#ぼくたちはなにで出来ているのか
#288_鐘の音の消失点のように、お香のかおりの消失点のように、急いでも早くならないもの、消えないように工夫することが出来ないもの、そもそも消失するのを喜んだり悲しんだりしないものとして、あなたが自分と名付けているものに向き合います
「鐘の音を最後まで聴いていると消失します」
「お香のかおりを最後まで聞いていると消失します」
「鐘の音の消失点のように、お香のかおりの消失点のように、急いでも早くならないもの、消えないように工夫することが出来ないもの、そもそも消失するのを喜んだり悲しんだりしないものとして、あなたが自分と名付けているものに向き合います」
#283_こころが波立たないように、揺さぶられないように、じっと動かずに静かに長い時間を過ごして、安心したまま、自分がなくなること
「いまを生きるとか、無になるって、よくわかんないんですけど、どうしたらいいですか?」
「周りにだれもいなくて、自分のことを認識してくれる人がゼロの日が続くと、自分がだれだかわからなくなるでしょ?」
「たぶん」
「それって、ふつうにさびしくてツラいことに思えるんだけど、それがさびしくてツラい理由は、そのままにしておくと自分がなくなっちゃうかもっていう不安があるからだと思わない?」
「はあ」
「だとす
#281_過去も未来も場所も自我もその意味を捨てて、限りなくいまを生きているだけの状態。
ひとつひとつのポーズのあとに、自分で自分を癒す時間が訪れます。
身体に残るポーズの痕跡がゆっくり消えていくのを、心地よくあじわう時間。
身体や意識になにかを起こしているのではなく、ただそこに起きている出来ごとを、ただ心地よく受け入れることの出来る、心と体の関係。
過去も未来も場所も自我もその意味を捨てて、限りなく今を生きているだけの状態。自分がそうであることを、呼吸がただ示している状態。
#279_肉屋さんに並んだ食肉を見て、それが自分を切って並べたのと同じものという事実に、わたしたちは拒絶反応を覚えます。
わたしたちの世界は言葉で出来ていて、わたしたちの自我も言葉で出来ています。
言葉は意味を持っていて、意味はわたしたちにとって世界がどうあって欲しいか、どうあると安心出来るか、どうあると生きていけるかのような欲求をそのまま反映します。
わたしがわたしであり続けるために、わたしを隙間なく囲んで、自我があたかも存在するかのように感じさせてくれる意味を手離すことは、自分が存在するという概念を手離すこと
#277_外から見える自分に起こっていることではなく、外からは見えない自分の中で起こることのためだけに行じることを始めた瞬間、ヨガに。
「たとえば、仰向けに寝て、膝を立てて、両膝を同じ方向に倒すというポーズがあります」
「膝にチカラを入れて深く倒すことも出来るし、チカラを入れずに自然に止まるところに止めておくことも出来ます」
「ヨガでは後者の選択をします」
「いつか見たことのあるヨガの写真では、とても身体の柔らかいモデルさんが、だれにも負けないくらい曲げている写真を見たことがあるかもしれません」
「でもそれをお手本に練習す
#276_透明に澄んだ状態で自分自身に「こうあるべき」「こうあってほしい」「こう見られたい」のようなバイアスを含んだ意味づけをすることを手離して、ありのままを受け入れます。
人間はゆっくり変わります。
前に意識したときにどうだったか、覚えていないくらいゆっくり変化します。
関節や筋肉や内臓やこころは、ゆっくり時間をかけて壊れたり、ゆっくり時間をかけて良くなったりします。
変化はあまりにゆっくり過ぎて、人間はそれに気づかなかったり、気づいていても対処を後回しにします。
後回しになった関節や筋肉や内臓やこころは「うさぎとかめ」の寓話のように、知らぬ間に後戻り出来ない
#273_平らな場所に座って、どんなノイズがあるのかに気づき、気づいたら微分していきます。
なにが必要でなにが必要ないかを見極めるために、それを見渡す視点を得るために、ヨガでは、背伸びをすることよりも、ノイズが消えるまでじっと静かにしていることを選びます。
平らな場所に座って、どんなノイズがあるのかに気づき、気づいたら微分していきます。
耳から聴こえてくるノイズは、遠くから順に、
・とおくの、空や海や空気のノイズ
・いまいる建物のなかのノイズ
・いまいる部屋のなかのノイズ
・自分のな
#272_「わたしたちの体内にはたくさんの微生物が住んでいて、わたしたちと共生しています」 「いやだなあ」
『わたしたちの体内にはたくさんの微生物が住んでいて、わたしたちと共生しています』
いい微生物もいるし、わるい微生物もいるし、微生物にとってわたしたちがいい宿主であることもあるしわるい宿主であることもあります。
「いやだなあ」
微生物の「いい」「わるい」を測るモノサシは無限に種類があるモノサシのなかから、ひとつだけを選んだものです。
ほかのモノサシではなくてそのモノサシを選んだ理由、ほかを選