黒門町の若旦那

落語、盆栽、読書が好きなおじさんです。

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最近の記事

落語日記 雲助師匠が後輩たちに噺に関するうん畜を伝える落語会

第2回 雲古塾 雲助の古典を識る塾 10月14日 日本橋社会教育会館ホール この日は昼の「こみちのすべて」の後に、同じ会場で開催された雲古塾にも居残りで参加。落語会の梯子は久しぶり。 この会は、サブタイトルを「雲助の古典を識る塾」と題して、毎回決められたテーマに沿った演目で五街道雲助師匠から習った噺を若手落語家が披露し、塾長である雲助師匠が講評と演目にまつわる蘊蓄を語ってくれるという企画の会。「雲助の古典を識る塾」を略して「雲古塾(うんこじゅく)」と命名されている。 昨年の5

    • 落語日記 こみち師匠が楽しそうだと観客も楽しくなるという独演会

      こみちのすべて 2024 10月14日 日本橋社会教育会館ホール 柳亭こみち師匠が、落語以外に日舞や歌を披露する独演会。こみち師匠の好きな芸事を思う存分に披露するという会。ほとんど自己満足とおっしゃるが、観客を楽しませたいという姿勢は一貫している。本人が楽しそうだと観ている者も楽しくなるという好例。大いなる自己満足は、観ている者の満足にも繋がっていくということを体現されている。 金原亭駒介「道具屋」 前座は、もうすぐ二ツ目を昇進控えた駒介さん。久し振りに拝見、自信に満ちた高

      • 落語日記 新一万円紙幣の顔、渋沢栄一の偉業を伝えてくれた神田京子先生

        せいえん寄席 ~新紙幣発行記念スペシャル公演~ 10月13日 北区・中央工学校21号館 ステップホール 近代日本経済の父と称される渋沢栄一は邸宅を飛鳥山に構えていたので、北区の地域の皆さんから地元の偉人として敬愛されている。そんなことから、北区の皆さんと神田京子先生が中心となって、渋沢栄一にちなんだ地域寄席を立ち上げた。この日が、発足第1回目となる記念の会。 渋沢栄一の雅号「青淵」と未来を応援したいという意味の「声援」をかけて、この会は「せいえん寄席」と命名された。落語などの

        • 落語日記 苦悩する役者の姿を見せてくれた馬治師匠

          第33回 馬治丹精会 10月3日 日本橋社会教育会館 運営のお手伝いさせてもらっている金原亭馬治師匠主催の独演会。今回も受付等の事務作業の合間に通路の脇から覗く程度で拝見し、ほとんどロビーに流れるモニターの音声で聴かせてもらう。 前回からの期間が短かったせいか、いつもより少なめの観客。常連さんが定着していて、受付でもお馴染みのお顔が多い。特に今回は「中村仲蔵」の初演というネタ出しのためか、落語に詳しいマニアな皆さんが来場されている。 馬治ファンとしては、空席がもったいなく感じ

          落語日記 節目の回を盛大に盛り上げて開催した遊かりさん

          三遊亭遊かり独演会 vol.20 Special! 9月28日 内幸町ホール 通っている遊かりさん主催の独演会。今回が第20回という節目の回。それを記念して、いつもの日暮里サニーホールコンサートサロンより大きな会場で、人気者のナイツと蝶花楼桃花師匠をゲストに迎え盛大に開催。そんな華やかな会もあって、チケット完売の盛況。遊かりさんを初めて聴く方も数人いらしたが、ほとんどが遊かりファン。その遊かりファンの皆さんで客席が満員になっている様子は、第1回から通い続けている身からすると、

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          落語日記 珍品からメジャーな噺まで持ちネタの多さが魅力の扇辰師匠

          鈴本演芸場 9月中席夜の部 入船亭扇辰主任興行 特別企画公演「扇辰ばなし」 9月15日 今席は、入船亭扇辰師匠がネタ出しで得意の演目を披露する特別企画興行を開催。ラインナップを見ると、扇辰師匠しか掛けないようなスペシャルの演目もいくつか上げられている。日程の合ったこの日に出掛けてきた。 前座 春風亭らいち「転失気」 入舟辰乃助「マオカラー」 コロナ禍での落語家の皆さんの苦労話から、後輩の柳家小はださんが「小はだコーヒー」というカフェを開店した話。扇辰師匠も交えた開店初日の

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          落語日記 人情噺でも情感豊かに聴かせてくれる権太楼師匠

          第675回 落語研究会 9月5日 よみうり大手町ホール 前回の訪問は、日本橋劇場で5月21日開催の第671回。その回以後は、会場をよみうり大手町ホールへ移転して開催している。なので、この会場で開催される落語研究会は初めての訪問。 500席収容という大きな会場に移転して、観客の入りはどう変わっていったか気になっていたが、この日はほぼほぼ満員。以前の常連さんたちも戻ってきたようで、私のような後発組も加わって盛況となっているようだ。流浪の落語会も、この会場でしばらくは腰を落ち着けそ

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          落語日記 地域落語会で骨太で硬派な高座を見せてくれた文菊師匠

          第59回ととや落語会 古今亭文菊の会 9月1日 下板橋駅前集会所 毎回楽しみに通っている落語会。前回開催の6月30日の古今亭菊之丞師匠の会を欠席したので、3月31日の隅田川馬石師匠の会以来の半年ぶりの参加。文菊師匠の高座を拝見するのは久し振り、ととや落語会の出演も1年ぶり。なので、楽しみに出掛ける。 久し振りの文菊師匠の高座は、寄席で拝見していた気取ったお坊さんキャラではなくなっていた。常連さんばかりの客席で、このととや落語会のレギュラーでもある文菊師匠は、一見さんの多い寄席

