お姫様らっこ、毎週ショートショートnote
村の大通り
一人のお侍さんが小走りでやってきて、遊んでいた子どもに語り掛けた。
「そこの子ども、今から、さる高貴なお方が駕籠で通過される」
「誰なのら?」
「お前がそんなことを知らなくてもよい。くれぐれも粗相のないように頭を下げなさい」
「わかったのら。こうやって頭を下げるのら」
「誰が立ったまま頭を下げろといった。土下座をするのじゃ」
「土下座って知らないけど、どうやってするのら?」
お侍さんは、よく見ておけと言いながら道端で土下座をした。それを見た子どもが言った。
「うむ