「リスカフェは冬の間ずっとお休みなんだものね」
リスくんは生まれてはじめて白鳥を目にした。
絵になるような優雅な身のこなしにうっとりとしたリスくんは、見とれてしまい、口の中にため込んでいた木の実をこぼしてしまった。
お母さんリスに怒られないように、急いで帰らなきゃいけないんだった。そう思いながらリスくんは慌てて木の実をほおばる。
「騒がしいと思ったら、リスくんなのね。今年も帰ってきたわ、ごきげんよう。」と白鳥。続けて、
「せっかく私が冬に来るのに残念だわ。お母様の"森のリスカフェ"は、冬の間ずっとお休みなんだもの」。