『ねぇ、死ぬまで考えて。』
みなさんは、めちゃくちゃ辛くて儚い『夢』を見たことはありますか?
そんな時って、事細かく覚えていませんか?
先日の夜、見た夢を私はここに書き綴りたいと思います。
どうかお付き合いください。
『ねぇ、死ぬまで考えて。』
しーんと、静まった夜。生温かい吐息が耳にかかった。
わたしの隣には、泣き崩れた小さな子供が私を抱きしめながらその言葉を放った。
紅葉の綺麗な山に囲まれた路線に1両電車が走っている。
どうやら、私はそこに今は乗っているようだ。
外は大雨が降っていて車内はジメジメしている。
乗客は、半袖短パンの私、隣には小さな子供、向かいのには仲の良さげな老夫婦が楽しげな会話をしている。その近くにベビーカーがあり、大声で笑っている赤ちゃんを見てた夫婦が笑っていた。その隣では、喧嘩をしている兄弟もいた。
がたんごとん。がたんごとん。
どんどん時が過ぎ、賑やかだった車内には私と小さな子供しかいなかった。
私と小さな子供はなにも喋ることはなかったが、なぜか私はずっと小さな子供を気にしているようだった。
見るたびに、胸が締め付けられる。それが、どんどんきつくなっていき、ついには気絶してしまった。
がたんごとん。がたんごとん。
起きた頃には、まわりはすでに暗くなっていた。
終点だ。私が先に降りた。山の中にある駅な為、点滅している蛍光灯1本の電気しかない。それ以外は暗すぎてなにも見えない。
私は、薄暗い電気の下に座った。すると、後ろにいた小さな子供も隣に座る。とても不気味な感じがする。なぜなのかはわからない。
夜だから?暗いから?寒いから?小さな子供がいるから?
なにが原因か分からないから考える。
しーんとしている中、ひたすら考える。
全然分からない。
すると、下を向いていた小さな子供が私の顔を見ている。
私はなぜか恐くて見えない。だか、横目ですこし見てみると、どうやら私の目を見ている。
どうしよう。
これは、小さな子供の方に向いていいのか?
それとも逃げたほうがいいのか?
どうするべきなのかひたすら考えた。
いつの間にか、電気の光が暗くなっていた。
勇気を振り絞った私は見た、子供の方を。
暗くてよくわからないが、目を凝らしてみると、なぜか泣いている。
私の顔を見て泣いている。
どうしたのだろう。
またしても考える。どうしてだ。なぜ泣いているのだ。私はどうすればいいのか。
すると、電気が消え、暗闇の中でしくしくと泣いている声が聞こえる。
鼻水のすする音も聞こえる。
嗚咽までもが聞こえる。
暗闇のなか、私はずっと考えていた。
大丈夫なのか。どうしようと考えていたその時、どんどん音が近くなってきた。私の体は動かない。その泣き声が大きなってきて、ついには私の耳元で聞こえる。
すると、何故か私の目にはたくさんの涙が流れていた。涙が止まらない。どんどんと出てくる。
体の力が抜けてきた。上を見ると、綺麗な星がたくさん出ている。そこには、大きな月もある。
星のおかげでまわりはすこし明るくなっていた。
すると、小さな子供は私の耳元でこう言った。
『ねぇ、死ぬまで考えて。』
そこで、私はパッと起きた。
私の体は、全身汗まみれだった。
体を起こすと、体のあちこちがすこし痛い。
たぶん、寝ている間力を入れていたのだと思う。
すると、目から一粒の涙が流れた。
私は原因がわかっていた。
なぜこの夢を、見なければいけなかったのか。
どうして、小さな子供がずっと私を見ていたのか。
なぜ、子供も私も泣いていたのか。
それは、今日子供をおろしたからだ。
理由はおろさざるをえない状況だったからだ。
確かに、私のやっていることはクズである。
子供をおろすことは、絶対にしてはならないと思っていた。
絶対に、良くないことだと。
これから、私は一生この事について考えていかなければならない。
また、一生責任を負わなければならない。
ただ、これだけは絶対に言いたい。
『本当にごめんなさい』