうことも多々ありました。
幸い私は研究所からのサラリーマン生活だったので新規事業を担務することが多く残渣に出会うことは相対的に少なかったかと感じています。寧ろ初めが大切という気持ちで襷(たすき)の掛け違いを起こさない様に注意深くレガシーを作っている作業を丁寧にしてきたというところでしょうね。肝は、悪いことを上げられる(上司に報告できる)組織風土づくり、醸成だと思っています。
これを今回の自動車メーカーさんの不祥事に当てはめると企業内では豊田章男さんのやり方で良いかと思います。
寧ろ私達消費者に当てはめるなら、
(ここが肝かと)
是正して早く通常の企業活動に戻って良いものを提供してね…
というスタンスを取るというところでしょうかね。
不買運動とか言い出すとまた隠蔽のメリットが出てしまいます。隠蔽なんてしなくて良いし。人間のすることなので間違っていれば正してもらって、リコールなんてのも積極的にしてね。寧ろある統計的な確率でリコールが出ることは甘受するから隠蔽しないでね…ってな感じかなぁ。
不祥事が表に出るのはある意味で健全な企業と割り切る
この手の問題を解決する…ソリューションはこんな環境の醸成だと…(老婆心ながら…)
こんな思いを共有したく…
蛇足
「統計的な確率で(3σ(シグマ)の外)残渣(ざんさ 濾過 (ろか) した後に残ったかすって感じかなぁ)が残ります。これが厄介。」と書きましたが、そこを着眼点にしての”シックスシグマ“なんてのも流行りましたね。
超蛇足
以下に取り上げさせて頂きました
「記憶にございません。」 そう言わせなくても良い世の中に…
という思いにも近い感覚です。