マガジンのカバー画像

芝居の時間

27
芝居や演劇のつくる・みるにまつわるマガジン。 人生は歩き回る影帽子、あわれな役者だ!
運営しているクリエイター

#獣マクベス

魔術とは、魔術的身体とは。

魔術とは、魔術的身体とは。

 なんて怪しく魅惑的なタイトルなんだろう「魔術」。痺れる。もうこれだけで痺れる。美味しそうな匂いがする。
 皆さんは、魔術のこと、信じているだろうか。
「魔術~?」とニヤ付く人もいるだろう。何を言っているんだ、と思う人も、きっといるだろう。
 私は、結構、信じている(理由は後で書こうと思う)
 今回はそんな「魔術」のお話。

 今月10月に上演する獣の仕業「マクベス」の上演の演出ノートに私はこんな

もっとみる
シェイクスピアの台詞を原文で読む⑤~完結編~「マクベス」

シェイクスピアの台詞を原文で読む⑤~完結編~「マクベス」

 自劇団「獣の仕業」での「マクベス」上演で使用するためにひとつの台詞を自力翻訳しようという試み。この記事は③~⑤で続きものなので、翻訳過程の葛藤の流れを追いたい人は③から読んでいただくのを推奨する。

※①と②は「オセロ」なのでそちらもぜひ。それぞれ別台詞でひとつの記事で完結しているので、バラバラに読んでいただける。

前回(③と④)までの翻訳作業ダイジェストすごい苦労したけど、とりあえずそれっぽ

もっとみる
シェイクスピアの台詞を原文で読む④「マクベス」

シェイクスピアの台詞を原文で読む④「マクベス」

 自劇団「獣の仕業」での「マクベス」上演で使用するためにひとつの台詞を自力翻訳しようという試み。前回記事③からの続きものなので、③に書いた台詞原文の引用と前半部の葛藤は、繰り返しになるから省略する。そのためお時間のある方は先に下記を読んでいただくのが推奨である。

 ざっくり言うと、始めてみたら途中で品詞か名詞か分からない単語が出てきて行き詰って挫折。明日の私に期待することにした。昨日の明日は、つ

もっとみる
シェイクスピアの台詞を原文で読む③「マクベス」

シェイクスピアの台詞を原文で読む③「マクベス」

 なんとなくシリーズ化してきた翻訳記事。この記事には「オセロ」で翻訳を試みた①②があるので、もしご興味持っていただけた方は先に①を読んでいただけましたら幸い。③だけでも内容としては成立はしているので大丈夫です。

 ちなみに先に言っておくと、今回とある事情があって途中で挫折している。最後の翻訳までゴールできていないのだ。
 とはいえ翻訳自体は投げ出さず、最後までやりとげるつもりなので④に乞うご期待

もっとみる
シェイクスピアの台詞を原文で読む②「オセロ」(対訳:坪内逍遥)

シェイクスピアの台詞を原文で読む②「オセロ」(対訳:坪内逍遥)

 この記事には別の台詞で翻訳を試みた①があるので、もしご興味持っていただけた方は先に①を読んでいただけましたら幸い。②だけでも内容としては成立はしているので大丈夫です。

 というわけで、前書きにあたるものは①の記事にお任せして、早速「オセロ」(Othello)の原文を日本語訳していく。①よりも、ちょっと翻訳しづらい微妙なニュアンスのある台詞に挑戦。
 ちなみに①でも書いたのだが、筆者の英語レベル

もっとみる
シェイクスピアの台詞を原文で読む①「オセロ」(対訳:坪内逍遥)

シェイクスピアの台詞を原文で読む①「オセロ」(対訳:坪内逍遥)

 シェイクスピア。名前くらいは聞いたこと皆さんあるんじゃないかと思う。イギリスの有名な劇作家だ。見たことがない人でも、演劇に興味がない人でも、名前だけなら知っている。それってすさまじい知名度だ。
 しかしその知名度ゆえに、演劇を作っている人・観劇が趣味の方でも「まだ見たことない」というかたが結構多いのである。これもまた、知名度ゆえである。
 そして、日本で「原文でシェイクスピアを通読したことがある

もっとみる
トメ俳優って何なの?

トメ俳優って何なの?

 主演。演劇、ドラマ、映画などの主人公を演じる俳優のことだ。一方、結構知られていない「トメ」「トメ俳優」の存在。今回は「トメ」について書いていく。トメとは? トメ俳優とは? 

 困ったときはwikipadiaやで!

 自劇団「獣の仕業」では「主演」と「トメ」を明確に定義しているのだが、トメのことはよくきかれる。その時は大抵このように答えている。

「風間杜夫や、吉永小百合のことです。」

 色

もっとみる
坪内逍遥が翻訳したマクベスを、さらに翻訳する。

坪内逍遥が翻訳したマクベスを、さらに翻訳する。

 自劇団で10月にシェイクスピア「マクベス」を上演することにした。
 シェイクスピアは劇団としては「オセロ」「空騒ぎ」「ヴェニスの商人」に続いて本作「マクベス」で四作品目となる。

 多言語の古典脚本を上演するとき、脚本家と同じくらい翻訳家は重要だと私は思う。上演チラシや公演概要に脚本家の名前はほとんどの場合掲載されているが、翻訳家の名前が載っていないことは結構多い。私は脚本も書くし、たまに短い簡

もっとみる
キャスティングはたのしくて、むずかしくて、たのしい。

キャスティングはたのしくて、むずかしくて、たのしい。

 先日、十月に自劇団「獣の仕業」で上演する芝居のキャスティングを決定した。
 昔からキャスティングがとても苦手だ。
 あれもいいこれもいい、あっちもいいしこっちも捨てがたいと考えている内に考えが何周もしてしまって訳が分からなくなってしまう。どれもこれもいい感じでひとつを選ぶことができない。つまり、分からなくなるのは大抵座組の俳優さんの芝居がいいとき、特に、どんなタッチのお芝居も一通りできるような方

もっとみる