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2019年6月の記事一覧

「空」振り返り

「空」振り返り

 私は一連の経験を文章に残して置きたいと思いました。そして大きな失恋で、彼らを傷つけてしまったこと、私の体調が、悪化して人生が、変わったことなど深く考えたいと思いました。彼らとの痛恨の別れを通じて私のパートナーはもっと上を行こうと決意もしました。上というのは何を指すのか大きな疑問ですがとにかくその時はそう思いました。空は兄との再会の旅だったのかもしれないとぼんやり思っています。恋もしていたけれど、

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卒業

ⅯMさんとKさんを遠くで祝福している。

 私は私の道を歩かなければならない。

 ようやく目覚めた私は、様々な行動に出てパートナーを探した。

 お見合い相談所から入会の電話が来たので、無料というので登録した。面接に行ったら、アルバイトの人に紹介する人はいないと言われた。入会手続きをしたが、クーリングオフですぐに退会した。

 コンパに誘われてもメル友とコンパしてもみんな弁当屋のアルバイ

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父の人生は病気との闘いだった。
 私はずっとそう思っていた。

 しかし、父の闘いはそれだけでは無かった。父は退職して2年足らずでこの世を去った。

 その時、人生のあっけなさのようなものを感じたが、次第に少しずつ見えてきた。

 父の闘いは仕事を辞めないで職場に行き続けることだった。

 私は自分が病気になって初めて、それがどれほど困難であるかを
思い知った。

 そんなことに気づ

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それから

なにか理由をつけてⅯMさんに会う為に長瀞に行った。
ⅯMさんはいたけれど、ついに話のできる時は来なかった。

 時間が過ぎようとも私の願いは叶わない。ようやくそのことを自分に言い聞かせることに比重を置くようになった。

 MⅯさんは結婚した。結婚パーティーには招待されなかった。

 スイス旅行から3年が過ぎた。私は26歳だった。

 父が病気で他界した。もともと60歳くらいまでしか生きら

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怪我

時々Eさんに電話をした。MⅯさんたちのことを教えてもらいたかった。10周年の時もそうだった。

 「あいつ、怪我して入院している。」

 私はすぐにお見舞いに行きたくなった。きちんと話して説明しようと思った。まるでチャンスのように思えた。

 病院を聞き出し、友達と一緒に見舞いに行った。ソファーに座ったⅯMさんはそれは気さくな態度で接してくれた。

 本当はその時すぐに分かった。リラックス

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弁当屋

「ここ、続けられるかも。」
 そう感じたのは、一緒に働いている人たちの人柄だった。

 私のテンポは遅かったけど、みんな親切だったので、なんとか乗り越えられると思った。

 店内は常にBGMが流れていた。私には刺激が強かった。今まで封じ込められていたⅯさんのことが急に思い出され、自分のしたとりかえしのつかないことと、彼に嫌われてしまったことに改めて感じると、胸をえぐられる苦しみに襲われた。

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苦しみ

1年間の休職が終わり、4月から幼稚園に復帰した。
 この日をずっと待ち望んでいたが、現実は厳しかった。

 動きも頭の働きも鈍くなっているうえに、慣れない仕事で自分から仕事を見つけて動かなければいけないポジションだった。
 朝の朝礼が終わると、机にうつむいて座り、辛さに耐えているような状態だった。

 気遣いが必要な現場で、全くそれが利かなかった。

 気が紛れるどころか益々苦しみが増え

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異変

ⅯMさんと私の間にできた子はキリストである。
 私はマリア様の生まれ変わり。
 マリーアントワネット、マリリンモンローの生まれ変わり。
交わらずして子を授かる。私まだ処女だった。

 恐怖そのものの妄想だった。
 
 一番大きかったのは死への恐怖だった。
 「迎えにくるよ。」というメッセージが届いていたり、
 町中に私へのメッセージが字や写真で貼り付けられていたり、
私がひまわりの花束を持つと、駅

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告白

ⅯMさんに電話をかけた。
 私の思いを綴った文を読み上げた。
 全て読み終わってからⅯさんの気持を再度尋ねた。

 「君の相手は俺じゃないよ。最初は上手く行くかもしれないけれど、すぐに喧嘩してしまって別れてしまうと思うよ。」

 彼に迷いは無かった。

 この時素直に汲み取ったなら、

 長い間、そのことが悔みだった。

 私は自分の気持ちを抑えきれなかった。

 彼とは結婚する。彼

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スイス旅行、帰国

吉祥寺で途中下車してマックに入った。

 Kさんはハンバーガーと飲み物、私はポテト、MⅯさんはコーヒーを頼んだ。

 3人とも静かだった。

 吉祥寺でKさんと別れMⅯさんと私は途中まで一緒に帰った。改札口でKさんが私達を呼び止めツーショットをカメラに収めた。

 Mさんと握手をして別れた。Mさんに触れたのはこれが最後だった。

スイス旅行、エンゲルベルク

次の日の朝、食堂で、Kさんの顔が今までよりも輝いて見えた。
 「Kさん、きれいですね~。」
 しげしげと見つめながら、思わずKさんにつぶやいた。
 Kさんは「そう。」とあまり取り合う風もなかったけど、
ⅯMさんとの仲で確信したものがあったのかもしれない。

 MⅯさんも静かだった。

 自転車を戻しに行く前、MⅯさんが「貸して」といい、自転車にまたがって、坂道を駆け下りた。

 それ

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スイス旅行、エンゲルベルク

3人はハイキングにでかけた。

 「Aちゃんはどうして参加しなかったのでしょうか。」
 「CさんとEさんはどうして帰ってしまったのですか。」

 矢継ぎ早にKさんに投げかけた。

 「AちゃんにもCさんたちにも都合があるからでしょう?」

 「私はkさんとMさんのキューピットですか?」

 「それは分からないわ。」

 MⅯさんが私達二人を呼び止め、カメラに収めた。

 建国記念日

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スイス旅行、エンゲルベルク

エンゲルベルクは私とⅯMさんのための町だと思った。MⅯさんはKさんから私についてはいろいろ聞いていて、Kさんは私とMⅯさんのキューピット。そんな願いがあった。

 ユースホステルで一緒の部屋がいいと言ったのはKさんだった。私は上のベットを陣取り、MⅯさんとKさんは下のベットで縦に並んでいた。

 「計算高いヤツだ。」

 ⅯMさんがいらだたしげに言い放った。私はびっくりした。どんな態度がそう

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スイス旅行、エンゲルベルク

私達はCさんとEさんに別れを告げ、レンタカーを降りて列車でエンゲルベルクに向った。

 エンゲルベルクは小さな町だ。教会がたくさんあり、中世の香り漂う町だ。

 その時私に届いていたメッセージは緑とひまわりと教会だった。
私はキリスト教信者ではないし、教会に縁もなかったのに、十字架に惹かれるのが不思議だった。

 緑の意味も、ひまわりの意味も知りたかった。

 私の恋が花咲きますように、

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