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【サプリメント入門⑧】NO系サプリ3種、アルギニン/シトルリン/アグマチンの効果と使い方。夜のパフォーマンスも…?

アルギニン
割とメジャーな栄養素であり、これらのサプリメントも市場にたくさん出回っています。

アルギニンを語る上で外せないのが、シトルリンとアグマチン
なんのこっちゃと思うかもしれませんが、その話は追々、、、

今回は、【アルギニン・シトルリン・アグマチンの効果と使い方】についてお話していこうと思います。


●アルギニンとは?

そもそもアルギニンとは何なのでしょうか。

アルギニンとは、非必須アミノ酸の一つです。
非必須アミノ酸は基本的に体内で合成することできるため、必須アミノ酸のように単体で摂る必要性は低いです。

ですが、アルギニンは、グルタミンと並び、非必須アミノ酸の中でも特に筋肉にとって重要なアミノ酸です。

というのも、アルギニンはホエイプロテインから十分な量摂ることができないため、ほとんどの人に不足しがちなアミノ酸だからです。
アルギニンは、大豆(ソイ)プロテインやナッツ、海藻類に豊富に含まれています。


●アルギニンの効果、摂取方法は?

・アルギニンの効果

・血管を広げて、血流を良くする作用(パンプ感の向上、筋肥大、疲労回復、ED改善)
・抗酸化作用
・興奮系の神経伝達作用
・免疫細胞の働きを活性化する作用
・インスリンの効果を上げる作用
・鎮痛作用

一般的には、血管を広げて、血液循環を良くする作用(パンプ感の向上、疲労回復)が最も一般的かと思います。

アルギニンはNO(ニトリックオキサイド)という一酸化窒素が結合しており、体内で「一酸化窒素(NO)」を出します。
これが窒素ガスとして血流を高める効果があるとされています。
アルギニン、シトルリン、アグマチンはまとめてNO系サプリと呼ばれたりもします。

血流が高まることで、様々な効果があります。



  - 筋肥大

まず、アミノ酸などの各種栄養素は血液によって全身に運ばれますから、筋肉に対して栄養が行き渡りやすくなり、これが筋肥大を促します。

筋肥大に関しては、血流増加による栄養の循環に加え、筋サテライト細胞を活性化する作用もあります。


  - 疲労回復

疲労物質なども血液が回収してくれたり、グリコーゲンの回復を促してくれるため、血流改善によって疲労回復も望めるというわけです。

タンパク質を代謝するときにはアンモニアが発生し、これは人体にとって有毒であり疲労物質でもあります。
アンモニアは、尿素回路によって肝臓で無毒の尿素へ変換します。
尿素回路を担っているのは、「アルギニン」「シトルリン」「オルチニン」ですが、これらを摂取することでアンモニアを分解し、疲労を回復させることができます。


・アルギニンの摂取方法

アルギニンは摂取後30分ほどで血中濃度が最大になり、半減期は2時間。
4時間ほどかけて元のレベルに戻ります。
トレーニングの1時間前に、8g程度摂取しましょう。

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アルギニンは強アルカリ性です。
一気に摂取すると胃痛が起こる可能性があるため、できるだけ胃酸が多い空腹時に飲むといいでしょう。
あまり市場では見かけませんが、アルギニンHCLでしたら中和されているためリスクが小さいです。

またアルギニンはヘルペスの原因にもなります。
チョコレートやナッツの食べすぎで口唇ヘルペスになる人はアルギニンが原因かもしれません。
カウンターとして必須アミノ酸であるリジンを摂取するようにしましょう。


●シトルリン・アグマチン

NO系物質はアルギニンの他にシトルリンやアグマチンがあると説明しましたが、それぞれどのようなもので、どんな違いがあるのでしょうか。

・シトルリン

アルギニンの前駆体が「シトルリン」です。

前駆体とは、それになる前の物質のこと。
トリプトファンからセロトニンができたりロイシンからHMBができたりしますが、それと同じイメージです。

シトルリンを摂取すると、体内にアルギニンに変わるというわけです。
これを聞くと、「最初からアルギニンを摂ったほうがいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。

アルギニンは前述の通り、トレーニーにとって不足しがちなアミノ酸。
アルギニンのまま摂取すると、血中濃度が上がる前に小腸や肝臓などである程度吸収されてしまいます。
そこでシトルリンを摂ることで、小腸や肝臓などで吸収されづらく、アルギニンをそのまま摂るよりも効率的にアルギニンの血中濃度を上げることができることがわかっています。

