読書、時々、愛とカレー

毎日本屋さんに行きます。出版社勤務。元漫画編集。読書、作家、本屋、出版界の話を書きます。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、大江健三郎、開高健、須賀敦子、三島由紀夫、サリンジャー、カポーティ。

読書、時々、愛とカレー

毎日本屋さんに行きます。出版社勤務。元漫画編集。読書、作家、本屋、出版界の話を書きます。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、大江健三郎、開高健、須賀敦子、三島由紀夫、サリンジャー、カポーティ。

マガジン

  • 本の命、本の謎、本の運命?

    本にまつわる謎、本の運命、本好きの宿命、本好きの責任などなど。

  • 読むことは受け身ではない!

    「読む」という行為は、受け身な行為ではない。非常にクリエイティブです!というお話を書いていきます。

  • 私はこんな人たちが好き!

    大好きな作家や作品、また好きなフレーズなどをまてめています。

  • 書くことは人生のスパイスです

    書くとはいったい何か?また、noteを書きながら自分が気づいた細やかなことをまとめました。

  • 本屋さんの話をしよう

    本屋さんや本屋大賞の話、書店業界の話について話をしよう。

最近の記事

谷川俊太郎は詩歌の人。佐野洋子は散文の人。

今日もまた谷川俊太郎さんの 話を書いてみます。 さすがに国民的な詩人の訃報は 凄いですね。  noteも谷川俊太郎さんの記事が いっぱいになりましたね。 さて。 谷川俊太郎は、 『100万回生きたねこ』を 描いた佐野洋子さんと 結婚していました。 谷川俊太郎さんには、 3人めの夫人でした。 佐野さんは、 あのシニカルな毒舌が痛快な エッセイが見事でしたね。 一方で、谷川俊太郎さんは 哲学とロマンチックさを結合した詩が  見事だったのは皆さんも ご存知のとおりです。

    • 【ミニスカート】谷川俊太郎がトラウマになった日の思い出

      詩人、谷川俊太郎さんが亡くなった。 私の中で、 谷川さんの詩に  救われた体験はないのですが、 痛い?痛すぎる体験がひとつあります。 ちょうど国語の教科書で、 谷川俊太郎さんの詩が出てきました。 タイトルは『生きる』。 たしか、小学4年?6年の頃かしら。 その『生きる』という詩では、 「いま生きているということ。 それはミニスカート。」 という言葉が出てくるんです。 授業では先生がそこを読んでいきます。 すると前の席にいた私の背中に、 後ろからクラスメイトが 消しゴム

      • 【書く悩み】信頼できるノンフィクション作家・高橋秀実

        今日は朝から、スマホには 詩人谷川俊太郎さんの死去の ニュースが入ってくる。 いつかは谷川さんのことも 書いてみたいけど、 一週間前に亡くなった ノンフィクション作家 高橋秀実さんについて 今日は書いておきたいんです。    高橋秀実さん。 書く対象について いつも真摯過ぎるところが 魅力的なノンフィクション作家。 大抵は、ノンフィクション作家って 自分の得意分野というか、 専門分野を持つものですが、 高橋秀実さんは いつも専門分野を持たないまま その時その時に疑問に思っ

        • 【読書】なぜ働いてると読書量は減るの?

          「なぜ働いていると 本が読めなくなるのか?」 これは、今年一番の、 見事に人間の盲点を突いた指摘でした。 それを書いた三宅香帆さんの 集英社新書『なぜ働いていると 本が読めなくなるのか』が 「書店員さんが選ぶノンフィクション 大賞2024」に選ばれました。 痛快な盲点でしたね。 江戸時代、明治、戦前、戦後、 高度経済成長期、バブル期などなど、 時代ごとに、 働き方と読書の在り方について 考えていった三宅さんの 思考の運び方が良かった。 でも、一番は、やはり、 タイトル

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        • 本の命、本の謎、本の運命?
          133本
        • 読むことは受け身ではない!
          331本
        • 私はこんな人たちが好き!
          153本
        • 書くことは人生のスパイスです
          188本
        • 本屋さんの話をしよう
          39本
        • 読書会はたのしい
          28本

