数学における極限操作は、数学という理念的な学問領域全体の核心に位置している。言い換えれば、この数学という学問領域が理念的であることの核心は、極限操作なしには存立できないということである。極限操作それ自体が、真の連続性を表現する実数に典型的な無限という領域の産出なのである。
極限操作なしには理念的学問としての数学が存立不可能だということは、例外/外れ値を完全に除去するという課題を人類が達成することは不可能かもしれないということである。少なくとも数学においては永久に不可能かもしれない。
数学における極限操作とは不連続性を連続性へと切り替える変換操作である。それにより有限性から無限性が産出される。
私の仕事『形而上学 〈私〉は0と1の〈狭間〉で不断に振動している』は全ての哲学者&哲学研究者はもちろんですが、全ての物理学者&数学者にも読んでいいただきたいと思っています。
指数法則で「aの0乗が1」というのは数学的にのみならず哲学的にも実に味わい深いものがある。0乗という操作は任意の「現実」の無内包化つまり〈現実〉化の働きに相当する。