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約150年変わらなかった学校教育の転換期。公教育にイノベーションを!

 僕は今、後悔しています。

 それと同時にとてもうずうずしています。何か行動したくて、わくわくする世界を知りたくて、体がうずいているのです。

 激務の教員生活から一旦解放され、育休7ヶ月目を過ごしている僕がのんびりしていられない理由をお話しします。


➣レモン農園青山さんの記事との出会い

「AIに仕事を奪われる」という言葉が度々僕たちの耳に入ってくるようになりました。近代テクノロジーの進歩は本当にすさまじく、僕たちの想像の遥か彼方の次元で進んでおり、あらゆるものがテクノロジー化しています。確かに安定した生活を望む上で、AIに仕事を奪われる不安はあります。オンライン化が進んでいけば、教師の仕事もどうなるか分かりません。さらには、子どもたちの未来にも不安が募ります。

 そんな中、僕は青山光一さんのこちらの記事を読んで、日本の教育の危うさを痛感しました。そして、自分自身もまだまだ「工業化の思考」に取り残された人間であったことを悔やみました。

 レモンをかぶってサングラスをかけるという斬新すぎるアイコンがただ者ではないことを感じさせてくれますよね(笑)この記事では表現しきれないくらいに色々なことが凄すぎて、本当にただ者ではありません。

 詳しくは青山さんのnoteの記事をぜひ読んで知っていただきたいのですが、青山さんは、公立小学校に19年間勤務した後、ご自身で人生の3つのミッションを掲げて退職されました。そして「日本初のイエナプランスクール」である大日向小学校に関わる傍ら、伊豆大島でレモン農園を開業。いわゆる「兼業農家さん」になられました。

 僕もレモンは大好きですが、教員から兼業農家への転職って凄すぎませんか?そのチャレンジ精神のみならず、青山さんが掲げる人生の3つのミッションがめちゃくちゃ痺れます。それが

「公教育にイノベーションを」
「伊豆大島から教育改革の狼煙をあげる」
「教育のパラダイムシフトを」

 かっこよすぎますよね。まだお会いしたこともない青山さんのあげられた狼煙が僕のところにまで届き、感動しています!

 この言葉の通り、公立小学校教員の現役時代から、現代の学校教育で当たり前とされていることに疑問をもち、自ら画期的な実践をされてきました。それを記事として分かりやすく提供してくださっています。どれも新しい教育の風を感じるものばかりで「自分もこういう実践をしてみたい!」とすごく刺激を受けています。

 そして、そんな青山さんの記事が、育休ボケしている僕の教員魂をくすぐり、のんびりとしていられないくらい体をうずうずさせています(笑)


➣日本の公教育の危うさ

 青山さんの記事でも紹介されている、映画「Most Likely to Succeed」のエグゼクティブプロデューサーのテッド・ディンタースミスさん。彼は約2年前の基調講演で次のように述べました。

伝統的な学校では、「暗記すること」「簡単な処理を繰り返すこと」「指示に従えること」。この3つができることを優秀な子だと褒められる。

 今までの日本の学校はまさにこのタイプではないでしょうか?九九や都道府県など暗記できる子がすごいと褒められ、計算の正確性や処理速度を競わされ、先生の指示に忠実な子が学級のリーダー的存在となる。僕も受けてきた伝統的な教育のスタイルです。幼い頃の僕は、それについて「おかしい」とも思いませんでした。

 しかし時代は急速に変化しました。「暗記すること」「簡単な処理を繰り返すこと」「指示に従えること」。この3つの分野はAIの得意分野です。

つまり、従来の学校で「優秀だ」とされていた子が、一歩社会に出ると自分の得意分野をAIが支配していくことになります。そしてAIに仕事を奪われ、職を転々としながら仕事への情熱を失い、漂流するという悲惨な結末を迎えるという可能性があるのです。

 そして今、日本の公教育の多くが、伝統的な学校のスタイルのままでAIに仕事を奪われる子どもたちを育て続けてしまっているのではないでしょうか。僕はそのことに疑問も持たず、あるいは疑問に思っても何も改善できず、当たり前のように子どもたちを育ててしまっていたことを、今とても後悔しています。


