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詩「瓶の中の小蝿」(掌編小説?)
20240715
『まじまじと見つめて 挙動不審になった虫を笑う
小蝿を捕まえると 空き瓶に入れて観葉植物の横に置く
悪い趣味と思えば思うほど 何故だか楽しくなってきて
部屋にはゴミと 小蝿の入った空き瓶だらけ』
そんな物語が好きな少年が 面白そうだと真似をして
子供部屋のちょうど良い隙間に 小蝿の入った空き瓶を詰め込んだ
羽の擦れ合う音で夜中に起きてしまったり 謎の高熱が出たり
色々あ
詩「スーパーパワー」
20240531
彼の母親は彼を殺すために彼を産んだ
赤ん坊の彼を路地裏に置いた
最後に呪いのような言葉を吐き捨てて
雑踏に紛れて消えていった
彼を見た悪魔が愉快なことを思い付いた
彼に力を与えて復讐するように仕向けた
何も食べなくても平気な 頑丈な身体を与え
ついでに両腕をゴリラの腕に出来るようにした
それから彼は 他の子供と遊んでいる時
意図せずに耳や鼻を千切ってしまったり
喧嘩を売って
詩「フア・タカマー・リスカン」
20240522
気が狂いそうになって目覚めた
頭の中がぐちゃぐちゃになった
一つ一つ片付けていると
見覚えのないものを見つけた
誰だ?何だ?何処だ?何時だ?
見覚えのない男と一緒に謎の物体を持ち
パレットをぶちまけたような色の島で
俺と似た男が微笑んでいる写真
よく見ると 謎の物体は生き物だった
魚を釣り上げた時の写真に似ている
背景の島を見ていると目がチカチカする
海岸なのだろうが 考え
短歌集「gem」Demo Album/ポエトリーリーディング
「gem」という自作の短歌集のポエトリーリーディングです。
音楽をつけて、アルバムとしてまとめました。
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詩「愚かで卑しいスープパスタ」
20240507
スープパスタは言った
「飯は熱いうちに食え」
精霊たちも電波にやられて
自分の在処がわからないようだった
彼は言った「フォークがない」
火傷した右手が震えている
スープパスタは表情を変えずに言った
「冷めてしまうまで置いておくつもりか」
精霊たちは動揺して
彼の頬にメッセージを書き残した
電波の発生源は突き止められて
彼のいる部屋のコンセントの中だった
スープパスタは彼を