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デキる教員の条件、優しさと校則の話

私が注目する、尊敬する教育者の特徴として、校則、体罰、怒鳴る指導、叩く指導は出てきません。また、生徒や保護者を敵視することもないし、部活が好きな方もいません。

そうではなく、学校は楽しく、授業は面白く、そして、褒める指導で臨みます。それが結果として、不登校が減る、問題行動が減る、進学校への合格者が増える、高校であれば、中退者が減る、卒業後の進路を決めて、卒業する子が増える、そうした正の効果をもたらすのです。

体罰をしないと生徒から舐められる、生徒が増長する、体罰があるから成長できるんだ。校則を無くすと生徒が不良化する、学校は楽しく、そんなことでは生徒が無責任で他責思考な人間になる、国家が社会が崩壊する…。

そうした反発がありがちですが、そうはなりません。そうではなく、不登校が減るんです。問題行動も減ります。

校則を無くすと生徒が不良化する。これもありがちな反応なんですが。なぜ、不良の子がいるのか、親から愛されてこなかったからですよね。全ての不良がそのタイプではない、イジメ被害からの不良化もありますが、だいたいは家庭です。

母子家庭があって、母親は連日、深夜までパチンコ、家にいても、衣食の世話をしない、子供といても、会話も交流も拒む、愛着が形成されない。こうした環境で育った子が不良化する傾向があるでしょう。実際、少年院に行く子は母子家庭の割合が高い傾向があります。

こうした子達に必要なのは愛着の形成と対話のはずです。だから、心ある教育者達は不良の子にも対話で臨みます。その際には、髪型、服装のことはとやかくいいません。

親から愛されてこなかった、そのため、心が荒んでしまう、それがとがった格好になって表れる。恰好を見るなら、その子らの心をみないといけないし、心の問題は人間関係の問題だし、若年の場合、それは多くの場合、家庭、親子の関係なんです。

子供を顧みない母親、こうした女性もまた、親から愛されてこなかった人たちでしょう。愛されてこなかった女児が10代になれば、パパ活を、18歳以上になると、風俗で働いて、お金はホストに貢ぐ、子供ができてからは、子供を置いて、何日も家を空けて、男のもとに行く。

これは愛着障害です。男に依存する。人は親になった時、自分の子供にもかつて、自分が親からされてきたことを繰り返す傾向があります。親から虐げられてきた人は子供を虐げてしまうことがあるでしょう。親から愛されてこなかったから子供の愛し方がわからないともいえますが。虐待は親から子へ、子から孫へと連鎖するのです。

青少年非行防止主張大会なるものが愛媛県松山市で毎年、県警の主催で行われています。地域の各中学の代表者を集めて、どうすれば、不良にならずに済むか、を中学生らに発表させる取り組みが。

また、富山県の氷見(ひみ)市では法教育プログラムと称して、保護司が中学生を対象に少年事件の事例を提示して考えさせる企画が行われています。いずれも不良になることが、非行に走ることがまるで子供の心がけの問題であるかのような。

休み時間、タバコを吸ってる中学生男子、彼の後方から男性教員が離れた場所から名前を大声で一喝して離れていく。夜間、公園にいる少年たち、家庭に居場所のない彼らに地域のおじさんがどこからともなく現れて、大声で叫んで去っていき、後でSNSに「ガツンといってやった」と書き込む。

警察も保護司も教員も一般の方もなぜ、不良の子がいるのか理解していないのでしょう。あの子らは「親から虐げられてきた子達」なんです。そうした子らに必要なのは穏やかな姿勢での対話のはず。

SNSを見ると教員アカウントで不良の子を念頭に「校則罰則を厳しくしろ」「褒める指導なんて教育困難校では通じないんだ」そうした投稿が散見されます。でも、あなたはそれを実践しますか、怖くてできないでしょう。ベテランの教員でも赴任したがらないのが教育困難校。

現在、還暦近くの方が語る昔の教育困難校はどうか、リーゼント頭の男子が教室で、それも授業中、タバコを吸いながら麻雀をしている、そんな彼らに教員達は怖くて注意もできない。1980年前後の話と推定しますが、今もそう変わらないですよね。

不良の子らに厳しく接する、それを本当にやってしまったのが悪名高い戸塚ヨットスクールでしょう。5人亡くなったそうですね。連日の暴行、このままでは殺される、と脱走する子も後を絶たず。

不良の子への接し方としてあるべきは、夜回り先生こと水谷修先生の接し方でしょう。不良とされる子は機能不全家庭育ち、彼らが抱えている悲しみ、苦しみを理解したうえで、彼らの歪んだ行動も許し、受け入れる。一環して、穏やかな姿勢で臨む。

優しさを知らない子達にあるべきは優しさで臨むことです。

そもそも、子供らが歪んでしまう前、幼児の段階で家庭に介入しないといけないのですけど。私が児童福祉に予算を何倍にも割くべきだと唱える所以(ゆえん)です。



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倉田隆盛
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