見出し画像

詩「犬と猫の話」

20240523

俺がゴミ箱の残飯を漁ってる時 女神に出会った
美しい毛並み 何もかも見透かすような瞳
彼女は俺と結ばれることは絶対ないと知っていながら
この気持ちを止められなかった

私は彼を初めて見た時 食われるかと思った
泥だらけ くさい 汚い ゴミを食べて生きてる
でも何故か不思議と嫌じゃなかった それは何故か
彼が私に向かって吠える時 その音が心地良かったから

 二匹はいつも一緒にいた
 ボロボロな犬と綺麗な猫だった
 近所に住んでいた不良たちが噂していた
 「あの二匹は毎日泥棒しているんだぜ」

前足を器用に使えば人間のドアなんて簡単に破れる
針金?俺はそんなもん使わねえよ
ただ小さい穴っぽこの方の板を外せば良いだけだ
まぁちょっとはコツがいるけどな 教えるわけねえだろ

中に入って高いところにある小物を取ることが私の役目
彼には下で待っててもらって 落として持ち去る
え?小物をどうするかって? 売るに決まってるじゃない
買ってくれる老犬がいるの これ以上言えないよ

 二匹はいつも仲が良かった
 犬が死んじゃうまで 猫はそばにいた
 その周りには捨てられた子犬や子猫たちが居た
 みんな悲しそうだった

ハッ 彼女との子供?たくさんいるさ
そいつらを食わせるために俺たちは頑張ってるんだ
人間どもが居なけりゃ俺たちは生きていけなかった
野生に還るには遅すぎたんだよ

私は贅沢したくはなかった していたけどね
人間といた頃よりも彼と居た時の方が楽しかった
ただそれだけ 家出したのは申し訳ないと思うけど
私たちには子供たちも出来たから幸せ

 二人はいつも 一緒にいたのに
 犬が死んだ時 一匹で居たんだ
 タチの悪い大人に捕まって
 たくさん蹴られて死んじゃったんだ

 僕は何も出来なかった 二階の窓から見ることしか
 足が震えた 怖かった 何でこんなことするの?って
 でも 悪いことをしていたと知っていたから
 これが自業自得なんだなって思ったりもした

 残された猫と子犬と子猫を家に連れてったらさ
 お母さんにとっても怒られたけど
 知り合いのブリーダーって人に話をしてみるって
 良かったね みんな一緒に居られると良いな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?