倉田隆盛

教育、福祉制度について研究。イジメ、体罰、虐待をはじめとする子供・若年者の人権、DV、…

倉田隆盛

教育、福祉制度について研究。イジメ、体罰、虐待をはじめとする子供・若年者の人権、DV、ひきこもり、精神障害を対象に。

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  • 若年者の人権など

    イジメ、体罰、虐待、DV、など扱います

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剣術のことなど、黒田鉄山師範のご逝去

振武舘(しんぶかん)第15代宗家 黒田鉄山(くろだてつざん)師範が3月3日亡くなられました。享年73歳。剣術、棒術、柔術、居合術等の宗家として、古武術を伝えてきた方です。 剣術の発生と発展について、記事にしたいと、考えていたところ、黒田師範の訃報がもたらされ、あらためて、日本の剣術について、ここに記事として投稿します。 剣術の歴史に触れるにあたり、まず、武士の歴史について触れておきましょう。 武士の源流をどこに求めるのか、ということですが、古代の日本にある頃、入植した集

    • 福祉事務所との確執のこと

      私は現在、生活保護を受けているわけですが、今の担当のケースワーカー氏からのハラスメントがあり、福祉事務所に対し、担当の交代を申し入れたのですが、課長から「きりがないから」の一言で断られます。 これを受け、保護の申請の際にお世話になった方に同伴していただいて、福祉事務所に行き、意見を具申したことが今夏にありました。交代は実現はしませんでしたが、一言、苦情を申し入れ、担当氏に当方の考えは伝えた次第です。 担当氏は昨年から3カ月に1度、訪問されるのですが、初回の訪問時に私に言っ

      • 都知事選を振り返る

        今年の都知事選、主要候補の1人、田母神氏は10年前、2014年の都知事選では原発推進を掲げ、SNS上では一部の層から熱い支持を受けていました。あの時は、脱原発を掲げる元首相の細川氏が立候補し、それを応援する、こちらも元首相の小泉純一郎氏が並び立ちます。 SNSでは、当初、「原発は都知事選のイシューではない」「東京都は原発立地県ではないのに」との意見が散見されましたが、日を追うに連れ、論調が変化し、原発に肯定的な田母神氏を推す声が強まりました。ある大手紙の社説では「原発は悪な

        • 虐待への介入、親への治療。DVと虐待はメンタルクリニックへ

          子ども家庭庁が発足して、日が経ちますが。家庭庁に期待したいこと、それは、各県ごとに組織を設け、そこに属する職員を公立私立の小中高校に配置することです。 この職員を学校支援員としましょう。県の部局には警察官や児相の職員、弁護士を配置すべきでしょう。また、休日は無しで。児相は平日しか対応していませんが、虐待の対応に休日があってはなりません。 学校支援員は平素から学校にあって、巡察し、生徒の様子を見て、あるいは話しを聞いていきます。すなわち、イジメを、体罰を、虐待を、受けていな

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        • 若年者の人権など
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          司法と精神医療の充実を DVや虐待への対応として

          若年者の人権の話。イジメ、体罰、虐待と考えるうえで最も難しいのはどこなのか、と言えば、虐待、それと親和性の高いDVでしょう。 埼玉白岡の事案 2022年、埼玉 白岡。当時15歳の少年が同居する母親の内縁の夫からの暴行で亡くなりました。その男は生活保護を受給しながら、改造したハイエースを所有(不正受給でしょう)。自分の連れ子と内縁の妻の連れ子のあわせて、8人の子供と暮らしていました。 暴行を受け亡くなったのは上から2番目の子。幼い弟や妹の世話をし、学校にも通っていなかった

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          学校改革のこと

          子供の人権を考えるとき、イジメ、体罰、虐待が3大案件となるわけですが。まず、イジメについて。さしあたって、イジメが起きにくい環境をつくりましょう。 すなわち、「生徒が集団で行動する場面をほとんどなくす」「生徒を相性でクラス替え、席替えをしていく」「生徒に対する様々なストレスや負担を解消していく」この3つです。 小中高校大学と振り返って、大学ではイジメをほとんど聞かないのは、大学の特性として、高校以前に比べて、生徒が集団で行動する場面がほとんどない、生徒が誰かと組んで作業す

          学校改革のこと

          サブカルにみるジェンダーロールの変遷 女性の政治への進出のこと

          昭和末期から現在までの漫画におけるジェンダーロールの変遷と政治における女性の進出のことについて考察してみます。 戦前までは義務教育は小学校まででしたが、戦後、ほどなく中学までが義務教育となり、70年代になると、義務ではないものの、高校も増え、高校進学率が98%以上となります。 誰もが、当たり前に高校に進学する時代になると、荒れる高校が話題になります。その話はやがて、不良漫画となり、80年代、漫画における一つのジャンルを確立します。 90年代になると、少年誌から不良漫画が

          サブカルにみるジェンダーロールの変遷 女性の政治への進出のこと

          不登校をめぐる意見

          「お子さんを登校させないと、卒業できませんよ」 教員から不登校の保護者に発せられるセリフでよくあります。義務教育だから、1日も登校しなくても、手続きさえすれば、自動的に卒業できるにも関わらず。他には、「家庭が居心地がいいから、子供は学校に来なくなるんです」というのもありがちなセリフです。 登校させないと、卒業できない、と伝えてくる。教員にはそうやって、登校させるよう圧をかけてくる人がいます。端的な例になると、担任が車に自宅でやってきて、生徒を車に乗せて、学校に連れていく事

