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#159 「ビジネス頭の体操」 今週のケーススタディ(12月21日〜12月25日分)

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。

12月21日(月) Bリーグ誕生の裏にはサッカー界のあの人の活躍があった。

バスケットボール解説者の島本和彦が提唱し、「12月21日はバスケットボールの日!委員会」が2011年より実施している「バスケットボールの日」です。
1891年のこの日、マサチューセッツ州スプリングフィールドで、この年考案されたバスケットボールの初の試合が行われたことに由来しています。

さて、バスケットボール。
Bリーグという名でプロリーグができたのはなんとなく知っていたのですが、バスケットボールのプロリーグ誕生までには長い歴史があったことを今回調べてみて初めて知りました。言われて見れば報道などであったかもしれないのですが、興味外の情報はきちんと頭に入ってこないんですね…

Bリーグ自体は2016年9月に開幕戦が行われた、現時点では36クラブが参加するプロリーグです。

実は、プロリーグ創設の話は90年代からあったそうで、その背景には、「スラムダンク」のヒットによる競技人口の急伸(野球、サッカーに続く3位に)やNBAのブームなどがありました。

1997年には2名のプロ選手が誕生するなどその機運を盛り上げる動きもあり、バスケットボール日本リーグがバスケットボール日本リーグ機構(JBL)に改組されています。

ところが、ホームタウン制などの導入などはあったものの、プロリーグ化をなかなか進められないJBLの姿勢に嫌気が差したいくつかのチームが脱退し、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)を設立し、分離することになります。

当然敵対関係になり、抗争が泥沼化します。

これを見た国際バスケットボール連盟(FIBA)から2008年に「1国1リーグが望ましい」と注意を受けます。

それでもゴタゴタは収まらず、2014年にFIBAから資格停止処分を受けることになります。

これにより、日本代表チームが国際試合に出場できなくなってしまう異例の事態になります。

さらに、FIBAは直接介入し、初代Jリーグチェアマンの川淵三郎さんを代表とするタスクフォースを作り、2015年4月にジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)を発足します。

これにより、冒頭に触れた、2016年のBリーグ開幕戦につながることになります(すいません、知りませんでした…)。

当然、プロ化となると、収益源が必要になります。
Bリーグが公表しているクラブ決算概要によると、2019−2020シーズンでは、感染症の影響を受け、入場料収入は減少したものの、営業収入は対前年比でプラスを維持しています(出典:Bリーグ決算概要発表資料)。

2016年からの推移を以下に掲載します。

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チームごとの営業収入などをグラフ化したHPがありましたのでご紹介します。

なお、設立当初にスポンサーに名乗りを挙げ100億円もの拠出を決めたのがソフトバンクです。孫さんの即決だったそうです。

→Bリーグ、なぜ観客数が90万人も減っても営業収入のプラスを維持できたのだろうか?


12月22日(火) 民法は○○○○条まである!?

1947(昭和22)年のこの日、「民法」の第4編と第5編を全面改正する改正法が公布されたのを記念した、「改正民法公布記念日」です。
家父長制の家族制度が廃止され、戸籍が夫婦単位となりました。

民法、私法関係の原則となる法律ですから、通常、仕事や暮らしで最もお世話になっている法律です。

が、詳しく知っているか、というとあんまり、だと思います。

2020年4月に大きな改正があって、身近なところでは保証人に関する部分に影響があったので、お仕事でも書類や規定の見直しなどをされた方もいらっしゃるかもしれません。

本当にさわり、ですが、その構造をこの機会に勉強してみました。
テキストばかりで退屈だと思いますので、ご興味ない方は飛ばしてください。
(出典:ハンドブック企業法務)

① 民法の概要
民法は私法関係の原則となる法律。全ての取引の根幹となる法律といっても良いもの。
民法は大きく分類すると「財産法」と「家族法」とに分かれており、条文は1050条にもなります

② 総則(第1編)
総則は、民法全般にわたる共通項が規定されている部分。
具体的には、まず、私法関係の主体となる「人」と「法人」が規定され、次いで、対象となる「物」、さらに「法律行為」が定められ、「期間」、「時効」が規定されています。

