スイス旅行、エンゲルベルク

3人はハイキングにでかけた。

 「Aちゃんはどうして参加しなかったのでしょうか。」
 「CさんとEさんはどうして帰ってしまったのですか。」

 矢継ぎ早にKさんに投げかけた。

 「AちゃんにもCさんたちにも都合があるからでしょう?」

 「私はkさんとMさんのキューピットですか?」

 「それは分からないわ。」

 MⅯさんが私達二人を呼び止め、カメラに収めた。

 建国記念日だった。日が暮れたので下山して屋台で飲み物とソーセージを食べた。Kさんの指輪を外させてMⅯさんの指に入れようとした。
MⅯさんは首を振ったけど、指に通した。指輪はすっぽりとはまった。

 「わー指輪はまりましたね^^」

 ⅯMさんもKさんも下を向いていた。

 夜になるにつれ小さな町は人々で溢れ活気付いてきた。

 私と二人ははぐれてしまった。

 無線を入れたり、歩き回ったり最初は探していたけれど、とうとう探すのをあきらめ、楽しむことにした。

 提灯が配られていたので、それをもらい、行列をつくって練り歩いている人々を見ていた。

 夜遅くなったので、ユースホステルに戻り、二人が帰るのを待っていた。少したって二人が戻ってきた。

 「部屋に戻ってくれていてよかった。」
 「飲みなおそうか」

 3人は再び町へ繰り出した。

 屋台の席に座り、私は上機嫌で話していた。

 「そのことなんだけど、」Kさんが口火をきった。
 「もう私はその話は聞きたく無いの。」
 ⅯMさんが後を続けた。
 「これからは俺に言って。俺が、その内容は違うとかいいとか
伝えるから。」

 頭が真っ白になった。私のことを頭ごなしに否定された気がした。それに、MⅯさんに伝えることはできなかった。恋愛と私の話しは別だった。怒りと悔しさで涙がでた。

 「私の言ってることが全てうそだと言うのですか。
私が考えてきた5年間を二日で理解してもらおうなんて
無理な話だったんですね。」

 悔し涙を流しながら、屋台を飛び出した。
 祭りは最高潮に達していた。
 ずんずん部屋に向って歩いていると、澄んだ空にたくさんの星が
輝いていた。

 「なにをそんなに怒っているの。」

 星たちにやさしく話しかけられている気がした。

 「私のためを思って言ってくれているのに、なにも怒り出すことなんてなかった。」

 私は呼吸を整えて、屋台に戻った。

 彼らはまったく身じろぎもせず席に座っていた。

 「さきほどは取り乱して申し訳ございませんでした。」
苦笑いしながら席についた。

 「いえいえ、こちらこそ、言い過ぎました。」

 「私パラグライダー続けてもいいですか。」
 「もちろんもちろん。」

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