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ゴジラ キング・オブ・モンスターネタバレ感想。あるいは「玉座とネズミと王」


「我々は偉大ではなかった。それどころか、王が不在の時に玉座でいたずらをしていた、道化の格好をしたちっぽけなネズミだったのだ」


告白すると、今現在人生で初めてのそして恐らく最大の下り坂に差し掛かってしまっている。
そんな中で見たゴジラキングオブモンスターズは、とても重く脂っこく腹の中に溜まる大作映画であった。

前作が、災害の物語であるのだとしたら、これは転落の物語である。

もっと単純化、いや格好をつけていえば、この映画は人類という神々の黄昏の物語である。

これまで、自分たちが神だと思い込んでいた道化が、王の現れた玉座の間から、こそこそと退場していく話であり、神々が復活しその玉座に再び座り直す話である。

これほどまでに人類と言う種族が、単に無力である、ではなく、存在そのものの転落を描いた作品と言うのは、おそらく初めてではなかろうか

なんでそう感じたのか。

この映画において、人類は無力であり、個人の判断から戦術、戦略、オキシジェンデストロイヤーを積んだミサイルの狙いから、最後の最後、エコテロリストに、この騒動で漁ができない貧しさからギドラの頭を売り渡す猟師たちの行動にいたるまで、常に間違いを犯して(あるいはベストの選択が出来る状況に持ち込めず)、結局何もできぬまま傍観者となりはて、怪獣たちは人類などとはほぼ一切無縁のまま動き、戦い、勝敗を決するだけで、この2つは見事なほどに交わっていない。

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