春のような温かさがいつもある学校に… 「校長先生 みてください」 〜心の宝物323
🌷校長先生 みてください
山に囲まれた小さな学校
1月も半ばを過ぎましたが、寒さはいよいよ募っています。恵那山はうっすらと雪をまとい、二ツ森山や岩山から吹きおろしてくる木枯らしは、身を切るような冷たさです。
私は、室内にもかかわらずコートを着込み、マフラーまでして児童玄関の上がり框に立っていますが、子どもたちは、元気いっぱいに登校してきます。長い通学路を歩き、児童玄関に到着する頃には、心も体もぽかぽか火照っているようです。
「校長先生!みてください!」
この日の朝、5年生の彼女が、いつものように笑顔で挨拶してくれた後、こう言って一枚の便せんを見せてくれました。
🌷その子のきらめきを 自分の言葉で 素敵な言葉で
その便箋には、彼女の通学班の全員の名前と、それぞれの子のよさが記されていました。
彼女は、これまでもしばしば、『校長先生!心の宝物見つけたよ』と題した、校長直通のよさ見つけの報告用紙、通称「黄色い紙」で、仲間のよさを伝えてくれていました。
そんな中で、彼女が、仲間のよさを伝える言葉は、とても豊かでした。人のよわさを洞察し、それを優しく肯定した上で、その子が、そこで決意した、小さな踏ん張りに、敬意を伝える彼女の視線と言葉は、仲間の心を打ち、「当たり前のすばらしさ」に目を向け、それを尊ぶ温かな空気が、全校に静かに根付いていきました。(心の宝物206に既述)
10名以上の通学班全員のよさは、登下校中にとどまらず、休み時間や集会のときの姿など、過去の事実も含めて実に豊かに綴られていました。
「(前略)…よき選択ができる心の強さがとても素敵でした」
語弊があるかもしれませんが、担任の先生が書かれる、通知表の所見欄に載せても、何ら差し支えない、優しい視線と、確かな洞察、豊かで深い愛が込められていました。
なぜ、そうしようと思ったのかを尋ねてみました。
学級の仲間のよさは、ずいぶん伝えた。同じ目で、いつも一緒にいる通学班の子を見つめてみたら、改めて、よさが見えてきたので、どうしても伝えたくなったと笑顔で答えてくれました。
別の日、同じ通学班の、1年生の保護者の方から、彼女と彼女の4年生の妹の二人が、日が傾いた下校路を、その子がひとりきりで歩いていたのを心配して、遠回りを厭わず、家まで送り届けたことを感謝するお電話をいただきました。
あなたの心は、仲間への善意の関心を、自分の内に満たす方向へ広がり、そうした方がよいという言葉や行動を、迷わず選びとるエネルギーを生み出しているようです。
それは、仲間の心を、この厳しい冬の学校を温かく照らす、もう一つの太陽です。
ただただ、あなたが誇らしい。
かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで
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