        記事

          【幸せ】武蔵の森日記。孤独もまた幸せ。

          今日は、朝、6時に目が覚めた。 早起きなのは年寄りになったせいか。 コメダ珈琲に向かう道すがら、 野良猫に出会う。 可愛いスコティッシュだった。 まだ小さい。 お腹を空かしてそう。 それで、慌てて、道を戻り、 セブンイレブンで猫のカリカリを買う。 で、さっきの空き地に戻り、 野良スコにご飯をあげた。 可愛い。 こんな子を捨てた人の気が知れない。 ご飯をあげても、 すぐには食べてくれない。 私がその場から離れるのを確かめてから スコは食べ始めた。 まだ警戒されているらしい(

          【幸せ】武蔵の森日記。孤独もまた幸せ。

          【人生】noteと純文学にハマっていく理由とは?

          読書は命の在り方を問う。 なんぞ、と大袈裟に言い切るのは 小っ恥ずかしいけれど、 50歳の声を聞き出した頃から、 俄然、なぜか、読書の在り方が 変わってきました。 40代前半までは、 私も普通に、ミステリーや エンタメ小説を読んできました。 でも、7年前、 3度目のうつで倒れ、 今度のうつが今までに比べ 明らかに深刻なことにビビり、 いつか高じて発狂する不安に さいなまれました。 ヤバい、今度はマジでヤバい。 私は慌ててお酒もやめました。 その辺りから、 人生、というと

          【人生】noteと純文学にハマっていく理由とは?

          【読書】読んだふり本、第1位は何でしょうか?

          今年は、 ジョージ・オーウェルが書いた 『1984年』題名から  40周年に当たる年ですね。 オーウェルが『1984年』を 書いたのは、1949年でした。 オーウェルにとっては、 遠い未来のつもりだったでしょう。 それをすでに40年も過ぎていたなんて。 そうして、肝心の中身は、 世界に「独裁者」が幾人も 誕生し、争いを起こす現在の事態。 冷戦が崩壊した時代、 マルクス共産主義国が終焉した時代、 オーウェルの作品は、 並の反マルクス者の、並の作品と 見なされていましたが、

          【読書】読んだふり本、第1位は何でしょうか?

          【自己紹介】イメチェンしてみました!!

          今日は久しぶりに、 プロフィール画面を見返した。 ちょっと久しぶりに イメチェンしちゃおうか? ただ、なんとなく、 写真やペンネームを考えだすと なかなか刺激的でした。 ペンネーム?ハンドルネーム?は ついさっきまで 「眠れぬ夜のブックカフェ」 としていましたが、 それは、遠藤周作のエッセイ集 『眠れぬ夜に読む本』から 頂いていました(汗)。 さて、今日からは、 「読書、時々、愛とカレー」と しました。ふざけてるかなあ(汗) いや、恥ずかしくなって 数分後には変えてるか

          【自己紹介】イメチェンしてみました!!

          【書く】文章の呼吸って何だろう?!

          文章にも、呼吸がある、らしい。 今まであまりそのことを 考えてはきませんでした。 剣道や合気道でも、  よく「呼吸」といいますね。 それと同じだろうか?  くらいしか考えていなかった。 文章の呼吸。 文章を書こうとする時、 人はいい文章を書こうとして まず口を閉じますね。 チカラを込めるために。 そうしてりきんだ状態になって 文章を書く。 息をつめるようにして書く。 この時、息はしていませんね。 呼吸するどころか、呼吸をとめていく。 これで良い文章が書けるはずがない。

          【書く】文章の呼吸って何だろう?!

          【書店】書店まわりはほどほどに!?

          書店まわり、という  恒例行事が出版界にはあります。 といっても、ブラブラ 本屋さんをまわることではありません。   新しい本が発売になった日に、 作家さんを書店にお連れして、 書店の担当者に 「新刊をよろしくお願いします」 とご挨拶しに行く行事です。 お願いされれば、 その書店の在庫本にサインをしたり。 これを、新宿、池袋、丸の内など 大型書店をまわって行くんです。 時には、書店の担当者さんが、 お連れした漫画家さんの 大ファンだったりして、 漫画家さんの前で感動して

          【書店】書店まわりはほどほどに!?

