学校改革のこと
子供の人権を考えるとき、イジメ、体罰、虐待が3大案件となるわけですが。まず、イジメについて。さしあたって、イジメが起きにくい環境をつくりましょう。
すなわち、「生徒が集団で行動する場面をほとんどなくす」「生徒を相性でクラス替え、席替えをしていく」「生徒に対する様々なストレスや負担を解消していく」この3つです。
小中高校大学と振り返って、大学ではイジメをほとんど聞かないのは、大学の特性として、高校以前に比べて、生徒が集団で行動する場面がほとんどない、生徒が誰かと組んで作業する場面がほとんどない、また、授業は毎回、教室が異なる、誰がどの席に座るかも決まっていない。
こうした組織の在り方だと、クラスの絆は生まれにくいですが、一方で、イジメも起きにくい、ということになります。
高校以前だと、同じクラスに同じメンバーが、同じ座席に座っている。それが平日、朝から夕方まで続くわけです。これだと、新年度から1カ月もすれば、クラスの連帯意識が生まれますが、副作用として、イジメも起きやすいのです。
各種行事や集会はほとんど、いらない、簡素、縮小、廃止に。給食、日直、掃除当番もそう。誰かと組んで作業する機会もほぼいらないです。それがすぐに実現が難しいのであれば、生徒を相性によって分けていくべきでしょう。
大学の特徴として、高校までと比較すると、ルールやタスクが各段に少ないことが挙げられるでしょう。タスクが多いと、それを守ろうとする、守らせようとする、で教員と生徒でストレスが増えるし、それが時に体罰という形で表れやすいでしょう。
ルールやタスク、すなわち、朝の一連のルーティーン。朝8時を過ぎると、校舎の入り口を閉める、朝自習のプリント、朝のホームルーム、生活の記録の提出、月曜朝の全校集会…こうした一連のタスクは廃止にしましょう。
中学までの定期テスト、通知表、内申書は廃止に。テストは高校以降、それも年2回で十分だと。校則も廃止。髪型、服装、持ち物に関する禁止、許可、決め事はどれも要らないです。
授業の内容も、生徒の適性、才能、経験に関係なく参加できる授業であるべきでしょう。身体能力が一番高い子が活躍する体育の授業ではなく、どの子も楽しく参加できる授業を。ピアノ教室に何年も通ってる子が活躍する音楽の授業ではなく、経験あるなし関係なく、楽しめる授業を。
美術もそうですね。絵がうまい子が注目される授業ではなく、才能に関係なく、誰もが面白いと思ってもらえる授業を。国語や数学、英語もそうです。公立の中学だったら、大学で使う専門書を読む子もいれば、掛け算もおぼつかない子もいます。
試験ができる、できない関係なく、誰もが参加できる授業、すなわち、思わず夢中になって、考える授業、みんなで簡単に答えが見つからない問題を考える、そうした方向の授業を指向するのだと。
だから、授業は4限まででいいし、午後は生徒は自分の関心、適性に応じて、勉強すればいいし、教員は教材や授業の研究に充てるべきです。
中学でも掛け算がおぼつかない生徒には教員が1対1で指導すればいいし、理解が進んでいる子は専門書を読めばいいのです。そのために、図書室、小学校であれば、一般書や中学、高校の教科書を置いていいし、中学であれば、高校の教科書に加え、大学で使うテキストを置いてもいいでしょう。
また、キャリア教育の導入も進めるべきでしょう。小学生の段階から、専従の職員が1対1でその子と進路の話をしていくこと。だから、進学を考える生徒には中学の段階でやはり、専門書を見せるべきでしょう。
従来の指導では受験の話、大学に合格することばかり、教えて、入学した後のこと、大学での4年間の時間の使い方やその後の進路については何ら、言及されてこなかったし、教えてもらえないわけです。
情報の集め方も生徒に教えるべきですが、一方で、世のなかの仕組みを知っている大人が早い段階から、それを教えるべきだと。
部活は地域に以降、それも土曜の午前中だけ。教員は部活を手放してください。五輪の観戦に児童を動員する話がありましたけど、部活もそれに似ていますね。同調圧力で嫌がる子まで部活に強制加入みたいな。それはなしで。
塾は日曜の午前だけで十分です。平日の夜間はなしにしましょう。これは生徒の消耗を防ぐ意味もありますが、治安の意味もあります。塾帰りの中学生が性犯罪に遭う事案がありますから。部活もそうですね。性犯罪は夜間の路上が圧倒的に多いので。塾や部活は夕方、夜間には行わないことです。
あとは体罰。宿題をしてこない、忘れ物がある、問題を解けない、点数が低い、遅刻をしてきた、お菓子を持ち込んでる、空き時間に学校の側のコンビニに行った、こうしたことは生徒を叱る、罰を課す、理由にはなりません。
夜遅くまで起きろ、給食の完食を強要する、カバンに教材を詰め込め、もしてはいけないし、授業中に教員から、質問する、黒板の問題を解かせる、授業の冒頭、毎回、小テストをする、も要らないです。
あとはそろえる指導、ルーズリーフかノートか、字を書くにあたって、トメ、ハネ、ハライができていない、とか、水筒にスポーツ飲料を入れてはだめだとか。これも要らない。
あとは生徒イジリ。好きな食べ物を発表させる、一発芸を命じる、その年齢の児童に明らかに答えられない質問をする、冬の体育でわざと薄着を命じる。どれも合理的な説明ができないことばかり。
生徒を叱るにしても、ゲンコツや平手打ち、体の一部をつまむ、教材の角や棒状のもので小突く、正座させる、授業中に立っていろ、とか。そうしたことをしてはいけない。
叱るにも統一したルールや見解のもと、指定の様式にのっとり、定型的な説き方をすべきだし、記録に取り、親に伝えるべきです。こうした理由でお子さんを叱りました、と。また、生徒を叱るにも専従の職員がすべきです。
目指すべきは学校が、授業が楽しい、そうした学校、そうした授業です。それが結果として、イジメが問題行動が、不登校が、起きにくい学校になると私は考えます。