神野オキナ

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    没にしたもの、書きかけのもの 物語系は全部はいってます 基本的にシリアス系です

最近の記事

「君たちはどう生きるか」感想と邪推と(※ネタバレあり)

世の中には、「その日に見なければ、おそらく生涯見ない。あるいは、見たとしても数年後になる」と言う映画がある。 まさに、この映画は公開初日に見なければ、おそらく私は生涯みることのない映画になったかもしれない。 webを眺めていると「本当に何の宣伝もしなくていいのか?」みたいな記事がちょろちょろ流れてきて「そうか、もう公開か。本当に宣伝しないのか、へー』程度には認識していた。 「とはいえ、観に行くほど宮崎駿信者じゃないしなあ……まあ、多分、どこかテレビで放送したときに見るか、甥っ

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    • 企画書「鉄の位牌に秘密をこめ(仮)」

      夢でみた映画の話から膨らませた物。  地元にホビーショップが次々と出来る。  店は新しいが商品以外、やる気が無い。というかかなり暴利で転売屋価格。  有名漫画家のの主人公は、「昔の地方はこんな物だったなあ」とほろ苦く思っていると、眼鏡を掛けて日焼けし、ワイシャツにジーンズ姿で明るく馴れ馴れしい店主の「オッサン」に話しかけられて仲良くなる。  ひょうきんで愛想のいい「オッサン」にどこか夏華染みを感じる。  が、オッサンは実はケチで、東南アジア系の愛人を持ち、外国人留学生をこき使

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      • 「スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム」ネタバレ感想。

        とりあえず、コロナが偉いコトになりつつある今だからこそ、見に行こうと思いました。 とりあえずマスク手袋、飲み食いは家を出て戻るまでナシ。シネコンだから人との接触はナシ、さらに朝一番、人の来ない字幕ということで観てきました「スパイダーマン・ノーウェイ・ホーム」 一言で言えば大満足。以下はネタバレありまくりの文章なんで観たくない人の為に課金対象としておきます。何しろこれ以上喋れば、全部ネタバレになっちゃうんですわ。 でも喋らずにはいられない。 さて、今回、どんな話か、といえ

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        • つぎはぎのように

           50代男性:現在会社員。  今からもう30年ぐらい前でしょうか。地元でしばらくぶらぶらした後、映画の仕事に就きたい、と決めて沖縄から出てきたばかりの私は、高円寺の外れに小さなアパートを後輩、先輩と三人で借りて住んでいました。  最寄りの小さな駅から30分ぐらい歩いた所でね、うっそうとしたお寺さんの林のそばに、ぽつぽつとアパートが建ってる以外、コンビニの明かりさえ遠くにしか見えないようなトコでした。  最初にやったことが、「ブラック・レイン」っていうリドリー・スコットの映画

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        • 神野オキナ・雑文集
          29本
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          14本

        記事

          「おじさん構文」はどこから来たのか

          2021年9月27日、ラーメン評論家を自称する人の文章が話題になり、顔文字やノリツッコミをしつつ自分の責任を「あれは冗談だよー」と図々しく回避しようとする文章が悪い方向で話題になり、それが典型的な「おじさん構文」というだけではなく、むしろ80年代のタウンやファッション誌で流行った文章である、その本流は椎名誠のエッセイの口調や橋本治の桃尻文体からじゃないか、という話題が出まして。 それを元につらつらと妄想した内容をTwitterに書いたんですが、ちょっと言葉が足りない部分もあ

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          「おじさん構文」はどこから来たのか

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          8年前の「風立ちぬ」感想。

          2013年8月8日「風立ちぬ」鑑賞。 徹頭徹尾、プロの手腕でノスタルジーとハイレベル作画で飾られた「クリエイターの都合」の物語。 否定的な気分で見に行った私でさえ「キライになれない」と結論づけてしまうぐらいよく出来ている。 そして、ここで描かれる「クリエイター」は男だから、女だからでは無い。 クリエイターをしている人間の奥底にある「これだけがんばったんだ、どんな結果が出たにせよ、何を生み出したにせよ、責任なんか追及せずに、許してやってはくれないか。永遠に続けさせてはくれないか

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          8年前の「風立ちぬ」感想。

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          小説「今夜も神は動かない」

           気配を消していた私は、そのまま薄暗い廊下を通り過ぎようとした相手の死角になる、コンクリートの柱の陰から立ち上がった。  するりと歩み寄りながら、意味のない言葉を口にする。 「今夜も神は動かない」  振り向いた彼が私の存在に気付いて声をあげる前に、銃口をその顎の下に当て、絶妙の角度のまま、引き金を絞った。  短い、溜息のような音。  スタームルガーの小型拳銃LCPに、厚い板型のサプレッサー(減音器)を取り付け、さらに発射時の消音性を高めるため、本来存在しない、スライドロックの

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          小説「今夜も神は動かない」

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          (※ネタバレ有り)シン・エヴァンゲリオン劇場版感想。

           見終わって一番に思ったのは自分の変化でした。  前回の劇場版を見終わったときは「ファンから作品を引き剥がす、憑き物落としの映画だなあ」と理解しつつ、「いつかは自分も!」という気負いが何処かにあったんですが、今回は「ああ、庵野監督とカラーの人たちは高い所を飛んでるなぁ」と素直に羨ましいというか、輝いているモノを見ている気分になりました。  コロナで劇場に足を運ばなくなってまる一年以上、というのもあったのかもしれません。  しかし映画泥棒のCM、ホントにパルクールになってました

