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教育観のアップデート広場

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学校や教師に関係する記事をまとめました。新しい教育観を知りたい人、教育の視野を広げたい人などにおすすめです。
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記事一覧

今、すぐにでも子どもたちにSDGsを教えるべき理由

 僕が小学生のころに、「ダイオキシン」「オゾン層破壊」といった言葉がニュースとなっていたことを覚えています。社会の授業では、石油や石炭、天然ガスなど、地球の資源に寿命があることや短期間で急速に消費されていることを学びました。そういった学びから「僕が住む未来の地球はどうなってしまうんだろう」と不安を感じたことを覚えています。  最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)。  その経緯やどんな目標なのかは、他の情報サイト等にお任せするとしまして。学校教育でこそ積極的に取り上げた

来年度、小学校高学年で導入される教科担任制のメリット・デメリット

 来年度から小学校高学年の教科担任制が始まることは、ご存知でしょうか?  教科担任制とは、中学校・高校の授業のように、1人の先生が特定の教科を受け持ち、複数のクラスを教える方法です。  僕の学年(4年生)では、今年度の4月から学年の教員4人による教科担任制を実施してきました。  今回の記事では、実際にやってみて感じた小学校での教科担任制のメリット・デメリットについて書いていきます。 〇教員へのメリット①授業準備が圧倒的にラク  教員にとっての最大のメリットは、授業準備

もし小学校の教師が名著「もしドラ」を読んだら

 「もしドラ」は僕が紹介するまでもないほどの名著です。発売されて10年以上が経ちますが、未だに「もしドラ」の愛称で多くの人の記憶に残っています。累計200万部を超え、映画化もされました。  本書には、「経営学の父」と呼ばれるピーター・ドラッカーによる、「組織の生産を高める教え」が詰まっています。「経営学」「マネジメント」と聞くと、一見難しそうですが、本書ではその難しそうな教えを、野球部のマネージャーが分かりやすい言葉に咀嚼して教えてくれます。  僕は、今になって初めて「も

全米トップのオンライン・ハイスクールから学ぶ「反転授業」をやってみた

 各学校でオンライン授業、授業ライブ配信など、これまでにあまり例のない教育の形の実現に向けて、日々試行錯誤が続いていることと思います。僕の勤務先の小学校でも、感染予防のために欠席する子に向けての授業ライブ配信が試行されています。だれが、いつ長期の休みとなってしまうか分からない状況から、タブレットを毎日持ち帰るようにもなりました。  もうすでにオンライン授業が始まっている自治体もあることを考えると、「まだこの程度で耐えている」と思うべきなのかもしれません。しかし、皮肉なことに

9月学校スタートに向けて準備しておきたい5つのこと

 皆さんにも、無意識にやっているルーティンってありませんか?寝る前には必ず歯を磨くとか、家に帰ったら手洗い・うがいをする、とか。そういう「習慣」ってものがいわゆるルーティンです。無思考でできるから、「よし、がんばろう!」とか思わなくても体が勝手に動いてやっています。  僕は今まで、平日は仕事、週末にnoteというルーティンがありました。土曜日の朝は、目が覚めたら無思考でパソコンに向かい、noteを起動。これで何の苦痛もなく、毎週更新ができました。  しかし、夏休みに入ると

大人も子どもも笑顔になる「見守る」子育て

日本の親たちは、わが子をもっと信じていい  この言葉を読んだ時、ドキッとしました。これは、「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」(著 小川大介)という本の冒頭、一行目にある言葉です。  いや、わが子を信じてないわけではないんです。でも、どうしても自分が口を出し過ぎてしまったり、よかれと思って与えすぎてしまったりしていることに、思い当たる節があるからです。 親や教師から「笑顔」が消える理由 本書の「はじめに」には、このように書かれていました。  子どもの幸せを願

成長に欠かせない仲間の存在

 わが家の長女(4歳)のように、繊細で敏感な心をもつ子どもたちは、初めてやることや初めての場所などに臆病になりがちです。  心では「やってみたい!」「できるようになりたい!」と思っていても、困難を前にするとすぐに「できない」とあきらめたり、「やって」と甘えたりするのがお決まりのパターンなんです。  そして「できないモード」に突入すると、親がいくら励ましても頑としてやろうという気持ちにはなりません。  こうした子は学級でも多く見かけます。その子の性格なのか、特性なのか、簡

