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介護

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介護業界・現場・運営に関する問題や疑問などの記事をまとめております。
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#考え方

高齢者に"イラっ"としてしまう理由

高齢者に"イラっ"としてしまう理由

高齢者介護サービスのお客さんは、当たり前だが高齢者である。

普通であればお客さんに対して怒鳴ることはない。

しかし、そのお客さん(高齢者)に対して声を荒げる介護スタッフはいる。「何で分からないの!」「もぉ~、早くしてよ」といった感じだ。

忙しいのは分かるが、声を荒げるのはいささか問題である。他の仕事であれば、どんな理由があってもお客さんを怒鳴るなんてあったら大問題になる。

もちろん、介護サ

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高齢者介護における「指示が通らない」という身勝手な言葉

高齢者介護における「指示が通らない」という身勝手な言葉

介護対象である高齢者に対して「指示が通らない」という言葉が使われることは珍しくない。

「指示が通らない」とは、介護者が伝えている内容に対して、それを言われた高齢者が理解できない・その通りに動けないといった状態を指している。

予めお伝えしておくが、私はこの言葉があまり好きではない。

というのも、そもそも指示とは「何かの目的を果たすために、相手に意図どおりに動いてもらう」ということである。

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施設入所は選択肢の1つ。決して介護放棄という「逃げ」ではない

施設入所は選択肢の1つ。決して介護放棄という「逃げ」ではない

――― 仕事を簡単に辞めてはいけない

――― 学校には行かなければいけない

――― 習い事はずっと続けるもの

こんな感じの強迫観念のような風潮が世の中にはある。
しかし、これらは強制されるものではない。

――― 転職が当たり前の時代に仕事は変えてもいい。

――― 学校に行かなくても成長する術は多々ある。

――― 習い事は教養の1つであって継続の有無が本質ではない。

これらは「逃げ」と

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高齢者は「弱者」で、介護者は「強者」なのか?

高齢者は「弱者」で、介護者は「強者」なのか?

高齢者虐待という社会問題がある。

高齢者虐待とは、高齢者が何かしらの虐待行為を受けることで、当人の尊厳を損ねている、あるいは尊厳を損ねる可能性を有した状態である。

何かしらの虐待とは、身体的虐待・心理的虐待・経済的虐待・性的虐待・介護放棄(ネグレクト)の5種類が挙げられる。

それぞれの虐待の形態については本記事では割愛するとして、いずれにせよ虐待行為はあってはならない。

――― が、なぜ虐

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「介護負担を減らす」とは何か?

「介護負担を減らす」とは何か?

介護人材が不足しているという話は、耳にタコができるほど聞いている。しかし、その根本的な解決策は糸口すら見つかっていない。と言うか、おそらく解決できないと思う。

それは、現状の介護の考え方のままでは、増加する高齢者の介護には手が及ばないからだ。抜本的に「介護とは何か?」という考え方を見直さないと、需要はあれど供給が追い付かないという状況も変わらない。

例えば、日本では「親の介護は子供や孫がするも

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「介護拒否」と言うが「育児拒否」とは言わない理由。拒否という言葉で思考停止な介護に陥らない

「介護拒否」と言うが「育児拒否」とは言わない理由。拒否という言葉で思考停止な介護に陥らない

「介護拒否」という言葉がある。

これは高齢者介護という仕事において、確実に遭遇する出来事だ。

例えば、トイレで排泄はできるが、一部介助や見守りが必要な場合に介護者が付き添う場合、人によって次のような状態になることがある。

・ 声掛けするもトイレに行こうとしない
・ トイレにお連れしようとすると、その場にある物に掴んで動かない
・ ズボンや下着などを脱ごうとしない
・ 便座に座ろうとしない

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介護は「支配」ではなく「支援」である。

上から目線で「介護してやっている」と
マウントをとることは戒める。

同じ目線に立つ意識で「支えて応援する」
という言葉と理想を胸に抱く。