➣教育で成功しても、人生で失敗する

 テッド・ディンタースミスさんは伝統的な学校教育について、

教育で成功することが人生で失敗をする

と警鐘を鳴らしています。

 子どもたちが、テストに向けて暗記をし、簡単な処理を繰り返すのが得意になり、言われたことだけをこなして大学に入る準備をしていたら、側から見ると優等生に見えるでしょう。

優等生だったとしても、人生では失敗に向かっているとしたら。

 残念ながらこういうことが起こっているというのです。子どもたちは知らず知らずのうちに、AIと仕事を奪い合う準備を進めていることになります。今や人間が運転するよりも自動運転の方が安全だと言われている社会。どう頑張ってもAIの得意分野でAIと勝負するのは採算が悪すぎます。

 今の伝統的な学校のシステムは、こうした危機的状況にあることを知らなくてはなりません。「GIGAスクール、やったー!」と喜んでいる場合ではなく、一刻も早い改革を起こし、子どもたちを救い出す取り組みをしていかなければなりません。


➣学校、教師、親。それぞれに求められるもの

 では、これからの学校に求められるものは何でしょうか?

テッド・ディンタースミスさんは、これからの時代を生きる上で、子どもたちに次のような力を身に付けさせるべきだと述べています。

自ら大切だと思う課題を発見し、解決方法を想像して取り組むことが出来るようになること


 ん? ということは、アクティブラーニング?

 今年度から小学校で本格施行されている学習指導要領の中で文部科学省が推奨しているのがアクティブラーニングです。その中のひとつに「問題解決型学習(PBL)」という教育法があります。子どもたちが自ら問題を発見し解決する過程で、様々な能力を身に付けていくような教育法のことです。

 テッド・ディンタースミスさんも、「人工知能(AI)時代の社会を生き抜くには、これまでのような暗記型ではなく、課題解決型の教育に切り替えるべきだ」と主張しています。

 レモンでお馴染みの青山さんは、「問題解決型学習(PBL)」を授業に取り入れ実践されてきました。

 青山さんがおっしゃるように、「教育のパラダイムシフト」は必ず実現しなければならないと思います。暗記型から課題解決型へ。規律重視から対話重視へ。教師主体から子どもたち主体へ・・・。

 そのために、公教育にイノベーションが起きることは必要不可欠です。教育改革が必須です。文科省も学習指導要領で推奨していてお墨付きです。

 まずはアクティブラーニングをきちんと理解し、スムーズに移行していくことが教師にできる最小限の一歩だと思います。そして教師はもちろんのこと、子どもたちの未来をつくる親も、これからの教育にもっと関心をもつ必要があると感じています。いくらシステムを変えたとしても、僕たち親世代の思考そのものが変わらなければ、子どもたちへの教育を変えることはできないからです。

 伝統的な学校の当たり前に疑問をもち、小さな取り組みから始めてみる。それが少しずつ広がっていく。僕はその一歩を踏み出す勇気を持ちたいと思いました。


➣150年変わらなかった日本の教育が変わる!

 青山さんは、先ほどの紹介した記事の中で、伝統的な学校教育で行われている当たり前にとらわれていることを「工業時代のメンタリティ」と表現しています。これは、明治以来作り上げられてきた教育インフラは「工業時代」の思考をもとに作り上げられてきたものであるからです。

 約150年たった今、学校の在り方はほとんど変わっていません。僕は青山さんの記事を読んで「工業化の思考」から抜け出す一歩を得ることが出来ました。現在の学校教育を疑ってみるきっかけを得ました。そして、今まで体験したことのないような新しい学校、新しい授業に出会える期待感にわくわくしています。150年変わらなかった日本の教育が大きく変わる、そのパラダイムシフトの渦中に自分がいて、自分もその渦を巻き起こす一員となれる。そんな大きいことを考えてみると、何か行動を起こしてみたいという想いが込み上げてきます。だから自分自身もっとたくさん学んでいこうと思います。日本の教育が明るくなることを願って!

 貴重なことを教えてくださった青山さん、そしてこんな拙い長文をここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。この記事を読んでくださった方が日本の教育について考えてみるきっかけになれば嬉しいです。

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