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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運…
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2021年3月の記事一覧

First memory(Hinata)13

「はぁ、疲れた……」  疲労した体は私が思っていた以上に重くシャワーすら浴びる気力が起き…

First memory(Hinata)12

「あの日……サロスとの最後の勝負の時。初めて、僕は彼に勝ちを譲ろうとした。きっと、サロス…

First memory(Hinata)11

「そろそろ帰ろうか。ヒナタ」  私が言い出す前に、彼がその一言を口にした。もう、学院内で…

First memory(Hinata)10

 フィリアもきっと私と同じなんだろう。ヤチヨちゃんとサロスがいなくなってしまってどうした…

First memory(Hinata)09

 ヤチヨちゃんが選人(せんじん)となり、あんなに仲が良かった二人が喧嘩してしまった。だか…

First memory(Hinata)08

「ごめんね、ヒナタちゃん。こいつらバカだから」  ヤチヨさんが手を合わせて、私に謝罪の言…

First memory(Hinata)07

「やっ、やったぁぁぁぁ!!!」  私は、らしくもない大声で喜びを叫んでしまった。  外の天気は、先ほどまでの悪天候が嘘だったかのように満点の星空が広がっていて、まるで私たちを祝福してくれているかのようだった。 「まだだ!! 警報はまだ鳴っている!!」  シャッターで切断されたままで未だに足を掴んでいる警備ロボの腕を投げ捨てフィリア君が叫ぶ。 「みんな、もうひと踏ん張りだ!! あそこまで走るぞ!!」  私たちはサロス君が指をさした方向。学院から少し離れた見晴らしのよい展望台の方

First memory(Hinata)06

 ――が、 「ヒナタ、避けろ!!」 「えっ!?」 「ヒナタちゃん!!」 「ヒナタ、手を伸ばせ…

First memory(Hinata)05

 サロス君は……さっきと反対側に小首を傾げていた。  私は、彼女とサロス君にも出来る限り…

First memory(Hinata)04

「サロス、大丈夫かな?」 「ここは学院の中だし。危険はないと思う。それより……」  フィリ…

First memory(Hinata)03

             ーーまったくこの子は……。    自然と笑みがこぼれていたことに…

First memory(Hinata)02

――――どうしてだろう。  私は、次の日の放課後。いつも通り資料室の扉の前にいた。  今…

First memory(Hinata)01

 私の世界は、いつも本の中にあった。  本の中なら、私は何者にでもなれた。  ある時は、…