③ 物権(第2編)
物権は、「本権」と「占有権」に分かれていて、「本権」がさらに「所有権」と「制限物権」とに分かれ、「制限物権」がさらに地上権などの「用益物権」と抵当権などの「担保物権」とに分かれています。
仕事上では、「所有権」と「担保物権」との関係、「担保物権」には「留置権」、「先取特権」、「質権」、「抵当権」の4つが規定されている、という程度は押さえておくと良いそうです。

④ 債権(第3編)
債権は、「総則」、「契約」、「事務管理」、「不当利得」、「不法行為」から構成されています。
「総則」「契約」は民法の中でも最重要の分野とされています。
まず「総則」では、契約に関する規定が定められています。
例えば、損害賠償、連帯保証人、債権譲渡、債務の弁済などに関するもの
です。
次に「契約」では、契約の成立、効力、解除が規定され、加えて、「売買」、「賃貸借」、「雇用」、「請負」、「委任」、「和解」などの契約が列挙されています。
最後に「不法行為」では、違法な行為により発生した損害の賠償の請求についての規定があり、仕事上では、使用者責任(従業員の不法行為について使用者が責任を負うもの)が重要です。
また、今回の改正では、保証人の保護の拡充、債権譲渡・危険負担・解除・賃貸借が特に重要とされています。

⑤ 親族(第4編)
家族関係が定められており、「総則」、「婚姻」、「親子」、「親権」、「後見」、「補佐及び補助」、「扶養」の7章があります。

⑥ 相続(第5編)
「相続人の範囲」や「相続分」についての定めがあります。

→民法、身近な法律のようだが、自分の業務にどんな関係があるだろうか?


12月23日(水) 東京タワーの年間入場者数は○○○万人!?

1958(昭和33)年のこの日、東京・芝公園に東京タワーが完成し、完工式が行われた「東京タワー完工の日」です。
高さ333mでパリのエッフェル塔より13m高く、当時世界一の高さの建造物となった。現在でも、世界で最も高い自立鉄塔です。

東京タワー、運営主体は日本電波塔株式会社という民間企業です。開業60周年の平成30年に株式会社東京タワーに、そして、昨年令和元年には株式会社TOKYO TOWERに社名変更しています。

東京タワーができた経緯は、テレビ各局ごとに電波塔を立て放送を行なっていたところ、遠方の受信状況が悪いこと、チャンネルを変えるたびにアンテナの方向調整が必要なこと、などから、より高い所からまとめて電波を発信できる電波塔を求める声に応える形で作られたそうです。

それにしても、工期が実に1年半というのは驚異的ですね。
規模は異なりますが、スカイツリーは3年半かかっていいます。

非上場企業ですが、公告によると、直近の2020年2月29日決算では、当期純利益は1,086万円となっています。

スカイツリーの完成により、電波塔としての役割はラジオのみになりバックアップ役ですが、来場者収入は感染症前まではインバウンドもあり盛り返していたそうです。

2011年までになりますが、入場者数の推移は以下の通りです(2011年は震災の影響で急減、2012年はスカイツリーの開業で11年と横ばい。そこから徐々に伸ばしていたそうです)。

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そもそも、展望台を設け、電波塔としての収入に加えて、観光収入(入場料と物販)も加えることで経営の安定と投資の早期回収とを狙ったアイディアだったそうですが、スカイツリーに移っても収益プラスを維持する原動力になったことは間違いありません。

また、展望台の改装、平日のイベント開催などの経営努力もあったようです(どのような施策を行なったかはこちらの記事が分かりやすかったのでご紹介します)。


→東京タワー、もし自分がマーケティング担当ならこの状況でどのようなプロモーションを考えるだろうか?


12月24日(木) クリスマス関連の市場規模は○○○○億円!?

