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春のような温かさがいつもある学校に… 自分から吹いて その人に伝わる風がある 〜心の宝物290

🌷朝の校門で

コロナ機の学校
高台にある学校の正門からは、北方向にさえぎるような高い建物や山がなく、晴れた日には白山連峰を一望することができます。
12月も半ばを過ぎたこの日の朝も、その名の通り、すっかり白く雪をかぶった白山が北方向、隣市との境の山並みよりはるかに遠く高く、澄んだ青空にくっきりと美しい山容を見せてくれていました。静まり返った校門に立ち、しばらくその姿に見とれていました。

やがて、その白山を背に、子どもたちの列が急な坂を上がってきます。時節柄、叫ぶような声は控えていますが、それでも多くの児童が、元気な朝の挨拶の声を投げかけてくれます。

コロナ機でしたが、「だからすべてを制限する」方向でなく、「であっても工夫して実施する」方向で、先生方も工夫してくださっていました。
私も、近くに誰もいない限り、マスクを外し、校門から大きな声で、子どもたちの列に向かって思いを届けます。先頭の子が10メートル以内に近づいてきたらマスクを再装着し、感染予防対応の挨拶に切り替えます。
子どもたちもきちんと切り替え、周囲に配慮しながら、それでも力のある声で、目を見て、名を呼んで、思いの届く挨拶をします。

彼女もその一人でした。

🌷自分から吹いて その人に伝わる風がある

離れているところからは、周囲と少し離れて大きな声で、近くなってからはそれなりに、彼女は目を見て、名を呼んで声を届けてくれました。挨拶することを決意して実行していることが伝わる力強さでした。

その決意を、教室で見て取ることもできました。
給食前の手洗いチェック、当番の確認に対して、一人一人が答えていきます。
「洗いましたか」
「はい洗いました」
これだけの問答のルーティーンは、どうしても機械的に、なおざりになりがちです。
しかし、彼女は、必ず、確認する当番の顔を見ています。そうして、その人の目を見て、明るく返事をします。当番の児童の表情も和らぎます。
彼女が発する言葉には、相手の心に入って、活力に変わる力がありました。

同じ言葉でも、それを発する人によって、自分の心への響き方が違う。
チームスポーツを実践するあなたは、きっとそういう経験をしたことがあるだろう。
言葉を発するときの、自分の気持ちの置き所によっては、励ましが非難に、逆に、強い指摘が力強い助言に、その人の、自分自身の心の中で変換される経験を、きっとあなたは積み重ねたのだろう。

そう考えると、言葉を発するときのあなたの笑顔にこもっているものが、相手への思いやりであり、研ぎ澄ませた覚悟でさえあることがわかる。言葉を発する以上、その人の心に、温かいものを届けないではおかない。そんな決意が伝わる。

自分から吹いて、その人に伝わる風がある。
その風の温かさも、冷たさも、そのときの自分で決まる。自分が決める。
君のおかげで、このことをみんなで学ぶことができた。
ありがとう。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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