これがアルギニンよりも前駆体であるシトルリンを優先すべき理由です。

なお、シトルリンからアルギニンに変換されるまで少しタイムラグが発生します。
これを利用して、アルギニンとシトルリンを同時摂取することで、先にアルギニンが効果を発揮し、アルギニンの効果が薄れてきたところでシトルリンが効果を発揮するという「タイムリリース」的な使い方をすることもできます。


・シトルリンマレート

また新しいものを出してくるなやあああああああ!!!!
という感じかと思いますが笑、
シトルリンマレートとは、シトルリンにリンゴ酸を添加したものです。

リンゴ酸が添加されることで、体内のATP合成を促す作用があります。

ATP合成を促すことによって、プラセボ(偽薬)群に比べて、シトルリンマレート摂取群のほうが後半のセットでもレップ数が落ちないことが研究によってわかっています。

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値段も変わらないので、シトルリン単体よりもシトルリンマレートのほうがおすすめです。
一度に6g程度を、トレーニング中30-60分前に摂取するといいでしょう。


・アグマチン

アルギニンからカルボキシル基を取り除いたものが「アグマチン」です。

アグマチンの効果はシトルリンと似ているのですが、シトルリンよりパンプ感が得られるという研究結果がいくつかあります。
まだ研究が進んでいないサプリでもあり、今後の展開に期待したいところですが、体感も評判もかなりいいと思います。

一度に500mg-1g程度を、トレーニング中30-60分前に摂取するといいでしょう。


●「夜」への効果は…?

アルギニン、シトルリンはトレーニーであれば、筋トレに効果があるというイメージを持っているかと思いますが…
意外とトレーニングをしない人にも有名だったりします。

それは、精力剤としても知られているからかと思います。
実際、iHerbの人気ランキング上位には「マカ」が入っていたり、そちら方面への効果をサプリに期待している人も多いのではないでしょうか。

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結論から言うと、
「アルギニンやシトルリンの摂取でED改善は見込めるものの、買うんだったらちゃんとしたサプリメントを買いましょう」
ということになります。

前述の通り、アルギニンは9g、シトルリンは6g程度の摂取が必要です。
どちらも併用する場合、その半分ずつと考えていいと思います。

確かに血流増加によってEDに一定の効果はありそうです。
下記の研究では、タダラフィル5mgとL-アルギニン2.5gを12週間に渡って摂取することで、

また1.7gのアルギニンと40-80mgのピクノジェノールを3ヶ月間投与した研究では、EDの25〜45歳の男性の92.5%が正常状態の勃起を達成しました。

そこで、Amazonでアルギニンと検索して上位に出てくるスゴそうなサプリメントを調べてみました。

1パッケージで90粒、一ヶ月分で943円(2020年11月末現在)。
一回3粒、3粒にシトルリンが400mg、アルギニンが250mg。
うーん、これでは一回30粒くらい飲まないといけません。

このように、必要量が全く足りていないサプリメントが市場には溢れているので注意しましょう。

こちらは多少良さそう。
1パッケージで180粒、一ヶ月分で770円(2020年11月末現在)。
一回6粒、6粒にシトルリンが3.3g、アルギニンが1.5g。

…これが本当だったら、海外のシトルリン粉末サプリの市場価格(300gで約2,000円なので、3gで約20円)と張り合えるので、これは買い。
(執筆現在はブラックフライデー中なので、普段はこの倍額くらいですね。)


●アルギニンのエビデンスレベル

ここまで書いておいてなんですが、トレーニングに関するアルギニンのエビデンスレベルは高くありません
いくつかの研究によると、アルギニン自体に筋肥大や成長ホルモン分泌を促す作用、またパフォーマンスを向上させる作用はないことがわかりました。

そのため、ISSN(国際スポーツ栄養学会)はアルギニンのエビデンスレベルを「C:安全性や効果を裏付けるエビデンスがほとんどない」と位置づけています。
アグマチンに関しても、こちらは研究不足のため同様にCランクです。

一方で、シトルリンに関しては上記のとおり、シトルリンマレートとすることでレップ数の増加が見込めるため、「B:限定された効果のあるエビデンスを示す」とされています。

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とはいえエビデンスだけがサプリメントではありませんから、パンプ感がほしい方は十分摂取する価値があると思います。


●まとめ

・アルギニンにはいろいろな効果がある
・シトルリンはアルギニンの前駆体でアルギニンよりも効率がいい
・アグマチンはエビデンスが少ないけど良さそう
・とはいえアルギニンのエビデンスはあまりない
・トレーニングのエビデンスレベルが高いのはシトルリンマレート


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