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教育観のアップデート広場

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学校や教師に関係する記事をまとめました。新しい教育観を知りたい人、教育の視野を広げたい人などにおすすめです。
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2021年2月の記事一覧

全国一斉休校から一年。一年前のあの日のことを記録します

いつも朝一番早く教室に入って来るAくん。 カッとなると手が付けられなくなってしまうのですが、本当はすごく優しくて正義感の強い子なんです。 「おはようございます!」とあいさつをして教室に入ってきます。 その視線は、教室の一番前で学級目標を外す僕に向けられました。 そして、 「やっぱり!本当に終わるんだ!」 と一言。 数秒後、Aくんの目には涙が溜まりました。あわてて下を向いたAくんの目からこぼれ落ちた大粒の涙を見て、僕も目頭が熱くなりました。 一年前の今日、子どもたち

二人のYoutuberには見えている教育の世界観とは

 僕が勝手に注目している二人のYoutuberがついにコラボしました。それはオリエンタルラジオの中田敦彦さんと株式会社div代表取締役のマコなり社長。このお二方が何を語るのか。僕は期待に胸を膨らませながら動画を見ました。  中田さんはお笑い芸人。マコなり社長は経営者。お二人はまったく違う分野で活躍しています。しかし、それぞれが作る動画はいつも「教養」や「学び」にあふれています。そしてそれを面白く、楽しく学ばせてくれます。僕もお二人の動画からたくさんの学びをいただいています。

未来をつくる子どもたちの教育にもっと関心を持ってほしい【フィンランド教育に学ぶ】

 人は決して平等には生まれてこないし、平等は実現することのない理想かもしれない。しかし、だからこそ、国が平等で無償の教育を提供する。貧富、性別、宗教、年齢、居住地、民族、性的指向などの違いによって差別されることのない等しい出発点を一人一人に保証する。  これは、「フィンランドの教育はなぜ世界一なのか」(著 岩竹美加子)の「はじめに」の中で、著者が示したフィンランド教育の理念です。  なんと素晴らしい考えなんだと、興奮冷めやらぬ状態で記事を書いています。  この言葉の通り

KOKUYO「鉛筆シャープ」が小学校の指定文房具にして欲しいくらいおすすめです

 珍しく文房具のおすすめ記事を書きます。もちろん案件じゃないです(笑)  そもそも僕は「学校指定」でみんな同じものを揃えてもらうという考えは、あまり好きではありません。  特に文房具。事細かに決まっているのは僕の勤めている学校だけでしょうか?  鉛筆の濃さ、本数、赤ペンやシャーペンを使ってもいい学年、カラーペンの種類や本数…。ルールをあげればキリがありません。  ルールを作ったからには、それにそぐわない場合はその都度注意するわけで…。鉛筆の濃さが違うとか、赤ペン持って

AIに負けない!「読解力」を身に付けるには③-学校・教師編-

 これらの記事の続きになります。こちらを読んでいない方は、ぜひ先に読んでいただけると今回の記事がわかりやすくなると思います。 読解力はいかにして身に付けるのか -学校・教師編- 小学校高学年を担任する経験があれば、多くの子どもたちが自分の読解力の乏しさに苦しみ、多くの保護者が子どもの読解力を何とか向上させたいと願っていることをご存じのはず。懇談会でも子どもの読解力についてなにかと話題としてあがります。  そういった子どもたちが読解力を身に付けられるように、学校教育で気をつ

約150年変わらなかった学校教育の転換期。公教育にイノベーションを!

 僕は今、後悔しています。  それと同時にとてもうずうずしています。何か行動したくて、わくわくする世界を知りたくて、体がうずいているのです。  激務の教員生活から一旦解放され、育休7ヶ月目を過ごしている僕がのんびりしていられない理由をお話しします。 ➣レモン農園青山さんの記事との出会い 「AIに仕事を奪われる」という言葉が度々僕たちの耳に入ってくるようになりました。近代テクノロジーの進歩は本当にすさまじく、僕たちの想像の遥か彼方の次元で進んでおり、あらゆるものがテクノロ

「ブラック」な職場に光る「彩」を探す

僕のした単純作業が この世界を回り回って まだ出会ったことのない人の 笑い声を作っていく そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える モノクロの僕の毎日に 少ないけど 赤 黄色 緑  これは僕の大好きなMr.Childrenの「彩り」の歌詞の一部です。何度聞いても心が震え、胸が高鳴り、熱い想いが込み上げてくる。疲れた体にも染み込んでくるような、心を温かく包んでくれる素晴らしい曲です。  多くの方に刺さる曲だとは思いますが、なぜこんなにも僕の心に響いてくるのか?  それは

今さら人に聞けないアクティブラーニングについて簡単にまとめてみた

 みなさんは、「アクティブラーニング」という言葉を聞いたことがありますか?これは平成29・30年改訂の学習指導要領(日本全国の子が平等に学べるように日本の教育はこんなことを行いますよという基準のようなもの)に出てくる言葉です。  アクティブラーニングを簡単に言うと「アクティブに頭の中を働かせて賢くなろう!」といった感じです。そう聞くと、何だかワクワクする授業が展開される期待感がありますよね。  お堅い言葉でいうと、文部科学省の定めるところによると「主体的・対話的で深い学び

「漢字を繰り返し書く宿題」の問題点を考える

 漢字の宿題には苦い経験があります。  僕が小学生の頃、一生懸命書いた漢字のノートを母が見て言いました。 「もっときれいに書けるんだから、きれいな字で書きなさい」 そう言って、1ページ全部消されました。それも一度だけでなく何度も…。  せっかく書いたのにまた1から書き直すことになり、悔しくて悔しくて泣きながら漢字を書いたのを覚えています。しかしその教えのおかげか、教師になってからも度々字のきれいさを褒めてもらえる機会があります。その度に幼少期の苦い経験を思い出します。この

緊急事態宣言延長の中、学校に求められる「緩急」のバランス

 先日、フジテレビの「ワイドナショー」を見ていたのですが、その時の松本人志さんのコメントが妙に心に刺さりました。話題は「緊急事態宣言中に議員が銀座のクラブを訪れた」というニュース。  カンニング竹山さんが蓮舫さんに「もう少し優しく」と言ったことではなく。その後の松本さんの小池都知事を例に挙げたコメント。 「緊張と緩和でね」 「小池(百合子東京都知事)さんが『口紅忘れた』っていうのが妙にかわいく感じたりね」 「緩急が必要かなって」  「緊張と緩和」、「緩急」。この言葉がこ

初めて「行く側」になってみて感じた懇談会の攻略法

子どもにとって特別な行事、例えば入学式や卒業式、運動会。 これらの行事は夫婦で行く家庭が多いのではないでしょうか。 では、懇談会や授業参観は、どうでしょう? 多くの家庭は「妻の役割」となっているのではないでしょうか。 というのも、僕が懇談をする相手も多くの場合はお母さんですし、自分の娘の保育参観や懇談会に出席するのも妻に任せています。 しかし夫婦共働きの場合、平日に休みを取りづらいのはどちらも一緒です。男女平等の働き方を考えると、子どもの平日の行事を妻に任せっきりにす