#204 まじめな人にこそ必要な「戦略的先送り」という思考法
昨日、72時間以内にやりましょう!という投稿をしました。
が、肝心なことを忘れていました、というメモ。
1、「とにかく行動することが良い」という論調への疑問
自己啓発系(と勝手に私が呼んでいる)本やブログの多くは、やりたいことをやろう、大きなことでも、最初は小さなステップでいいからとにかく行動に移すことであなたの夢に一歩近づく!みたいなトーンで書かれていて、どうやったら「小さな一歩」という行動ができるか、というHow toが書かれています。
もちろん、その前(多くは序章)には、「このままのあなたでいいのか」「世の中はどんどん変化している」「変わらないあなたはおいていかれる」「みんなは変わって幸せを掴んでいる」という話があって、幼少期を振り返らせてみたり、なんだりかんだり(以下省略)というものがあります。
つまり
「行動すること=善」
「行動しないこと=悪」
なのです。
でもですね、私もその月の生活費に頭を悩ますドン底期に、お金はないけど時間はたんまりあって、本屋さんで立ち読みを2時間づつ(1箇所で長居すると気まずいので)して1日を潰す生活を送っていたときに散々読んだ経験として、それで変われる人は一体どれくらいいるんだろう?と疑問に思うのです。
(買って読んでたら変われたのかもしれませんが…)
2、まじめな人ほど『「行動=善」症候群』に悩まされる
昨日、72時間以内にやるといいですよ、という内容の投稿をしました。
先ほどご紹介した通り、「とにかく行動することが良い」という論調に疑問を持っているにも関わらず…
昔、研修講師としてこの「72時間の法則」を紹介する際、必ずセットでしていた話がすっぽり抜けていました。
それは、「戦略的先送り」です。
具体的な中身は後ほどご紹介しますが、なぜこんな言葉を作ったのか?(多分オリジナルです)
それは、『「行動=善」症候群』(※これも勝手に呼んでいるだけです)で悩む方を多く見てきたからです。
特にまじめな人に症状が見られました。
まじめな人は、上司から、本から、お客さまから、同僚から、何か指示や情報をもらうと、「それはやらないと」と思います。でも、普段からまじめに色々なことに取り組んでいますので、新しいことを入れ込む隙間がありません。
そして悩む。できない自分を責めてしまう。
まじめな人ほど悩まされてしまうのです。
3、「戦略的先送り」のススメ
そんなまじめた方に対して、テキトーな私が「とりあえず先送りしたらいいのでは?」とアドバイスしても聞いていただけません。
そこで先ほどご紹介した通り、「戦略的先送り」を「72時間の法則」とセットでお伝えするようにしたのです。
具体的には、「72時間の法則」とセットなので、「やりたいこと」「やるべきこと」があったとして、その判断をいつするか、というのを1週間後や1ヶ月後のいつ、どれくらいの時間をとって行うか、を「72時間以内に」決める、ということです。
要は「先送り」、なのですが、それですと、まじめな人は顔をしかめます。
そこで、「戦略的先送り」と称したのです。
お勧めしているのは、先送りした一定期間の間に、やらなかったことで発生した問題(あるいは、やっていたら防げた問題)の有無について考えてから、判断することです。
つまり、「やったほうがいい」レベルなのか、「やらなければならない」レベルなのか、をまず判断する、ということです。
ここまで具体的にご説明すると、単なる「先送り」には聞こえないようで、まじめな方も含めて多くの方に採用いただき、「症候群」の解消に一役買うことができました。
4、まとめ
確かに「行動」は尊いです。
動かなければ結果を変えることはできません。
でも、この情報がめちゃくちゃ多い中、「やったら良さそうなこと」全部やったらいくら時間があっても足りません。
スモールスタート、なんて聞こえはいいですが、最終的には大きくしていく、定着していく、ことが前提ならば、あれもこれもスモールスタートしてしまって、一体最後はどうするのでしょう?
大事なのは、「どうやるか」、ではなく、「何をやるか」、だと思います。
そして始めたからには一定期間、きちんと続けて効果を検証すべきです。
もし一定期間も続けられないのであれば始めてはいけないと思います。
ちょっとやってダメそう、また別のことをちょっとやってムリ、では、何も身につきません。
偉そうかもしれませんが、散々失敗してきて、さらに、研修講師として数千人の方とお話ししてきた経験によるものです。
まじめな人にこそ、「戦略的先送り」お勧めしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
なんの理論的裏付けもない話で恐縮ですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。
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