子どもと先生と保護者の幸せ研究所

元教員です。その間出会ってくれた子供達という星々が、ネット空間という宇宙で、未来永劫輝き続ける。そんなイメージで綴ります。いつか、いい大人になったその子が見つけてくれて、ほっこりしてくれたら最上の喜びです☺️

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元教員です。その間出会ってくれた子供達という星々が、ネット空間という宇宙で、未来永劫輝き続ける。そんなイメージで綴ります。いつか、いい大人になったその子が見つけてくれて、ほっこりしてくれたら最上の喜びです☺️

最近の記事

春のような温かさがいつもある学校に… 器用ではないかもしれない しかし決して裏切らない 〜心の宝物326

🌷登下校のトラブル コロナ機の学校 5年生の彼は、通学班の副リーダーです。通学距離はさほどでもありませんが、低学年の児童が多い班の引率は、上級生にとってはなかなかの気苦労です。 使命感の強い子の中には、そんな仲間の気のゆるみを、強い言葉で叱責する子もいます。下級生も、それを善意に解釈し、助言として受け入れて行動を改めればよいのですが、なかなかどうして、そんな絵に描いたようにはいきません。ふざけて反発、売り言葉に買い言葉が重なって、にっちもさっちもいかなくなり、最後は「トラ

    • 春のような温かさがいつもある学校に… 誰にも言わず 決して誇らず 無理もせず 〜心の宝物325

      🌷朝の校門で コロナ機の学校 冬本番の冷たい北風が、遠く白山の峰から吹きおろしてきます。それを正面で受けながら、坂を登って登校してくる子どもたちを今日も迎えます。北風を背に受けながら、今日も元気いっぱいの子どもたちです。投げかけてくれる挨拶の声が、笑顔が、北風の冷たさをたちまち霧消させてくれます。 少し早く登校してきた子たちの何人かは、校門の周辺で思い思いに過ごしています。おしゃべりを楽しむ子、登校してくる友達を待っている子と様々です。 この年、校舎の開錠時刻を、8時1

      • 春のような温かさがいつもある学校に…上級生からも「まねしたい」と言われる行動力 〜心の宝物324

        🌷代表委員会の変化 山に囲まれた小さな学校 「今よりもっと温かい学校にするために、挨拶を、学校の宝物にする」 それが、代表委員会の、3学期のテーマでした。 4年生の彼女は、代表委員の一員として、毎朝のキャンペーンに取り組んでいました。 現代表委員会は、挨拶に係るキャンペーンのあり様を大きく変えました。 これまでは、代表委員が、メモ用紙をもって児童玄関に仁王立ちし、登校して自分に挨拶をした子の名をメモして放送で発表することが「挨拶キャンペーン」でした。 児童は、自分の名前

        • 春のような温かさがいつもある学校に… 「校長先生 みてください」 〜心の宝物323

          🌷校長先生 みてください 山に囲まれた小さな学校 1月も半ばを過ぎましたが、寒さはいよいよ募っています。恵那山はうっすらと雪をまとい、二ツ森山や岩山から吹きおろしてくる木枯らしは、身を切るような冷たさです。 私は、室内にもかかわらずコートを着込み、マフラーまでして児童玄関の上がり框に立っていますが、子どもたちは、元気いっぱいに登校してきます。長い通学路を歩き、児童玄関に到着する頃には、心も体もぽかぽか火照っているようです。 「校長先生!みてください!」 この日の朝、5年生

          春のような温かさがいつもある学校に… 年末の学年室 〜心の宝物322

          🌷冬休み前の 安堵と覇気と コロナ機の学校 間もなく冬休み。心なしか、子どもたちも浮き立って見えます。もういくつ寝るとお正月。そんな声が聞こえてくるような気がします。 高度経済成長期真っただ中の、商店街のはずれで育ちました。大売り出し、引換券を貯めて挑戦するガラガラくじ。昭和の歳末の華やかさは今も記憶に鮮明です。 そのせいか、12月の終わりを、1年の内で、最も華やいで、活気あるときと感じてきました。あくまで、私個人の感想です。 しかし、子どもたちの、どこかほっとしたような