          【書店】減少する本屋さん。それでも私は通います。

          本は読むべきだ、とか 本屋は無くしちゃいけない、   そんな生真面目すぎる論調は あまり人々の心を打たないらしい。 私はどちらかといえば、 街の、また町の本屋さんは 無くしちゃいけないと 信じてきました。 でも、本屋さんはどんどん 無くなっています。 だから、なぜ、町や街の本屋さんが こんなに休業に追いこまれるのか アレコレ考えてしまいます。 でも、気づいたんです。 本だけでは、そもそも独立して 経営できるほど、強力な パワーコンテンツでは 無くなってきたのではないか

          【書店】減少する本屋さん。それでも私は通います。

          【読書】美しい読書をしよう!?

          美しい本。 アランの『幸福論』は その哲学さと詩歌のような調べから 美しい本と呼ばれていたらしい。 美しい、というのは、 またちょっと洒脱な言葉だなあ。 英語でも、 感動的で見事な人生を描いた映画を  ビューティフルと呼んだりするから、 「美しい」を  映画や小説やエッセイについて 美しさを基準として使っても まんざら間違いではないらしい。 昔、あるアメリカ人が 映画『フィッシャー・キング』を観て 「あれはビューティフルだった」と 話していたのが印象的でした。 ホーム

          【読書】美しい読書をしよう!?

          【楳図かずお】ホラーと笑い(ギャグ)は根が同じ人間心理!?

          趣味を聞かれたら、 お笑いとホラーと答える。 明石家さんまや ダウンタウン、千鳥や有吉弘行、  オードリーらのお笑い番組は 欠かさず観ています。 その一方で、  映画では、 恋愛や感動ものは観ない。 アクションやファンタジーも まず観ない。 サスペンスかホラーを観る。 とことんテンションが下がり切る くらい恐ろしい方がいい。 『エクソシスト』『オーメン』 『シャイニング』や『セブン』 『羊たちの沈黙』『死霊のはらわた』 『リング』などをついつい観ては、 気持ちがグッタリす

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          【文学】政治的な風刺小説はこれからだ

          読書では、あまり得意ではない 分野があります。 政治小説。社会小説。 あるいは、社会風刺小説。 そう呼ばれる小説たち。 日本には、 良き政治小説家がいないのか、 良き政治小説読者がいないのか、 政治小説の名作はあまり 作られにくい風土らしい。 開高健の話では、  日本で政治小説と呼べる名作は、 山本周五郎の 『樅の木は残った』が 珍しく成功した小説らしい。 強いて言えば、柴田翔の 『されどわれらが日々--』も、 社会小説と定義してもいいかな。 それが海外に目を転じると

          【文学】政治的な風刺小説はこれからだ

          【創作】上手さより、人間の総合力が大事!?

          「上手い」より「感動」が勝つ。 これは文芸評論家・豊崎由美の 言葉らしい。 今日、あるライターさんから 教えてもらいました。 作品の魅力として、 上手い作品はままあります。 その時は良く感じるけれど、 上手いだけの作品は、 小説であれ、エッセイであれ、 すぐに忘れていってしまう。 右から左へ流してしまう。 もちろん、下手な作品よりは ずっっっと良い。 ただ、世の中に発売される クオリティーの本や記事なら 下手なことはない。 大抵は、上手く書けてある。 でも、上手いだ

          【創作】上手さより、人間の総合力が大事!?

          【対談】大江健三郎と古井由吉の文学談義はオススメです。

          古井由吉。 最近、やっと古井由吉さんの 良さが分かってきた。 読んで面白いと思うようになった。  あんなに、ピース又吉直樹が 10数年前から推していた 独特のスタイルを持つ、 作家、古井由吉。 最近、そんな古井由吉と 大江健三郎の対談集を読んでいて、 オトクな対談に出会いました。 それは、日本の 近代・現代文学を象徴する 明治から昭和までの、 短編小説、35作品について、 古井由吉と大江健三郎が 感触や寸評を語り合う章が あったんです。 『文学の淵を渡る』 第2章「百

          【対談】大江健三郎と古井由吉の文学談義はオススメです。