長い下り坂でブレーキが効かなくなったら、次の登り坂まで踏ん張りますか?まさか、そんな悠長な時間はないでしょう。車に備わった機械的、電子的な制御機能を再確認しながら、いよいよの場合は、ガードレールや法面、雑木に接触させて制止を試みる他にありません。イメージトレーニングは大切です。
前世は悲惨な交通事故に遭遇し、全てを中途に他界したのだろう。目視できない死角や潜在的な危険が潜む場所にさしかかると、衝突の瞬間の衝撃、砕ける音がデジャブのように頭の中を走り抜ける。当然、アクセルから足を離してエンブレになり、ブレーキに足が掛かっている。これが安全意識を支えている。
ある交差点での出来事。目前の信号は青、交差する信号は赤。停止線15mほどに差し掛かった時、左方向から真っ直ぐ突っ走る自転車が目に入った。高齢者でブレーキに指が掛からないのか体が前のめりになっている。後方確認後、緩く深くブレーキを踏み最徐行状態に。自転車は飛び出すことなく停止した。
カップ麺や弁当を頬張り先を急ぐ大型車、信号の度に髭剃りや化粧の身支度に忙しいサラリーマン、デートの約束に遅れ50キロで8.8秒間120mも前方に目を向けることなく爪切りに没頭し信号を守って横断していた女児2人を死傷させる愚か者。移動時間に歪を詰め込む皺寄せを正せない根本原因は何?
車の素敵な空間と利便を愛した。学生時代、深夜に格安スタジオで練習を終えバンド仲間と漫画喫茶で駄弁りに花が咲いた。突然の「海に行こうぜ!」は潜在意識の以心伝心で小さな軽車にギターを膝に挟んで乗り込んだ。「朝まで語ろうぜ!」皆に共通の最高の浮かれ台詞だった。守るべき尊い瞬間と感じた。