          不登校をめぐる意見

          共同親権への危惧。孤立し、苦しむものへの関与を。DV外来の義務化を。

          共同親権法案が参議院を可決しました。なんてこった。施行は2年後だそうで、これから廃案に向けて、尽力しなければなりません。 推進派は法案の可決を優先するあまり、条文をわざとあいまいなままにして、通りやすくし、強行採決をはかったようです。 共同親権を推進する側、とりわけ推進派の国会議員たちの意図はどこにあるのか。日ごろ、SNSを追ってるだけではよく見えてこないのですが、どうも、私の憶測のままに書くと、表向きの理由とは別の格別な事情があるのでは、とないかと想像しています。その意

          共同親権への危惧。孤立し、苦しむものへの関与を。DV外来の義務化を。

          児童虐待とDV被害を考える、共同親権の参院審議をひかえて

          幼児の虐待死事件を考察するに、虐待はまた、DVとも親和性が高い、という傾向があります。「親子」の話は、同時に、「夫婦」の話でもある、そうしたケースが多いのです。 これに対応するにあたっては妻にはシェルターを、子供には養護を、夫にはDV外来、心の治療を。そうした、福祉、医療の拡充こそが求められています。 結婚する男女が50万組いて、離婚が20万組。そのうち、DVによる離婚が1万2千組とされています。そのDVでも妻からのDVもありますが、9割がたは夫からのDVが原因とされてい

          児童虐待とDV被害を考える、共同親権の参院審議をひかえて

          追想、鳥山明先生。ドラゴンボールをめぐる雑感。

          漫画界のレジェンド、鳥山明先生がお亡くなりになりました。ここでは代表作、ドラゴンボールに関して思うことをつづっていきます。 ドラゴンボールはもともとカンフー映画に触発されてつくられたので、格闘の描写が多いのですが、作品の前半までは登場人物は地上で戦う描写が多かったのですが、やがて、空中戦の場面が増えていきます。 こうした一連の動きは鳥山先生がモデラー(模型師)、メカ好き、だったことによるのでしょう。鳥山先生の作品や絵には4輪車はもとより、飛行機がよく登場し、丁寧に描かれま

          追想、鳥山明先生。ドラゴンボールをめぐる雑感。

          出産と育児のリスクと負担のこと。共助と公助の拡充を。

          嬰児を遺棄して逮捕される女性がいます。背景には、貧困と孤立。家族を親を頼れない。生きていくために売春をする、男が避妊をしない、そして、中絶もせず、産み捨てる。こうした不幸ないきさつがあるようです。 あるいは、幼い子供を抱えた若い女性がいる、親を頼らず、自分で子供を育てよう、さらには自分の学費も稼ごうとキャバクラで働く。ある時、その事業所の経営に関わっている男の不貞を注意したところ、逆上され、暴行を受け、その女性は亡くなりました。 男と女の関わり方について、考察してみます。

          出産と育児のリスクと負担のこと。共助と公助の拡充を。

          進学後の経済的虐待

          教育虐待というと、「満点をとれ」「いい大学にいけ」と、高い点数、高い偏差値をとることを強いる、それに伴う、マルトリートメント(不適切な対応)が想起されますが、この項では「進学後の虐待」について考察します。 大学に入学して、間もなく、親が子供に「大学をやめろ」「家から出ていけ」という経済的虐待があります。これまで進学を考えて、高校生活を送ってきた、そして、これから大学生活が始まる、そこへ唐突に、子供を突き放してしまうわけです。 何の準備もなしに、いきなり、進路の変更を迫られ

          進学後の経済的虐待

          進路と親権の話

          医学部受験を9浪させられた娘が母親を殺害した事件がありました。教育虐待の果てに親子は不幸な結末を迎えます。 精神障害で心を病んで入院する人は進学校、有名大学出身者が多いそうですが、この事件も教育虐待の弊害でしょう。 親が子に与えられる最大の資産は教育です。しかし、教養というよりは学歴が出世や社会的地位に直結するため、子供に試験で高い成果を強いる親もいます。 ここでは進路の設定にあたって、第三者機関が入り、子供と話をかさね、当人に相応しい進路を決めるべきだ、ということを私

          進路と親権の話

          概説・谷中中学事案(後編)

          誠一郎君が座り込みを始めたのが2019年1月ごろ、彼がいつも正門の前にいることは学校の誰もが知るところとなります。教員らは彼を敵視する空気が共有されていたのか、校門に面した校舎の窓、一帯のカーテンを閉めて、校舎内から彼の姿を生徒らに見せないようにします。 父親はこの時期、弁護士を立てて、学校、区の側と話をするようになります。学校側もまた、区の顧問法律事務所を立て、校内には弁護士がいつもいるようになり、事態は難しくなっていきます。 父親はまた、区の市民相談窓口に件のことを問

          概説・谷中中学事案(後編)

          概説・谷中中学事案(前編)

          東京都足立区谷中(やなか)中学。ある時、その校門の前にうつむき座り込む、制服姿の男子中学生らしい少年を映した映像がX(当時はツイッター)に投稿され、数万のリツイートを得ていました。 この少年に何があったのか。以前、このブログで数回にわたって、投稿した谷中中学事案ですが、半端なままで長く中断していたため、(私のブログで最も閲覧数が多い)今回、あらためて、振り返り、まとめてみます。 その少年、誠一郎君は(当時)谷中中学の2年生でした。ある朝、教室で他の生徒と喧嘩が起きます。あ

          概説・谷中中学事案(前編)