子どもの幸せを願うなら

毎日楽しく学校に行って欲しい。 幸せな人生を歩んで欲しい。 親や教師として、子どもにそう願うのはごく自然のことでしょう。 もちろんこちら側の一方的な願いを押し付けるつもりはありません。でも、心の奥底では子どもの成長と幸せを願ってやまない。それが親、教師というものではないでしょうか。 そんな思いで子どもと接していると、 「どうしてこの子は、こんなに無気力なんだろう」とか 「どうしてこの子は、ずっとイライラしているんだろう」とか 「この子は幸せなんだろうか」とか。 こちら

子育ても学級経営もゲーム化しちゃおう【がんばらない戦略】

「ゲーム」という言葉に対して、 あなたは良いイメージですか? それとも、悪いイメージですか? 子「ママ!ゲームしてもいい?」 母「だめよ、今日はもうたくさんやったでしょ」 子「もっとゲームやりたい!」 母「だめ!」 子「ゲーム!ゲーム!ゲーム!」 母「(怒)」 こんな親子の攻防が、世界中で繰り広げられていることでしょう。 ゲーム=遊び ゲーム=依存 こんな風に、ゲームをネガティブなものだと思う大人はまだまだ多いのではないでしょうか。 でも、やっぱり楽しいものである

教師として悪口を言う子どもとどのように向き合うか

もし自分が悪口を言われた子どもだったら。 あるいは悪口を言われた子の親だったら。 やっぱり相手のことを許せないと思うでしょうか? もっと厳しく叱られるべきだと思うでしょうか? 罰を受けるべきだと思うでしょうか?  言われた子の気持ちとして、そのように思うのは当然のことです。僕も娘がそういった目に遭ったら悲しいです。何度も同じようなことがあったら、担任(もしくは親)はどういう指導をしているのだろうと、懐疑的な思いを抱いてしまうかもしれません。  教師としての経験を思

宿題革命!「けテぶれ」を1ヵ月やってみた

 育休中に、漢字の宿題に対するこんな記事を書きました。  この記事を簡単にまとめると、  漢字の宿題は学習習慣と学力の定着が目的であるはずなのに、受け身で作業的な取り組みによって、目的を果たせていないのではないか。 という内容です。  僕は子どもの頃、この「漢字を繰り返し書く宿題」がすごく嫌いだったにも関わらず、担任した子どもたちにも同じ宿題を課していました。  僕の子どもの頃からあったので、「宿題とはそういうものだろう」とか「他によい方法が見当たらない」とか、そう

先生の夢は何ですか?【noteEXPO2021】

「noteEXPO2021」というすてきな企画が盛り上がっていますね。 怒涛の平日1週間、みなさんの記事をほとんど読むことができず、この企画の存在を昨日たごさんの記事で知りました^^;  それでも「この企画なら僕にも参加できそう」と思ったので、今から僕の夢について書いてみたいと思います。 ➣「先生の夢は何ですか?」「先生の夢は何ですか?」 小学校の教師をしていると、子どもたちからこのような質問を受けることがあります。 (夢か・・・。何て言ったらいいんだろう。) そ

「やりたい係活動」なら「がんばろう」がなくてもがんばれる

 僕にとって1年ぶりの担任。育休が明けていよいよ子どもたちとの日常が戻ってきました!今年は4年生の担任兼学年主任。この日を心待ちにしていました^^  一週間を終えた最初の感想は、 「このクラス、すっごく元気!エネルギーに溢れている!」 「すっごいゴソゴソしてる!笑」 そんな印象です^^;  ただ、育休中に学んだり経験したりしたことは、自分が想像しているよりも大きな変化だったようで。  どんな子がいても 「まあ何とかなる、大丈夫」 「むしろ何の反応もない子どもたちよりも、

高速道路のトラックと学校の廊下

 復帰前最後の思い出作りに、さくっと日帰り旅行に行ってきました。  旅の思い出話、、、ではなく。高速道路を走っていた時の話です。  平日の夜の高速道路を走るのは久しぶりだったし、大型トラックも多かったので、少し緊張していました。  僕が右側の追い越し車線を走っていたところ、追い越そうとした左の車線のトラックが、ふいに車線変更をして僕の車の目の前に入り込むことがありました。それも二度、三度と続きます。  みんな急いでいるからでしょうか。トラック同士の車間距離も近く、何だ