コロニーの迷い人〜アンソニー•ミンゲラ監督『イングリッシュ•ペイシェント』(1996)
アンソニー•ミンゲラ監督の『イングリッシュ・ペイシェント』は、もはやクラシック殿堂入りとも言うべき映画である。公開からすでに四半世紀余り。展開の中で時折り見られる、ザラザラした画面粒子がデジタル時代との隔絶を示す。
公開時には劇場で。その後レーザーディスクを経て、近年は再放送のテレビ画面で繰り返し見ている。だから、「何を今更感想など」といった感もある。最近また衛星放送で視聴し、直後に原作を読み返した。我ながら、なぜこんなにリピートするのか、と不思議に思い、振り返りの気分