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#272_「わたしたちの体内にはたくさんの微生物が住んでいて、わたしたちと共生しています」 「いやだなあ」
『わたしたちの体内にはたくさんの微生物が住んでいて、わたしたちと共生しています』
いい微生物もいるし、わるい微生物もいるし、微生物にとってわたしたちがいい宿主であることもあるしわるい宿主であることもあります。
「いやだなあ」
微生物の「いい」「わるい」を測るモノサシは無限に種類があるモノサシのなかから、ひとつだけを選んだものです。
ほかのモノサシではなくてそのモノサシを選んだ理由、ほかを選びたくなかった理由、選べなかった理由は「いや」だからかもしれません。
わたしたちが、現実にそこに起こっている出来ごとにちょっと強引な意味づけをしてでも、どうしても守らなければいけないものはなにかを考えます。
わたしたちがふだん喋ったり聴いたりものごとを考えたりしているコトバは、わたしたちが無限にあるなかから、ひとつだけ選んだ世界の秩序で出来ています。
ほかの秩序ではなくその秩序を選んだ理由、ほかを選びたくなかった理由、選べなかった理由が、なにで出来ているかを考えます。
非自我が自我のなかに存在することに対する嫌悪感、内部と外部の境界線があいまいになることで手離せないでいるものを失うことへの嫌悪感を認識することで、そこから自由な状態へと無理なく踏み出します。