そういえば脳は強い臓器で、なかなかアラートを出してくれないらしい。気がついたら時すでに遅し、ということはしょっちゅうあるんだそう。脳から身体に疲れが伝わるまでに、分厚い壁があるみたい。脳からこぼれた微弱なアラートをキャッチできるくらいの、心の余裕は持ちたいなあ……難しいけど。
前世は悲惨な交通事故に遭遇し、全てを中途に他界したのだろう。目視できない死角や潜在的な危険が潜む場所にさしかかると、衝突の瞬間の衝撃、砕ける音がデジャブのように頭の中を走り抜ける。当然、アクセルから足を離してエンブレになり、ブレーキに足が掛かっている。これが安全意識を支えている。