クリスマス(キリスト降誕祭)の前夜。
eveは夜を意味する古語evenから来たもので「クリスマスの夜」の意味になる。キリスト教会暦では日没が1日の始まりであり、クリスマスは24日の日没から25日の日没までとなるので、その間の夜である24日の夜のことをクリスマス・イヴと呼ぶ。

クリスマス。どちらかというとイブである24日の方が盛り上がる傾向があります。プレゼント交換や、飾り付け、パーティなど経済効果は大きそうです。

市場規模は約7,000億円と言われています(複数のHPでこの数字があるものの、出典が明らかにされておらず確実ではありません)。

さて、クリスマス。完全に定着した感があります。

例えば、

☑️ バレンタインデー:約1,310億円(2020年の推計市場規模)
☑️ 母の日:約1,205億円(2019年の推計市場規模)
☑️ ハロウィン:約1,155億円(2019年の推計市場規模)
☑️ ホワイトデー:約295億円(2020年の推計市場規模)

となっていて、クリスマスの市場規模が抜きん出ていることがわかります。

しかも、ハロウィンについては2016年の約1,345億円をピークに減少傾向です。

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「日本人の年中行事に関する調査」(出典:クロスマーケティング)でも、「この1年で参加した年中行事」の2位にクリスマスは入っています。ちなみに1位はお正月、3位は家族や友人の誕生日です。

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クリスマスの市場規模が大きくなるのはプレゼントの要素が大きいようです。「クリスマスに関する調査」(出典:楽天インサイト)によると、プレゼントの予算は、「子供・孫」では平均6,741円、「パートナー(配偶者・恋人など)」では平均13,255円となっています。

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→クリスマス、これだけ日本に定着したのはなぜだろう?


12月25日(金) フィギアスケート、年間にかかる費用は○○○○万円!?

日本スケート場協会が1982(昭和57)年に制定した「スケートの日」です。
1861(文久元)年のこの日、函館に滞在していたイギリスの探検家トーマス・ライト・ブラキストンが、日本で初めてスケートをしたことに由来します。

スケートというと何を思い浮かべますか?

フィギアスケート、スピードスケート、ショートトラックの3つの競技が日本スケート連盟の管轄する競技だそうです。

この連盟、1929年の設立で昨年90周年を迎えた歴史あるものです。

90周年を記念して作られた冊子によると、2019年時点での同連盟競技登録者数は約7,600人となっています。

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多いのか少ないのか判断つきませんが、人口が約3倍強のアメリカでは、フィギアスケートが約18万人、スピードスケートが約2千人となっていますので、少ないのかもしれません。

これには、スケートを行う環境もあるのでしょう。

同冊子には、「スケート環境の整備」として、「全国における通年営業のスケートリンク数の増加を目指す」「全ての都道府県にスケートリンク設置を目指す」などが書かれています。

文部科学省によれば、屋内スケートリンクは1985年には268カ所あったものが、2008年には96カ所となっています。しかも通年営業しているところはさらに少ないようです。

練習場所が身近になければ競技人口の増加は難しいでしょう。

さらに、競技に出るとなると、かなりの金銭的負担がかかるそうです。

いくつかのHPを見ましたが、趣味としてやる程度なら他のお稽古事と同じくらいの金額ですが、競技を目指すとなると、桁違いの費用がかかるようです。

まず、バッジテストという進級テストみたいなものがあるようですが、それを受けるには、連盟に所属するクラブに入る必要がありますが、その費用が数十万円(!?)、さらに競技に進むとオリジナルの振り付けを作ってもらったりするのにも費用が嵩み、年間100万円程度になることもあるようです

中京大学や関西大学に在籍する選手が多いのは、大学がリンクを所有しているからなんだそうです。

練習場所も特殊で費用も嵩むのでなかなか大変な競技なんですね。

それで世界大会で優勝したらすごい賞金が出るのかな?と思いますよね?

ところが世界選手権の優勝賞金は約490万円、グランプリファイナルで約270万円程度なのだそうです。

完全に赤字です…

スポンサーやCMなどの収入に頼るか、そこに至るまでは持ち出し、ということですね。

元フィギアスケーターで振付師の村主章枝さんは以前テレビ番組にご出演された際に、18歳から22歳にかけてフィギュアスケートの練習代等に年間2,000万円かかっていたとお話していたそうです。

華麗な世界ばかり見てきましたが、裏側のお金の面を今回調べて驚いてしまいました…

→スケート連盟が目指している、スケートリンクを増やすことはどのようにしたら実現できるだろうか?


最後までお読み頂きありがとうございました。

1つでも頭の体操になるネタがあれば嬉しいです。

毎週日曜日にこんな投稿をしています。
だいぶ溜まってきました。
よろしければ過去分も覗いてみてください。
「へぇ〜」がいろいろあると思います。


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