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マッチョイズムのすゝめ~福澤諭吉『学問のすゝめ』を片手に~
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昨今、日本社会は「ホワイト化」が進んでいる。
「ワーク・ライフ・バランス」が重視され、長時間労働は糾弾され、遊び呆けても誰も咎めはしない。
だが、其の様な「ホワイト化」は、人々に何を齎すのだろうか。
「ホワイト社会」は本当に人々を幸せにするのだろうか。
私はタイトルに『学問のすゝめ』を入れたが、前書きとしての「合本学問之勧序」に拠れば、明治5年から明治9年にかけて発行された全17編の分冊は70万冊、初編は20万冊に下らずとの事であり、更に偽版の流通や合本も合わせて、当時に於いて途轍も無いベストセラーであった。
明治維新を経て近代化を遂げ、有色人種国家が片っ端から白人諸国の植民地支配を受ける世界に於いて、有色人種国家として唯一「世界五大国」(米英仏日伊)に食い込んだ我が国であるが、其の中に於いて、『学問のすゝめ』は大きな影響力を発揮していた事だろう。
其の様な『学問のすゝめ』の初編に於いて、福澤諭吉は次のように「平等」を説いた。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人皆同じ位にして、生れながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずして各々安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。(1942年12月21日『学問のすゝめ』(2023年第106刷)福沢諭吉 著 岩波文庫 11頁)
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」との言葉は、非常に有名であろうと思う。「言えり(=言われている)」と述べているので、「福澤の言葉」ではないのだが。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」の一文が独り歩きし、福澤の真意が勘違いされている場面を目にする事も少なくない。
福澤の「平等」論は決して生易しい、慰めてくれる綺麗事ではないのである。
福澤は「各々安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。」の直ぐ後に、次のように続けている。
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