読書記録|山口周 『武器になる哲学』
読了日:2024年3月18日
昔、CDのジャケットを見て、インスピレーションで「なんとなく良さそう」と感じて買ってみたら大当たりだった!……という、所謂”ジャケ買い”(死語かもしれない)的に軽い気持ちで買ってみた本。これが実に面白かった。
数ページずつに分けて50名の哲学者を紹介しつつ、キーコンセプトを踏まえた上で現代に活かす術を伝えている。登場する哲学者は、知らない人はいないであろう人物から、名前を聞いたことのない人物まで様々だが、「この理論は知っている!」と、どこかでなんとなく聞き覚えのあるネタに興味をそそられるし、更にテンポの良い文章が飽きさせない。社会心理学にも共通する部分もあるので、その分野に触れたことがある人は特にすんなり読めると思う。
この著作は、主にはビジネスパーソン向けに書かれているので、「社会で役立つ哲学」、「ビジネスにおける哲学の利用方法」、という視点に立脚している。とはいえ、視点の転換を促す作用のある哲学をこれほどまでに読みやすくしてくれたこの本は、現代を生きる私たちの人生そのものに活かせる内容になっているのではなかろうか。哲学は、膨大な時間をかけて「What」と「Why」を問い続けてきた人たちが、やっと導き出した得た解である。この結晶のようなものを、人生に活かさないテはない。哲学という学問を、もっと身近に置いておいてもいい。
巻末には”哲学ブックガイド”として、哲学の初学者でも読みやすい本の紹介がある。ここからまた次に読む本を探しても良い(私もそうした)。
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