【推薦図書】人文科学のオススメ本、にわか仕込み編
人文科学も、文学なみに
もっと読まれていい。
関心を持たれていい。
そんな話を昨日書きました。
今、そんな人文科学で、
オススメな本は何があるか
探してみようと思います。
一番真っ先に思い浮かんだのは、
『現代思想入門』。
著者は哲学者、千葉雅也。
とても読みやすいオススメ本でした。
千葉さんは、
芥川賞にも何度かノミネートされる
小説家でもあるから、
ご存知の方も多いでしょう。
哲学では、
スピノザの研究を中心に、
(『はじめてのスピノザ』など)
今、いちばん人気の哲学者の一人が
國分功一郎さんですね。
『暇と退屈の倫理学』新潮文庫は
特に読まれてる本だそうですが、
新潮文庫のオビには
オードリー若林正恭が
「國分先生、まさか哲学書で涙する
とは思いませんでした…」と
ユーモラスなコメントを
寄せています。
若林は、エッセイも上手いけど、
こんな本も読んでるんですね。
それから。
人文科学を攻めたい時に、
貴重な羅針盤になってくれるのが
若松英輔さんでしょう。
哲学者・井筒俊彦の
業績と生涯を描く『叡知の哲学』を
はじめ、他にも、
哲学者・池田晶子さんを描いたり
(『不滅の哲学』)
精神科医・神谷美恵子を描いたり
(『生きがいと出会うために』)
文芸評論家・小林秀雄を描いたり
(『美しい花』)
様々な巨人の業績と生涯を
道案内してくれます。
社会学では、
岸政彦さんも知られていますね。
岸さんは、千葉雅也さんと似て、
小説で何度か芥川賞に
ノミネートされていますが、
専門の社会学の本でも、
馥郁たる人間観察が光ります。
『断片的なものの社会学』は
魂に響く名著でした。
社会学では、岸政彦さんと同様、
地域密着型の研究者
上間陽子の
『裸足で逃げる
沖縄の夜の街の少女たち』は
長らく読まれていますね。
この上間さんも、読んでいると
文学性を漂わせています。
さて、ガラリとかわって、
現代思想の大御所・柄谷行人に
アクセスするなら、何かしら?
『世界史の構造』や
『哲学の起源』などが
どちらも岩波現代文庫にあるから
入りやすいでしょう。
とはいえ、難解さは健在なので、
柄谷行人を読むには覚悟が必要です。
それから、
また人文科学に欠かせないのが
河合隼雄の日本人論
『中空構造日本の深層』です。
河合隼雄さんにしては珍しい
心理学とはまた違う切り口の
日本人論ですが、大胆な提唱です。
最後に。
人文科学の基礎ともいうべき
丸山眞男の著書で
いちばん入りやすいのは何か
聞いたら、ベテラン編集者は
『日本の思想』岩波新書がいいよ
と教えてくれました。
教科書などでよく紹介される
『「である」ことと「する」こと』
が収録されていて、
ご存知の方も多いでしょう。
「ああ、高校で読んでたんだあ」と
ちょっとしみじみ
青春の匂いに包まれました。