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世界で8兆円越え!モバイルゲーム市場の事例から読み解き、市場に向き合う視点を持つ〜マネプロ#11

こんにちは! DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。

マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第11回目です。

このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。

さて、今回のマネプロから3C分析のCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を順にテーマとして扱います。

戦略に影響する視点の探求。
今回のテーマは「市場に向き合う」です。

目次はこちら!

<「市場」という波に乗る>

とある経営者の方と話をしていた時のこと。市場について話題になった時、こんな比喩で市場を見極めることの大切さを語ってくれました。

プロのサーファーでも
そこに波がこなければ波には乗れない。
プロの経営者だって同じだよ。

企業の未来は事業が展開する市場の波(市場の規模や成長性など)に大きな影響を受けます。

成長市場で事業を展開していれば、目を見張るほどの成長を遂げることも可能ですし、波にのまれさえしなければ安定して成長を続けられる環境にあるとも言えます。

逆に、縮小する市場は収益性の低下によって市場の波に乗れない状態を招きやすいものです。


私自身は3回の転職のなかで、
3つの波を経験してきた感覚があります。

1つめの波:グルーポン
フラッシュマーケティング / 共同購入型クーポンの市場という新しい波をつくれるか(未知のサービスで顧客を開拓する市場)
2つめの波:デジタルガレージ
デジタルマーケティング市場という勢いのある波にのれるか(毎年二桁の成長率をもつネット広告の市場)
3つめの波:DeNA
モバイルゲーム市場という大きい波にのれるか(エンターテインメントの中でも巨大な市場)

どれもエキサイティングな仕事で
波乗りを楽しんでいる感覚なんですよね。

あなたは、どんな市場の波を楽しんでますか?

<「市場」に向き合う視点 >

さて、
話題を市場に向き合う視点へと進めます。

マクロ市場分析はPEST分析、ミクロ市場分析は5フォース分析などの考え方があります。

これらの理論に触れて伝えていこうかと思いましたが、今回はやめました。

そうだ!

3Cのなかで唯一、市場についてなら今関わっているビジネスのことをリアルに書けるじゃないか!と思ったからです。

どうしても顧客や競合、自社のリアルすぎる話は書けませんからね。

そんなわけで、今回は具体的な事例としてエンターテインメント産業、そしてモバイルゲーム市場の波をどのような視点から捉えているか、こちらの4つの視点でお伝えしていきたいと思います。


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ー 日本のエンタメ市場について ー

市場に大きな影響を与えている緊急事態宣言が起きる前、2019年の日本のエンタメ市場の規模を覗いてみましょう。

モバイルゲーム  1兆2962億円
   コミック            4980億円
 家庭用ゲーム        4368億円
       映画              2612億円

エンタメ産業の市場規模を比較して見たらお分かりのように、モバイルゲーム市場が圧倒的に大きいのがわかりますよね。

まさにビッグウェーブ!!!

モバイルゲームは日本のエンタメの中でも魅力的な市場であり、ユーザーからの多くの期待が溢れている市場であることを物語っています。

それにしても1兆円を超えているなんて...
とてつもない額ですよね。

ー 世界のアプリ市場について ー

市場を見る視点を日本から世界に広げます。

世界のモバイルアプリ市場は、2020年のアプリ関連総売上高が前年比30.2%増の1110億ドル(約11兆4463億円)で最高記録を更新しました。

前年比30%増はすごいですよね!元々勢いのある成長市場ですが、外出しにくい世の中になり市場規模が拡大したとの見方が多いようです。

そして、この世界のモバイルアプリ市場の7割以上を占めるのが実はゲーム分野。全世界の市場規模はなんと8.2兆円!その中で中国・米国についで日本は3番手の市場となっています。

市場の内訳を見てみると、日本のモバイルゲーム市場では約2割を中国のゲームタイトルが占めており、海外プレイヤーの市場参入が目立ちます。一方で、日本のゲームタイトルは中国・米国の市場で10%も取れていない。韓国でギリギリ10%いくかどうかの状況です。

日本からグローバルへゲームをヒットさせる壁は高い…ということ。ですが、「高ければ高い壁の方が登った時に気持ちいいもんな」って言葉もあります。(母校が同じミスチルの歌詞をパクりました、先輩すみませんmm)

日本のモバイルゲーム市場は成熟していると言われていますが、世界を見渡せばまだまだ市場に限界がきてるなんて思っちゃイカンですね。

ー 日本のゲーム市場の変化 ー

続いては、
日本のゲーム市場の歴史に注目していきます。

私がまだ小学生だった25年くらい前、日本のゲーム市場はコンソールが主流でした。コンソールとは、おそらく皆さんご存知、ハードの家庭用機器と専用ソフトを合わせた家庭用ゲームのことです。ファミコン、プレステ、64とかね。みなさんも一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?