          春のような温かさがいつもある学校に… 年末の学年室 〜心の宝物322

          春のような温かさがいつもある学校に… 話し方名人週間2021 〜心の宝物311〜321

          4年生の彼女は、説明の仕方を工夫しました。粘り強く水泳を学んでいますが、ファイトが表に出る方ではありません。しかし、説明の順序を変えるなど、伝わりやすいように工夫をして発言する姿が、仲間に感謝されました。 4年生の彼女は、物静かな人です。大きな声も得意ではありません。そんな彼女がはきはきと聞こえる声を意識する姿と真摯な思いを、仲間はしっかりと受け止めました。 4年生の彼は穏やかで優しい人でした。決して大きな声ではありません。しかし、ゆっくりと、一言をかみしめるように仲間を

          春のような温かさがいつもある学校に… 話し方名人週間2021 〜心の宝物311〜321

          春のような温かさがいつもある学校に…話し方名人週間2021 〜心の宝物299〜310

          コロナ機の学校 秋の「聞き方名人週間」に続いて、「話し方名人週間」が行われました。 前回に続いて、選出された子の顕彰は、「心の宝物で賞」として、その子その子に宛てた文言で、私が作成させてもらいましたので紹介します。 いつもおだやかで、言葉の選び方も丁寧で優しい。1年生の彼は、朝の会の司会の丁寧さで選ばれました。仲間がききやすいように、仲間の様子を見ながら、間をとって、笑顔ではきはきと会を進めました。 6年生の彼は、大らかで優しく、下級生から慕われています。学級活動の、仲間

          春のような温かさがいつもある学校に…話し方名人週間2021 〜心の宝物299〜310

          春のような温かさがいつもある学校に… 階段下のアート 〜心の宝物298

          🌷階段下のアート 山に囲まれた小さな学校 3学期が始まり、しばらくたったある日、小さいけれど、素敵な変化に気づきました。 校舎の中央階段の下に、雑巾かけが設置されています。階段やフロアを掃除する子たちの雑巾がかけてあるのですが、そこにかけてある雑巾が、整えられていました。 それも、例えば使用後の一人一人が、整頓を意識してかけるようになったという程度の整い方でなく、徹底された美しさです。 一枚一枚の雑巾が、きちんと真ん中で折りたたまれ、真半分のバランスでかけられています。一

          春のような温かさがいつもある学校に… 階段下のアート 〜心の宝物298

          春のような温かさがいつもある学校に… 君の勇気の根元にあったものは 〜心の宝物297

          🌷給食時間に 山に囲まれた小さな学校 この年、5年生は山あり谷ありの道を歩んでいました。一人一人の個性の豊かさがうまく溶け合わず、学級として一つの願いや値打ちに向かっていくという思いが、中々そろいませんでした。 冬休みが終わり、新学期が始まりました。どの子の胸にも、この期間が最上級生としての助走期間であるという思いは兆しており、少しずつ、学級全体としての調和や折り合いを大切に、よい方向に言動を選び取る雰囲気が醸されつつありました。 そうした方向性を、自覚的にとらえられるよ

          春のような温かさがいつもある学校に… 君の勇気の根元にあったものは 〜心の宝物297

          春のような温かさがいつもある学校に… その状況で「いいよ」と言えた自分を 君はもっとほめていい 〜心の宝物296

          🌷コロナ機の図書室で コロナ機の学校 この学校で大切にされてきた取組に「読書」がありました。それまでは、地元有志による読み聞かせ、図書館祭り、児童や教員による愛読書の紹介、隣接の附属幼稚園児への読み聞かせなど、委員会活動も盛んでしたが、コロナ機には、多くの活動が縮小を余儀なくされました。 休み時間の図書館開放は、無期限の中止としましたが、読書の火を絶やさぬよう、先生方のアイディアで、週時程の中に、学級で図書室へ行く時間を位置付けました。密集を避けつつ、子どもたちが本に親し

          春のような温かさがいつもある学校に… その状況で「いいよ」と言えた自分を 君はもっとほめていい 〜心の宝物296

          春のような温かさがいつもある学校に… 「自分のことは後にする」ことを実際にできる人は決して多くない 〜心の宝物295

          🌷「手伝います」 コロナ機の学校 12月のある日、掃除が始まって間もない頃でした。 5時間目に行う学年集会だったかの準備で、ある先生が、空き教室の机のいくつかを、ワークスペースに運ぶ作業をしていました。 そこに通りかかったのが、6年生の彼でした。彼は、トイレ掃除の担当で、始まる少し前に保健室に行き、補充用の消毒液を受け取って掃除場所に向かうところでした。 「手伝います。後いくつですか」 「申し訳ないからいいよ、あと一つだけだから」 「分かりました」 彼はさっと空き教室