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          落語日記 一日で様々な顔を見せてくれた一之輔師匠

          第23回一之輔たっぷり 後援会主催落語会 8月31日 鈴本演芸場 余一会昼の部 毎年1月31日と8月31日は、鈴本演芸場の余一会として、春風亭一之輔師匠の後援会主催の会員限定の落語会が開催されている。前回の1月31日は夜の部だったが、今回は昼の部。なので、一之輔師匠はこの昼の部からスタートするので、体力充分での独演会なのだ。 今回のゲストは、この9月下席より真打に昇進する弟弟子の春風亭朝之助さん。一之輔師匠は、弟弟子の真打昇進を強力に応援している。台風10号が近づくなか、満員

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          落語日記 二組の師弟が見せる多様な個性の楽しさ

          夏の入船亭 入船四景 8月30日 日本橋社会教育会館ホール 昨年10月から始まった入船亭扇遊・扇蔵師弟と入船亭扇辰・扇橋師弟の四人会の第3回目。第1回にお邪魔して以来、今回、裏を返す。第1回に扇辰師匠が急病により休演だったので、今回が4人の勢揃いを初めて拝見できる会となった。 入船亭辰ぢろ「子ほめ」 前座ながら、よく笑う観客に助けられて、客席を温めるグッドジョブ。この後の扇遊師匠の高座が受けるような下地を作った。 入船亭扇遊「青菜」 この日は台風10号の影響で、関東にも荒

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          落語日記 戦前の禁演落語の歴史を語り継ぐ寄席

          浅草演芸ホール 8月下席夜の部 三遊亭遊三主任興行「禁演落語の会」 8月27日 浅草演芸ホールでは平成15年から、毎年8月下席夜の部は落語芸術協会が担当して「禁演落語の会」と銘打ち、戦時中の禁演落語を口演する特別興行を行っている。今年も三遊亭遊三師匠が主任を務めて開催している。私はこの禁演落語の会は、この日が初参加。来たかったのだが、今までタイミングが合わず、やっとの参加。 入場すると、客入りはあまりよくない状況。落語ファンというより、ふらっと入った一見さんが多いような雰囲気

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          落語日記 得意の演目は進化の道しるべ

          第32回 馬治丹精会 8月13日 日本橋社会教育会館 金原亭馬治師匠主催の独演会で、運営スタッフとしてお手伝いをさせてもらっている。今回も受付等の事務作業をしていて、高座はときどき脇の通路から覗く程度で拝見。ロビーに流れるモニターの音声を作業中に聴くのみなので、全体を通して聴くことは出来なかった。 今回はちょうどお盆休みの最中なので、いつもの仕事帰りに寄っていただく観客の方が少なかったような印象。それでも、常連さんが多く来ていただき、笑い声のあふれる賑やかな会場となっていた。

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          落語日記 出演者のバラエティさに富んでいる楽しい寄席

          鈴本演芸場 8月中席夜の部 橘家文蔵主任興行 8月9日 連休前の金曜日の夜、仕事を切り上げて向かったのは久々の寄席。この芝居は橘家文蔵師匠が主任、顔付けもユニークなので出掛けてきた。 遠峰あこ アコーディオン漫謡 あこさんの高座から途中入場。あこさんは落語協会員ではなく、ゲスト出演。実は、この日があこさん初体験。華やかさが鈴本演芸場の高座によく似合う。ぜひ落語協会の会員になって欲しい。 パリで流しで歌ってきたという思い出からのメドレー。「オーシャンゼリゼ」「私の京浜東北線(

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          落語日記 寄席の伝統的な大喜利を承継している金原亭馬生一門

          浅草演芸ホール 7月上席昼の部 金原亭馬生主任興行 大喜利「茶番」 7月7日 浅草演芸ホールの7月上席昼の部は、馬生一門が中心となって行っている茶番を披露する大喜利が毎年の恒例。そして、主任を務めるのが、もちろん馬生師匠。馬生一門ファンとして、毎年通っている。 寄席の最後に行われる余興全般が「大喜利」と呼ばれていて、テレビ番組の笑点でお馴染みの、司会者が出すお題に対して居並ぶ落語家が回答する演芸だけを指すものではない。これ以外にも、踊りを披露する高座舞いや楽器演奏や鹿芝居など

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          落語日記 趣味人の若手落語家が熱中している趣味を熱く語る会

          「こっちの沼は深いぞ」 7月5日 小さな喫茶店homeri 三遊亭伊織さんが四谷三丁目にある喫茶店homeriで開催している落語会。今回は「こっちの沼は深いぞ」とのタイトルを付けて、ゲストに林家けい木さんを迎え、趣味人であるお二人がそれぞれハマっている趣味に関するトークを披露するという企画。 伊織さんはオートバイの話、けい木さんは「銀河いちスターウォーズを愛する落語家」を自称するほど愛してやまないスターウォーズの話。熱中している趣味の沼にどっぷりと首まで浸かったお二人が、観客

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          落語日記 初めて上がる明治座の高座に感慨深げな遊雀師匠

          明治座浜町寄席 夜の部「夏の夜噺」 6月24日 明治座 明治座で定期的に開催している落語会。今回は夜の部で三遊亭遊雀師匠が明治座に初めて出演されるということを聞き、出掛けて来た。この明治座の落語会の観客は、落語ファンと演者ファンだけではなく、この劇場自体の常連さんも多いような雰囲気。芝居好きな大人な観客が多いなか、遊雀師匠の高座で会場はどんな反応を生むのか、それも楽しみ。 金原亭駒介「道具屋」 開口一番の前座は、馬生門下でお馴染みの駒介さん。大劇場でも堂々とした高座。もうす

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