それが、2006年にはDeNAのmobageなどソーシャルゲームの登場によってオンラインゲームの市場が生まれ、2007年にIPhone発売されてからは徐々にスマホアプリゲームの市場も生み出されていきました。

生まれたばかりの市場はあっという間にすくすく育ち、2013年にはオンラインプラットフォーム市場が従来のコンソールゲーム市場を抜き去ります。

わずか7年の出来事だから驚きですよね。ちなみに、2013年は中国ゲーム市場が日本ゲーム市場を抜いた時期でもありました。

また、ゲームジャンルも広がりを見せ、位置情報系のゲーム、バトルロワイヤル系のゲームが流行りました。これからも顧客のニーズから様々なゲームジャンルが増えていくはずです。

ファミ通ゲーム白書2020で数字を見ると、2019年まで国内のゲーム市場全体は10年連続で拡大を続け、過去最高の1兆7330億円に。さらに2020年も市場は伸び続けていそうです。

ー モバイルゲーム市場のトップ3 ー

ファミ通モバイルゲーム白書2021によると、2020年の売上トップ3は、モンスト872億・FGO623億・パズドラ443億でした。

金額をみて驚きませんか?

私は
「みんなめっちゃゲームしてるやん!!!」
って思いました(急に関西弁)。

同じエンタメでいえば、「鬼滅の刃」の映画が日本の興行収入で歴代ランキング1位になりましたが、その数字を凌ぐものです(公開220日間で400億円を超えましたね、おめでとう煉獄さん!)。

しかも、ここに記載した売上トップ3の数字は1年間だけのもの。モンストもFGOもパズドラも、2020年よりもっと前からリリースしたゲーム達です。どれだけユーザーや社会に大きな影響を持つエンタメかが垣間見えますよね。


<トレンドの波を先読みする>

これまでモバイルゲーム市場を例にして
具体的な市場の話をしてきました。

市場と向き合う上で大事なのは
過去-現在-未来をつなげて考えること
です。

優秀なジャーナリストの方は
「過去を見て、明日を読み、今を語る」
そうです。その考え方に近いですね。

モバイルゲームの市場においては、ユーザーの品質への期待の高まりによって、ゲーム開発の高度化・大規模化が進み、タイトルを世の中に出すためのリードタイムが長くなっています。

知らない方には驚きかもしれませんが、100名以上のチームで2年以上かけて一つのゲームを作ることもよくあるんですよ。

そのため、Webサービスのようにクイックにサービスを世の中に出せて反応をみながらサービス改善を図れる事業とは似て非なるものです。

だからこそ、過去の歴史でも触れた、次なるデバイス・プラットフォーム・ユーザーニーズ・ゲームジャンルなどの視点から市場の変化を読んで、先々の市場のトレンドの波に乗れるように、戦略的に今何に注力すべきかを考える動きがモバイルゲーム業界では求められています。

ヒットしたゲームの裏側には未来を見通して面白さを創造した人達がいる。
そう考えるとゲームは遊ぶだけでなく作る方も面白い。それがゲーム業界です。

<「市場」は経済性と社会性を問う>

今回のテーマの最後に
“市場とは何か”、“市場から見ていい会社とは”
について俯瞰して考えてみます。
(ぜひ一緒に考えてみてください)

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市場とは、顧客の売上の総量で成り立ちます
。〇〇の市場規模はいくら、と記事になりますし数字で可視化されるため分かりやすいですよね。これが市場における経済性の側面です。

また、売上は顧客がお金を払っても価値を得たいと思えたものと考えられます。つまり、市場は顧客が期待した価値の総和とも言えます。

しかし、購入したものが期待した価値を満たしたかどうかは別の話。

時には顧客が「損した」「騙された」と感じる場合だってあるわけです。そんな体験をしてしまった顧客からは継続的な売上や期待は見込めません。

こうしたところから、事業そのものが社会に受け入れられているかどうか、市場における社会性を事業は問われていることがわかります。

では、経済性・社会性の両観点から見て、市場を担う一つ一つの企業はどうあるべきなのでしょうか?

一言で言うなら、近江商人の「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方よしを追求すること、ではないでしょうか。

いい会社は、企業理念の実現に迷いなく邁進して社会に貢献して社会からも愛されている。そうなれば売上や利益も出しやすく市場も育つ。

あくまで私の持論ですが、三方よしを実現しながら売上・利益・市場を伸ばしている会社は”いい会社”だと思うのです。

みなさんはどう感じますか?

<今回のQuestions>

以上が11回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?

ということでマネプロ恒例、最後の問いです。

今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!

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※「自分はこう考える」「自分ならこれを問いかける」という考えはぜひTwitterにて「#マネプロ」を付けてつぶやいていただけたら嬉しいです!

<次回にむけて>

外部環境によって市場は常に変化しています。

マクロ分析にあるPEST分析でいったら、度重なる緊急事態宣言によって多くの企業が影響を受け、事業経営の見直しを余儀なくされているのは言うまでもありません。

そして、市場は顧客ニーズの変化によって求められるものが変わります。

次回は、顧客の視点から外部環境の変化を探求してみたいと思います。

2週間後の水曜日またお会いしましょう。

良かったらぜひnoteのスキやフォローをお願いします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

読者のみなさんと共にマネジメントの進化を探求できれば何よりです。Twitterのフォロリツ大歓迎です!DMでの感想も是非!(@tsubot0905)

noteで取り上げた内容について、みなさんの持論や新たな問いかけの視点をもらうことでマネジメントの探求がもっと楽しくなるはず。ですので、みなさんからのリアクションを心待ちにしております。よろしくお願いします!

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