          春のような温かさがいつもある学校に… 「自分のことは後にする」ことを実際にできる人は決して多くない 〜心の宝物295

          春のような温かさがいつもある学校に… 君が決意した精一杯を どんなときも応援するよ 〜心の宝物294

          🌷「顔が床についちゃうよ」 コロナ機の学校 三年生の廊下では、今日も子どもたちが懸命に掃除をしています。ちょうど私が通りかかったときでした。何人かの子どもたちが、床を磨いている彼に何か言っているところでした。 彼は、集中して床磨きに取り組んでいました。 周囲の子が、そうして私も、注目したのは、その彼の姿勢でした。 左の頬がほとんど床についてしまうほど、視線を低くし、雑巾で拭いているのでした。 「A君、顔上が床についちゃうよ」 周囲の子は、そんな彼の姿に、賞賛と心配の声

          春のような温かさがいつもある学校に… 君が決意した精一杯を どんなときも応援するよ 〜心の宝物294

          春のような温かさがいつもある学校に… 全力の拍手が その子に みんなに伝えたもの 〜心の宝物292・293

          🌷3学期の始業式で 山に囲まれた小さな学校 新しい年が明けて冬休みも終わり、子どもたちが学校に帰ってきました。凍るように冷たい体育館でしたが、新しい自分への期待を胸に、子どもたちは、目を輝かせて、姿と心で、始業式を作り上げてくれました。 始業式にあたり、次のような話をしました。 明けましておめでとうございます。こうして元気に、皆さん80名と全先生方、チーム高山全員の笑顔がそろったことをうれしく思います。 年の初めに当たり、皆さんにこの言葉を贈ります。(毛筆で大書した文字を

          春のような温かさがいつもある学校に… 全力の拍手が その子に みんなに伝えたもの 〜心の宝物292・293

          春のような温かさがいつもある学校に… そうするときめたから ひとりでもつづけるよ 〜心の宝物291

          🌷目にこもった力の強さ 山に囲まれた小さな学校 1年生の中でも小柄な彼女は、その体いっぱいに、明るさと活力を満たした人でした。 一朝ことあれば、6年生に在籍しているお兄さんにも、一歩も退きません。元気で朗らかな人柄は、学級の中でも親しまれていました。 彼女の活力を印象付けるのは、その真っ直ぐな視線でした。 入学式の式辞を聴くときも、そわそわせず、小さな手を膝でそろえて、私の目を真っ直ぐに見ていたことを覚えています。 それが印象に残ったことを、敬意と共に伝えたことが、動機付

          春のような温かさがいつもある学校に… そうするときめたから ひとりでもつづけるよ 〜心の宝物291

          春のような温かさがいつもある学校に… 自分から吹いて その人に伝わる風がある 〜心の宝物290

          🌷朝の校門で コロナ機の学校 高台にある学校の正門からは、北方向にさえぎるような高い建物や山がなく、晴れた日には白山連峰を一望することができます。 12月も半ばを過ぎたこの日の朝も、その名の通り、すっかり白く雪をかぶった白山が北方向、隣市との境の山並みよりはるかに遠く高く、澄んだ青空にくっきりと美しい山容を見せてくれていました。静まり返った校門に立ち、しばらくその姿に見とれていました。 やがて、その白山を背に、子どもたちの列が急な坂を上がってきます。時節柄、叫ぶような声は

          春のような温かさがいつもある学校に… 自分から吹いて その人に伝わる風がある 〜心の宝物290

          春のような温かさがいつもある学校に… 君が当たり前にしている生き方は 決して当たり前ではない 〜心の宝物289

          🌷中央階段の段の真ん中で コロナ機の学校 職員室のドアを出てすぐの場所に、中央階段があります。三階まで一気に昇る階段は、他の階段に比べて幅も広く、その名の通り、学校の中央に位置して、児童の往来を支える要衝でした。 この階段の掃除は、3年生が担当していました。1階から3階まで範囲が広く、掃除中でも人の往来が絶えない場所。加えて、コロナ機には危険個所である「手すり」もあり、負担は相当でしたが、担任の先生の指導もあり、子どもたちは「学校の顔を磨くのだ」と、高いモチベーションで取

          春のような温かさがいつもある学校に… 君が当たり前にしている生き方は 決して当たり前ではない 〜心の宝物289