今さら人に聞けないアクティブラーニングについて簡単にまとめてみた
みなさんは、「アクティブラーニング」という言葉を聞いたことがありますか?これは平成29・30年改訂の学習指導要領(日本全国の子が平等に学べるように日本の教育はこんなことを行いますよという基準のようなもの)に出てくる言葉です。
アクティブラーニングを簡単に言うと「アクティブに頭の中を働かせて賢くなろう!」といった感じです。そう聞くと、何だかワクワクする授業が展開される期待感がありますよね。
お堅い言葉でいうと、文部科学省の定めるところによると「主体的・対話的で深い学び」のことを指しています。その新しい学習指導要領に基づく授業が小学校では今年度から、中学校では来年度から本格的に実施されます。具体的にどんな授業が展開されるのか、文部科学省のホームページから調べたことをまとめてみます。
自分自身、ばっちり理解しているわけでなく、学んでいる真っ最中です。ですが、自分でまとめることでもっと深く理解したいと思い、記事にしてみます。僕なりの見解で書いていきますので、文科省の意図するところとズレてしまう部分があるかもしれませんが、ご容赦ください…。
➣アクティブラーニングによって求められる授業改善
まず、日本の教育には「子供たちに『生きる力』を育む」という基本の考え方があります。この「生きる力」には、学校で学んだことが、子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしいという願いが込められています。
では、どうやって学んでいくと、そのような「生きる力」が育てられるのでしょうか。
そう、それがアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)というわけです。アクティブラーニングの視点から、授業をよりよくしていくことで、子どもたちの「生きる力」を育むことを目指しています。
アクティブラーニングは「主体的・対話的」という言葉が示すように、子どもたちの主体性(学びたいという意欲や体験的活動)と対話(友達や先生などとの話し合い)を大事にしています。
文科省のホームページには、「授業改善」「授業をよりよくする」という言葉がたくさん出てきます。ただ学ぶのではなく、アクティブラーニングの視点から、「どのように学ぶか」が重要視されていることが分かります。教師の授業改善、授業の質の向上が明記されているのです!
その授業の一例を見ていくと、従来の伝統的な講義型の一斉授業とは大きく転換していく様が感じ取れます。一斉授業型でもアクティブラーニングをやれないことはないですが、子どもたちがよりアクティブに学べるようにするならば、もっと違う授業スタイルの方が合いそうです。
どんな授業展開ができるのかという可能性は、もちろん我々教師の学び、質の向上によって大きく広がっていきます。自分が学生の頃に受けてきた教育とはガラリと変わる授業への変革を求めらているので、教師は教育観のアップデートが必要不可欠です。逆に言えば、従来の型にはまり過ぎず、新しい教育スタイルを実現するチャンスでもあります。アクティブラーニングを実現する授業が日本全国で展開されるようになれば、日本の教育は大きな転換期となるかもしれません。そう思うと、とてもワクワクしてなりません。
➣アクティブラーニングとラーニングピラミッド
文部科学省のホームページに記載はありませんが、アクティブラーニングを解説する文献にはアメリカ国立訓練研究所という機関が発表した「ラーニングピラミッド」というものが頻繁に用いられます。
引用:キャリア教育ラボ
平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは?
ラーニングピラミッド自体の信ぴょう性が問われているという点については一旦置いておきまして…。ラーニングピラミッドとは、学び方によってどれだけ学習内容が定着するのかを示した図になります。ピラミッドの上の4段は受動的な学び方、下の3段は能動的な学び方となっていることが分かります。アクティブラーニングは「主体的・対話的」であることから、討論や体験、教えるといった能動的な学び方であるということになります。それらの学習定着率は50%以上。この図によると、先生の講義を聞いているだけでは学習定着率はたった5%であることから、アクティブラーニングは10倍以上の効果を得られると期待できることになるのです。
➣変わらずに大切にする前提
このように期待とワクワク感が止まらないアクティブラーニングですが、気をつけなければならないところもあります。文部科学省のホームページには「変わらずに大切にすること」として、次のように示されていました。
「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業をよりよくしていくことは、知識の習得をおろそかにすることではありません。主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を進め、子供たちの力をバランスよく育んでいきます。
あくまでも「知識の習得はしっかりとおこなった上で」という前提があることを忘れてはなりません。大事なのは学び方を改善することであり、身につけるべきことはきちんと身につけないといけません。そもそも知識がないと、討論も人に教えることもできません。体験をしても「楽しかった」で終わってしまいます。だからアクティブラーニングは、知識があればあるほど楽しい学び方であるとも言えるでしょう。
➣学ぶ楽しさや意味を感じられる授業に!
いかがでしたでしょうか?僕の言葉で書いたので、より分かりづらくなってしまっていたり、間違った解釈をしていたらすみません。ただ僕は自分の言葉で書けたことで、とても勉強になりました。自分が知りたいことを調べて、自分の言葉で人に教える。今の僕の経験も広く捉えるとアクティブラーニングだなと思います。
アクティブラーニングを学ぶ中で感じたことは、子どもたちが学ぶ楽しさや学ぶ意味を感じられる授業が求められているんだな、ということです。誰しも子どもの頃に「これって何のために学ぶの?」という疑問を一度はもったことがあるのではないでしょうか?今までは「いいからやりなさい」で押し切られていた感がありますが、もうそれも通用しなくなってきた時代。学び方を知り、学ぶ意味を感じ、学ぶ楽しさを味わう。それらをしっかりと感じられた子は、将来的にも学び続ける子に育つのではないかと思います。すなわち「生きる力」ですね!その目的を達成するには、我々教師が授業を改善し、腕を磨かなければ成し遂げられません。僕もまだまだ学び続けようと思います!
<参考>
文部科学省ホームページ:平成29・30年改訂学習指導要領のくわしい内容
キャリア教育ラボ:平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは?
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