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          (※ネタバレ有り)シン・エヴァンゲリオン劇場版感想。

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          人生ラジオゾンデ原稿シート

          商業作家は普通、本が出ると作者込みに宣伝して貰えますが、今のご時世、自分で発信することも大事です。 というわけで、今の所一番楽だから、ということでツイキャスを使って配信なんてものをやっております。 タイトルは「神野オキナの人生ラジオゾンデ」。 第1回はこちらから→ https://twitcasting.tv/okina001/movie/641477291 最初の一回は勢いで喋れます。二回目はオモチャを使って何とか。 三回目からは台本を作ってコーナー進行の真似事をしてみまし

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          人生ラジオゾンデ原稿シート

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          雑事2020年10月28日

          最近、とある漫画家さんの「自分の描きたいものか、読者か」という話があって、私なりに要約すると「最初の読者は自分でアリ、自分を楽しませないものが、読者のことを考えて作られたとしても果たして読者に出せるものなのか」という葛藤というか、物作りには永遠について回る「卵と鶏パラドクス」なわけですが。 この手の話をする度に思い出すのは今から三十年近く前、西暦2000年、沖縄でコミケットスペシャルが行われたとき、たまたま沖縄県内をご案内することになった、官能小説家の睦月影郎先生が、ぽろりと

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          雑事2020年10月28日

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          モデルガンの思い出(2)

          これから母の治療費の精算も含め、家が傾くことを知っていた父は、私を東京に当時にしてはかなり贅沢な小旅行させてくれましたが、そこでモデルガンを買うという気分にはなれず(ローマンでの失敗が尾を引いていたのかもしれません)、また預けられた先は敬虔なキリスト教との叔母と、某社の重役の奥さんという「上品」なところだったのでプラモデルを買うのがせいぜいでした。 そして、その次に性懲りもなく手にしたのは東京マルイ、「つくるモデルガン」シリーズのルガー・ブラックホークでした(この銃はその後

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          モデルガンの思い出(2)

          モデルガンの思い出(1)

          今からざっと四十年以上昔から、銃器類が好きでした。 昭和30年代から40年代にかけて、空前のガンブームというものがありまして、その残光がまだあった頃です。 それも拳銃。ライフルやアサルトライフルは「戦争に使うもの」という罪悪感がどこかにあったのと、やはり軍服来た人たちが持ってるもの(今みたいに警官がアサルトライフルを持つことは想像も出来ない時代でしたから)、というイメージがあり「ヒーロー」の武器だとは認知していなかったんだと思います。 だから拳銃のオモチャがほしかったんです。

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          モデルガンの思い出(1)

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          不発弾とは爆弾ばかりではないのです

           不発弾というのは「使用されたものの作動せずに土の中に埋まってるもの」ですが、戦後の沖縄にはそれ以上に「日米双方が置き忘れていった武器弾薬」というものがありまして。  これも一種の不発弾、という扱いになります。  で、沖縄本島では私らの叔父の世代(丁度団塊の世代)の子供時代、本島のあちこち、および離島では私の世代の小学校低学年時代までは結構な数が転がっておりました。  といっても道ばたじゃありません。  壕と呼ばれる簡易トーチカの中か、古くからある亀甲墓の中、あるいは鍾乳洞の

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          不発弾とは爆弾ばかりではないのです

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          スパイダーマンファーフロムホーム感想ネタバレ有り

          いろんな意味で確かに神を失ったエンドゲーム以後の世界のエピローグ。 これを青春まっただ中のスパイディて作るというのは上手い。他のオトナの面子だとどうしてもしんみり度数が上がりすぎてしまうので。 スパイダーマンが何故10代設定で始まったのか、コミック版と違ってトニー・スタークと師弟関係だったのかということが全部意味を持ってくる「MCUユニバースの」スパイダーマン2作目。

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          スパイダーマンファーフロムホーム感想ネタバレ有り

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          ゴジラ キング・オブ・モンスターネタバレ感想。あるいは「玉座とネズミと王」

          「我々は偉大ではなかった。それどころか、王が不在の時に玉座でいたずらをしていた、道化の格好をしたちっぽけなネズミだったのだ」 告白すると、今現在人生で初めてのそして恐らく最大の下り坂に差し掛かってしまっている。 そんな中で見たゴジラキングオブモンスターズは、とても重く脂っこく腹の中に溜まる大作映画であった。 前作が、災害の物語であるのだとしたら、これは転落の物語である。 もっと単純化、いや格好をつけていえば、この映画は人類という神々の黄昏の物語である。 これまで、自分

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          ゴジラ キング・オブ・モンスターネタバレ感想。あるいは「玉座とネズミと王」

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          掘っ立て小屋とドラゴンクエスト

          (※この文章はホームページにあるものを改訂修正したモノです) ドラゴンクエストは凄い作品です。 日本国内において、ファンタジー作品に与えた影響で言えば、指輪物語を凌ぐでしょう。なにしろ、ロードス島戦記よりも、スレイヤーズより早かったんですから。 何しろ86年当時、堀井雄二といえば「オホーツク殺人事件」の人、もしくは月刊OUTの「ゆう坊のでたとこまかせ!」の人だったんです。 長い髪の毛をなびかせ、眼鏡を煌めかせた、いかにも育ちが良くて頭の切れる、でも楽しいお兄さん……というのが

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          掘っ立て小屋とドラゴンクエスト

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