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けがれた者達の歌 春雷

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春の季節に書いた 春の詩と物語の在り処
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#物語

絶対見つけるよ

絶対見つけるよ

月明かりが照らす

本の世界で

君が居る物語を探すんだ

君に名前がなくても探せるよ

君が此の中の

一つの物語の中にだけしか

居なくても

君を探すんだ

踊り子

踊り子

弦が弾かれ

乾いた打楽器の音が鳴り響く

私は華麗な衣装を身に纏い

優美な装飾品の音でリズムを取る

無表情で

素足を踏み出せば

嘆きの唄が始まるのだ

地面蹴りつけ

踊り出す私は

皆に問うのだ

語り継がれる物語の意味を

聴いた者は何を思う

見た者は何を知るのか

道

ただ静かに
道を通り過ぎて
行くだけの僕は
何か有るのかと探索し
無いのなら
物語の種にするかなぁ
なんて歩くんだ

春雷

春雷

夕方から
雨が降り
暗くなるにつれ
段々と
雨足が強くなり
夜空には春雷が光る。

美貌とエゴ

美貌とエゴ

人目を引く程の美貌

圧倒的な存在感

魅惑的で
魅力的な人間が
口にする我儘には逆らえ無い

「誰よりも私が大事でしょ?」

と言われると

「あなたが一番です」

と当たり前の様に答える

あなたの
被虐的な扱いの罠に
逃れる術を知らず

旅

大きなバックに
最低限、必要な物を
詰め込み旅に出る

水や食糧は
行く先々で
新鮮な物を手に入れ

寂しさを紛らわす
友人は道すがら
作れば良い

歩くのが飽きたなら
自転車やバイク
ヒッチハイクして
車やトラックに
乗るのも良い

思わぬ所にだって行ける

旅の方法を
選ぶのは自分

無と有

無と有

誰も彼もが
何も無かった様に
不自然に装い
何時も通りに
時は過ぎ

誰も彼もが
何か有ったかの様に
終始無言で
静けさの中
時は過ぎ

1日が終わる

花見

花見

桜の木に
集いし者共

花に魅入られ
心を囚われ
散る様に
儚い夢を見て

又、次の桜の桜が
咲く頃に
呼び寄せられる

文字的表現

文字的表現

『楽しい』と
書く事の簡単さと
楽しませる事の難しさ

『悲しい』と
書く事の簡単さと
悲しませる事の難しさ

他者の心を
引き出し
動かす事は
簡単では無い

他者の心を
引き出し
動かす事で
評価される

誰かの心を
引き出し
動かすまでは
誰の記憶にも残らない

コレクション

コレクション

沢山ある
コレクション

個々に
違いと個性や良さがあり
個々に
思い出や思い入れもある

もし
手離す事になる時は

飽きた時か?

嫌いになった時か?

手離す時は
誰かに好きだったモノを
譲るのか?

手離す時は
ゴミとして処分するのか?

好きだった者の
最後が哀れと為らぬ事を

雲と陽の光

雲と陽の光

厚い雲の
縁の部分と
薄い雲が
陽の光で光り
空がより輝いて見える

叶わぬ思慕

叶わぬ思慕

お気に入りの傘をさし
空から降る雨を
眺めては、

もっと沢山の
雨が降ればと願う。

多くの雨が降り

強い風が吹けば

咲いた花さえも薙ぎ倒し

雨が作る水の流れで

根こそぎ
流されていくか、と…。

未だ、降る様子も無い。

雨に濡れる事も
まだ無い。

花散らしの雨

花散らしの雨

小粒の雨が降る

時には
霧雨に変わりながら

せっかく
咲いた桜も花弁を散らし
道を花弁で染め
雨が降る

時が緩りと
流れる様に
雨が降る